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はろうぃん
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ハロウィンなんて別に祝わなくてもいいと
思ってた。
自分たちに関係ないし、
もう「トリックオアトリート」なんて
お菓子をせびる年齢じゃない。
あ、ハロウィン限定フィギュアとか
カードが貰えるなら恥も外聞もなく
叫ぶけど。
それでも、兄弟二人の時は
プァルフに何度誘われても
ハロウィンパーティーには参加しなかった。
今年もそうだと思ってた…。
義姉の部屋の前で、心臓が口から出そうだ。
ドラキュラに扮しているが、
一歩間違えたら完全に不審者。
落ち着け、ただ呼ぶだけだ。
部屋からリビングに呼ぶだけなんだから…!
既に動悸のしすぎで具合悪いけど、
それ以上に期待と興奮が勝っている。
「すぅ、はぁ…」
何度目かの深呼吸で精神を整えて、
震える指で扉をノックした。
「きゅ、キューロさん?
人数揃いましたよー?」
罰ゲームでヘリウムガスを吸った時並みの
異常な高音が口から出た。
俺ってこんな声出たんだ…思わず感心。
「はぁい…今、ジッパーあげてるから…」
「…っ!!!」
心臓が…粋のいい金魚のように
飛び跳ねた。
そして、考える間もなく扉に手を掛けて、
寸でのところで自制する。
聞こえなかったふりして、
間違えて開けてみるか?
いや、そんなことバレたら…!
でも、見たい!!
義姉は仮装の詳細を
教えてくれなかったから尚更
気になって気になって、ここ数日
夜以外眠れなくて困っていた。
…開ける度胸なんてないのに、
人生の決断のように部屋の前で悶絶
していた。
「…にーちゃん何やってんの?」
「うわびっくりした!」
背中側から熊でも現れたかと思ったが、
灰色の狼の着ぐるみを着たプァルフだった。
「キューちゃん早く来ないと
僕が料理全部食べちゃうよー。」
プァルフが無神経に扉を思い切り開けた。
「あっあ!ばかばかっ!今義姉さんは
お着替えの真っ最中…!!」
と言いつつ、両手で顔を覆うふりをして
指の隙間をたっぷり開けて準備万全だ。
「……っ!!」
ぴんくのなーすこすの義姉…?
さいこう…。
あまりの感動に、頭が眩んだ。
彼女のボディーラインの
魅力を余すことなく引き出している
完璧なデザイン…。
あぁ、俺を、僕を看病して下さい…
恋の病なんです…!!
ほんの数秒の間で夢の世界に浸っていた。
はっと我に返ったのは、義姉が部屋から
出る時小声で囁いたから。
「…覗くかな?って思ったのに。」
「…!!!!!!」
「でも安心、覗いたら…
嫌いになるとこだったよ。」
「…!!!!!」
二重にびっくりして、言葉の意味を考え…
一応、嫌われなかったことにホッとする。
「兄ちゃんー!ジューさんも来たよー!
やばい!めっちゃ完成度高い!!」
「うふふふふっ」
義姉の魔法の鈴を転がすような
美しい笑い声に誘われて階段を
駆け降りていく。
「どうも~。ぞんびでーす。」
…玄関に陽気なぞんびが立っている…。
肌の汚さといい、裂傷の再現といい…
映画のぞんびが本当にいるみたいだ。
微かにジューニの面影があるが、
なるほど、完成度高いな…。
「さて、ご馳走食べたら…
空いてるカラオケでも行きますか!」
食欲旺盛のプァルフが場を仕切った。
しかし意見は満場一致だ。
確かに楽しい夜を過ごしたはずなのに、
俺にはぴんくのなーす姿の義姉の姿が
脳内に焼き付いて…
結局、夜も眠れなくなった。
思ってた。
自分たちに関係ないし、
もう「トリックオアトリート」なんて
お菓子をせびる年齢じゃない。
あ、ハロウィン限定フィギュアとか
カードが貰えるなら恥も外聞もなく
叫ぶけど。
それでも、兄弟二人の時は
プァルフに何度誘われても
ハロウィンパーティーには参加しなかった。
今年もそうだと思ってた…。
義姉の部屋の前で、心臓が口から出そうだ。
ドラキュラに扮しているが、
一歩間違えたら完全に不審者。
落ち着け、ただ呼ぶだけだ。
部屋からリビングに呼ぶだけなんだから…!
既に動悸のしすぎで具合悪いけど、
それ以上に期待と興奮が勝っている。
「すぅ、はぁ…」
何度目かの深呼吸で精神を整えて、
震える指で扉をノックした。
「きゅ、キューロさん?
人数揃いましたよー?」
罰ゲームでヘリウムガスを吸った時並みの
異常な高音が口から出た。
俺ってこんな声出たんだ…思わず感心。
「はぁい…今、ジッパーあげてるから…」
「…っ!!!」
心臓が…粋のいい金魚のように
飛び跳ねた。
そして、考える間もなく扉に手を掛けて、
寸でのところで自制する。
聞こえなかったふりして、
間違えて開けてみるか?
いや、そんなことバレたら…!
でも、見たい!!
義姉は仮装の詳細を
教えてくれなかったから尚更
気になって気になって、ここ数日
夜以外眠れなくて困っていた。
…開ける度胸なんてないのに、
人生の決断のように部屋の前で悶絶
していた。
「…にーちゃん何やってんの?」
「うわびっくりした!」
背中側から熊でも現れたかと思ったが、
灰色の狼の着ぐるみを着たプァルフだった。
「キューちゃん早く来ないと
僕が料理全部食べちゃうよー。」
プァルフが無神経に扉を思い切り開けた。
「あっあ!ばかばかっ!今義姉さんは
お着替えの真っ最中…!!」
と言いつつ、両手で顔を覆うふりをして
指の隙間をたっぷり開けて準備万全だ。
「……っ!!」
ぴんくのなーすこすの義姉…?
さいこう…。
あまりの感動に、頭が眩んだ。
彼女のボディーラインの
魅力を余すことなく引き出している
完璧なデザイン…。
あぁ、俺を、僕を看病して下さい…
恋の病なんです…!!
ほんの数秒の間で夢の世界に浸っていた。
はっと我に返ったのは、義姉が部屋から
出る時小声で囁いたから。
「…覗くかな?って思ったのに。」
「…!!!!!!」
「でも安心、覗いたら…
嫌いになるとこだったよ。」
「…!!!!!」
二重にびっくりして、言葉の意味を考え…
一応、嫌われなかったことにホッとする。
「兄ちゃんー!ジューさんも来たよー!
やばい!めっちゃ完成度高い!!」
「うふふふふっ」
義姉の魔法の鈴を転がすような
美しい笑い声に誘われて階段を
駆け降りていく。
「どうも~。ぞんびでーす。」
…玄関に陽気なぞんびが立っている…。
肌の汚さといい、裂傷の再現といい…
映画のぞんびが本当にいるみたいだ。
微かにジューニの面影があるが、
なるほど、完成度高いな…。
「さて、ご馳走食べたら…
空いてるカラオケでも行きますか!」
食欲旺盛のプァルフが場を仕切った。
しかし意見は満場一致だ。
確かに楽しい夜を過ごしたはずなのに、
俺にはぴんくのなーす姿の義姉の姿が
脳内に焼き付いて…
結局、夜も眠れなくなった。
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