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束の間の安息と追憶
四話
しおりを挟む孤児院までの帰り道を待ち伏せ、二人を取り囲む粗暴な輩。
彼らは薄ら笑いを浮かべて、一方的に言い放つ。
「この銀の髪、噂通り間違いねぇな……、
おい!!ガキをこっちに渡しなババアぁ!!」
「なんだいアンタら?いきなり失礼な奴だね、
そこを退きなさい、アタシらは忙しいんだよ」
「……あ?随分舐めた口を聞くババアだな、殺すぞ?」
一触即発の空気が流れ、子供でもわかる程の殺意に少女は怯えて身体が固まる。
「さっさとガキを渡せ、次はねぇぞ」
「自分の子を渡せと言われて渡す親なんていないだろう?
アンタらこそ次は無いからさっさと消えなさい」
「―――そうか」
じりじりと、男たちは距離を縮めてこちらを睨む。
しんしんと降る雪が足音を消し、不気味さを伴って野盗は武器を取り出した。
(―――いいかい、アタシが少しでも時間を稼ぐ、
貴方は人がいる所に逃げ込むんだ、いいかい?)
(っ……で、でも……義母さんがっ……!?)
(迷っている時間はないよ、貴方には夢があるんだろう)
いつもの厳しさで言い切られて、少女は頷くしか出来ない。
震えた身体に力を巡らせ、なんとか足を踏み出して一気に駆ける。
「おいッつ!!ガキが逃げるぞッ!!」
「お行きッ!!振り返るんじゃないよッ!!」
頭は真っ白となって、冷たい雪を顔にぴたりと付けて走り抜けた。
真っ直ぐ、ただ前だけを見て姿の見えない誰かに助けを求める。
「―――はぁ……!!はぁっ!!誰かっ……義母さんがっ……!!
誰かいませんかっ!?どなたかっ……!!」
必死に辿り着いた民家の戸を叩くも、返事は無い。
しかし、部屋の明かりは確かについており人の気配もしている。
どうしていいかわからず、へたれ込んでその場に座るとゆっくりと戸が開いた。
「あっ……!!あのッ!!」
「―――あん?なんだコイツ?子供?」
「え……な、に……」
少女は、戸から出てきた野盗に驚き、目を見開く。
知らない住人が我が物顔で出てくると、こちらの顔をじろじろと覗き込んで髪を触る。
「あぁん……?コイツ別動隊が捕まえる予定のガキじゃねぇか?
―――おいっ!!お前ら一旦そっちは中止だ、こいつを縛っとけ」
「なんだよ、今が一番おもしれぇのに……別動隊はなにしてんだよ」
「知らねぇよ、盗れるもん取ったらさっさと火をつけろ、
本来の目的はコイツなんだ、長居して騎士団に見つかったら洒落にならん」
次々と民家から出てくる野盗たちは、金目の物を抱えてニタニタと笑っている。
その中の一人は、血まみれのナイフを握ってつまらなそうな顔でこちらを見た。
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