賊を狩り続ける冒険者~近代技術で魔法を凌駕する~

作間 直矢 

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1話 賊狩りと少女

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 しばらくして、身寄りの無くなった私は商業都市に移送された。
 
 孤児を保護する教会にお世話になっていたが、そこでの生活にも慣れ始め自立するべく一つの生き方を考え行動する。


 「冒険者ギルド……」


 十五歳であれば成人として扱われるため、冒険者として生きていく事も選択肢として視野に入る。
 
 が、主に未開拓の地に生息する魔獣や原生生物の討伐。
 危険領域土地の調査など、どのクエストも常に死と隣り合わせである。

 それでも、教会で保護されてからの日々に冒険者への興味は尽きず、平穏とした日々に区切りを付けるため、ある決心した。


 「―――ッ…」


 せめてもの餞別と、教会のシスターから頂いた資金を基に装備を整え、私はギルドの扉の前で緊張する。

 決して、未開の地を冒険する事に憧れてここに来た訳ではない。

 心躍るような、伝説の勇者の様に武勇を轟かせたい訳でもない。

 私はただ、救われたこの命に意味を見出したい、そのためにここに来た。


 ギィィィ……。


 意を決して扉を開けると、屈強な男たちが談笑して話し合ったり、パーティーを組んでいる冒険者達がクエストを受けていたりと、噂に聞いていた景色がそこにはあった。


 「ええっと……どこに…」


 しかし、私がギルドに来た理由はそこには無い。
 唯一つ、命の恩人を探して見つける為。


 「―――ぁ」


 だが予想より容易く、この願いは叶った。
 
 個性の強い人間が集まるこの場であっても、その姿はとりわけ異質で、そして不気味であり特徴的である。

 剣を持たず、盾すら持たない青い騎士。
 背中に改造されたクロスボウを背負って、クエストボードを眺める彼はそこにいた。

 心臓が飛び跳ねる程の緊張で彼に近付くと、不意に後ろから肩を小さく叩かれる。


 「こんにちは、君見ない顔だけど冒険者希望の人?」

 「あ、えぇと、はい……」

 「やっぱり!ギルドに初めて来る人って雰囲気でだいたい分かるからね、
  それで、やっぱりクエストを受けにここへ?」

 「……いえ、私は人に会いにここに」

 「人?誰かな?良かったら探そうか?」

 「それには及びません、私が会いたいのは彼ですから」


 そうして指差した先は青い騎士。
 彼の姿を見ると、目の前の気さくな男性は顔をしかめて口を開く。


 「―――君本気?あの人がどんな人か知ってる?」

 「詳しくは、知らないです……ですが、命の恩人です」

 「あぁ……なるほど、けどアイツに関わるのは辞めときな、
  アイツは盗賊や山賊なんかの討伐クエストしか受けない狂人だ、
  既に大量の人間を殺しているヤバい奴だよ?」

 「……それでも、私にとっては恩人です」

 「悪い事は言わないよ、忠告はしたからね」


 困り顔で冒険者は手をひらひらと振り、その場から離れる。
 しっかりと頭を下げ、彼の優しさに感謝して私は視線を定めた。

 恐らく、このギルド内での評判を見るに騎士様が善人という保証はない。

 けれども、僅かなやり取りではあったが私にはあの人が悪人には見えず、なにより命を救ってくれた事実は変わらない。

 故に、冒険者として彼の役に立ちたい。
 それがこの命の意味だと、そう感じたのだから。

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