天下無双の剣聖王姫 ~辺境の村に追放された王女は剣聖と成る~

作間 直矢 

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迷いと、後悔

ミオの判断

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 「情熱的な人だなぁ……」


 小さく、率直な感想を呟いてミオは作業を続ける。

 怪我で動かしづらい片手を庇い、黙々と村の為に彼女は尽くす。
 それは、静かに休養を取っていると悪いことばかり考えてしまうから。

 村の襲撃で経験した恐怖。

 ヒースの呪詛。

 そして、シルバの元気が無い事。

 食も細くなり、目に見えて元気の無い彼女を見るのが何より辛く、ミオはそれらを考えない様に集中した。

 けれど、けれども。

 出来る事があるのにそれをしない。
 ミオにとってはその事実の方が、耐え難かった。


 「黒き刃のみなさん……いますか?」


 気配も、魔力も感じられないが確かにそこにいる。

 ミオは背後の彼らに語り掛けて、短くお願いする。


 「どうか……シルバ様のために、働いてくれますか?」


 シンプルに放った願いに、彼らもまた短く応えた。


 『御意』


 四人の重なった声を聞いて、私は振り向く。
 そこには、黒い影を纏いながらも暖かな光に包まれた人たちがいた。

 そうだ、あのシルバ様が信じた人たちなのだ。

 ならばこそ、皆となら出来る事がある。


 「サクラさん、この書類をまとめておいて貰えますか、
  カズキは村の家屋を立て直すのを手伝ってあげてください、
  タキガワさんは怪我人の治療と看病をお願い致します、
  ヘイさんは私と一緒に来てください、色々と手が要ります」


 この村を、この場所を変わらず守るためにミオは動く。

 シルバがいつでも戻れるように、最良の状態で村を維持して彼女達は今を生きる。
 
 我が王女は、この困難すら打ち砕くと信じて―――

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