賊を狩り続ける冒険者~近代技術で魔法を凌駕する~

作間 直矢 

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1話 賊狩りと少女

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 「今回の件もそうだけど、アルバートはやり方が過激すぎるのよ、
  ……まぁ、実績が伴っているからあんまり強くは言えないけど」

 「実績というと……過去にも人を救っていたのですか?」


 過去、その話題に触れる瞬間に僅かに冷たい空気が流れる。


 「二十年前に勇者一行が魔王を討伐して、大陸の魔物や魔族が大人しくなった、
  しかし、人による犯罪が増加して都市部を中心に治安は悪化、
  冒険者ギルドも出来る範囲、賊討伐を積極的にクエストに取り入れた」

 「だが、賊共は大きな組織と化して町や村を襲って好き勝手暴れ、
  大きな力を誇示して弱き人たちを蹂躙し続ける、
  奴らは人ではない、ただの獣かそれ以下だ」

 「―――そうね、実際に被害あった方々を見るとアルバートの言う事もわかる、
  けれど人には変わりない、そうである以上私達ギルドは最低限の扱いはする」


 ここで意見が対立し、静かに視線がぶつかった。

 アリウムはその不穏な空気を感じ取り、わざとらしい明るい声で割り込む。


 「ゆ、勇者様たちが魔王を倒して大陸が平和になって以降、
  アルバートさんは冒険者になってご活躍していたんですねっ……」

 「そ、アルバートは十年前に冒険者登録してから今まで、
  既に二つのエリアで治安維持に貢献して活動しているの」

 「……という事は、アルバートさんってゴールドクラスの冒険者とかですか?」

 「いや、違う」

 「え、でもこれだけ強くてギルドへの貢献度が大きいなら、
  上位の冒険者でもおかしくないはずですが……」


 すると、サクラが頭を抱えて溜息をつく。
 訳を話そうと息を吸い、彼女は目を細めて騎士を睨んだ。


 「さっきも言ったけど、行き過ぎたやり方が問題になって
  冒険者ランクの昇給がギルド側で握り潰されているの」

 「やはり……人道的に、ですか?」

 「それもある、今回みたいに人道に反した事例も多いから
  アルバートを危険視してシルバークラスに留めている」

 「そう、ですか……」

 「もう一つは、アルバートの冒険者適正が低いこと」

 「……冒険者クラスの昇給に、適正も判断されるんですか?」

 「本来はないわ、けど、あまりにもアルバートの冒険者適正が低いために
  ゴールドクラスの冒険者としてどうなのか、上の連中はそう協議している」


 ここまで、アルバートを取り巻く環境を耳にしたアリウムは思う。

 確かに彼の心に潜む闇は深く、それを恐怖し遠ざけたくなる気持ちも分かる。
 実際に暴力を目の当たりにした彼女は、否定出来ないおぞましさすら感じた。

 だが、それだけではなかった。
 復讐心も、怒りも、恨みでもない。

 心根にあった優しさ、本質とも言える人を救いたいと願う感情。

 私を助ける時、村の人達を救う時、鎧の騎士に迷いなど無かったのだから。

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