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シルバ・アリウム、剣聖と成る
激闘の果てに 1
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先手を打つはヒース。
初手を影による転移魔法で距離を縮めようと、身に纏う黒布に魔力を通して不気味な魔術文字を浮かび起こす。
だが、それは互いにとって想定の範囲。
魔術行使のその瞬間、シュバルツは影を封殺する。
「―――甘い」
闘技場の四か所、二人にとって前後を挟む形で出現した眩しく輝く光柱。
それは影の発生個所を制限させ、転移による移動術を無力化した。
「……っ…光魔法か……」
影による転移を対策されるが、ヒースはナイフを投擲してまっすぐに距離を詰める。
その勢いは黒い風の如く。
自ら打ち出したナイフに追いつく速度で接近し、黒き刃を抜刀する。
「潰れろ、ヒース」
が、黒き風を遮るは、光の壁。
厚く堅固な大壁が出現すると、投擲された刃を弾いてヒースを迎え撃つ。
『おおっとぉぉッッ!!!開戦直後の転移術を持ち前の光魔法で封じたと思いきや!?
圧倒的な防御を誇る、光壁の魔法がヒースを襲うッッ!!!』
目の前を覆う程の壁は、黒騎士を圧し潰そうと無慈悲に迫る。
―――しかし、光を切り裂くは暗き影。
眩く輝き、堅く立ち塞がるそれを一刀両断にして突貫する黒騎士。
バリィィィィン………!!!
脆くも崩れ去る壁は、美しくも儚い破片を撒き散らして砕け散る。
その幻想的な景色を作り上げながら、相対する両者はここで剣戟を魅せつけた。
「ハァッッ!!!」
「ッチ……やるな、ヒースッ!!!」
穿たれる黒き刃の突き。
それを受け流すシュバルツの直剣は、流水のように切先を逸らす。
更に畳み掛けるヒースは、短刀を逆手に持ち直して超近接距離で刃を振るう。
―――攻め立てる黒騎士。
怒涛の攻勢を鉄壁の守りで凌ぎきり、高速戦闘による刃の残響音だけが観客達に響き渡ると、一拍置いて二人は間合いを保って仕切り直す。
残るは残心、そして静寂。
達人の剣戟を魅せつけ、二人の騎士による打ち合いに皆が沸く。
『ワァァァァァァァッッッ!!!!!』
割れる程の声援を受けるも、集中し、視線すら逸らさない二人には何も届かない。
構え直して剣を握り直すシュバルツは、一呼吸して彼を見据える。
対するヒースは、呼吸を乱して頬を掠めた血を拭う。
この打ち合いでは純粋な剣技で太刀打ち出来ず、黒騎士は苦戦した。
(マズい……中距離を保てば光壁による防御でこちらを削がれる、
近接戦闘で決着をつけようにも、奴の剣術に隙は無く、分が悪い)
ここにきて真っ当な戦闘方法で差が開き、黒騎士は姿勢を低くして構える。
(―――やはり、こちらを取り囲む光柱が影を無くすのが痛い、
先に一つでも破壊して、影を作らなければ勝機はないだろう……)
予備動作すら見せず、ヒースは後方へ弾き飛んで柱の破壊を目指す。
だが、それを見通して遠距離から打ち出される光の矢が、ヒースを襲う。
初手を影による転移魔法で距離を縮めようと、身に纏う黒布に魔力を通して不気味な魔術文字を浮かび起こす。
だが、それは互いにとって想定の範囲。
魔術行使のその瞬間、シュバルツは影を封殺する。
「―――甘い」
闘技場の四か所、二人にとって前後を挟む形で出現した眩しく輝く光柱。
それは影の発生個所を制限させ、転移による移動術を無力化した。
「……っ…光魔法か……」
影による転移を対策されるが、ヒースはナイフを投擲してまっすぐに距離を詰める。
その勢いは黒い風の如く。
自ら打ち出したナイフに追いつく速度で接近し、黒き刃を抜刀する。
「潰れろ、ヒース」
が、黒き風を遮るは、光の壁。
厚く堅固な大壁が出現すると、投擲された刃を弾いてヒースを迎え撃つ。
『おおっとぉぉッッ!!!開戦直後の転移術を持ち前の光魔法で封じたと思いきや!?
圧倒的な防御を誇る、光壁の魔法がヒースを襲うッッ!!!』
目の前を覆う程の壁は、黒騎士を圧し潰そうと無慈悲に迫る。
―――しかし、光を切り裂くは暗き影。
眩く輝き、堅く立ち塞がるそれを一刀両断にして突貫する黒騎士。
バリィィィィン………!!!
脆くも崩れ去る壁は、美しくも儚い破片を撒き散らして砕け散る。
その幻想的な景色を作り上げながら、相対する両者はここで剣戟を魅せつけた。
「ハァッッ!!!」
「ッチ……やるな、ヒースッ!!!」
穿たれる黒き刃の突き。
それを受け流すシュバルツの直剣は、流水のように切先を逸らす。
更に畳み掛けるヒースは、短刀を逆手に持ち直して超近接距離で刃を振るう。
―――攻め立てる黒騎士。
怒涛の攻勢を鉄壁の守りで凌ぎきり、高速戦闘による刃の残響音だけが観客達に響き渡ると、一拍置いて二人は間合いを保って仕切り直す。
残るは残心、そして静寂。
達人の剣戟を魅せつけ、二人の騎士による打ち合いに皆が沸く。
『ワァァァァァァァッッッ!!!!!』
割れる程の声援を受けるも、集中し、視線すら逸らさない二人には何も届かない。
構え直して剣を握り直すシュバルツは、一呼吸して彼を見据える。
対するヒースは、呼吸を乱して頬を掠めた血を拭う。
この打ち合いでは純粋な剣技で太刀打ち出来ず、黒騎士は苦戦した。
(マズい……中距離を保てば光壁による防御でこちらを削がれる、
近接戦闘で決着をつけようにも、奴の剣術に隙は無く、分が悪い)
ここにきて真っ当な戦闘方法で差が開き、黒騎士は姿勢を低くして構える。
(―――やはり、こちらを取り囲む光柱が影を無くすのが痛い、
先に一つでも破壊して、影を作らなければ勝機はないだろう……)
予備動作すら見せず、ヒースは後方へ弾き飛んで柱の破壊を目指す。
だが、それを見通して遠距離から打ち出される光の矢が、ヒースを襲う。
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