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2話 山賊討伐の代償
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しおりを挟む山賊殲滅から帰還し三日、アルバート達はギルド本部へ呼ばれ応接室に来ていた。
「―――で、話していいかなアルバート?」
「ああ、構わんサクラ」
不機嫌そうな顔でアルバートを呼び出したサクラは、足を組みながら高圧的に切り出す。
それを不安な顔で眺めるアリウムは、小さくなって騎士の隣で座っていた。
「まず、依頼した山賊の討伐ご苦労様……結果だけ見れば文句の一つも無いわ」
「そうか」
「……で、現場を調査したギルド団員からの報告を伝えとくと、
賊の生存者は無し、焼死体が何名かあったけど正確な死者数は不明、
近辺での山賊目撃情報も無い事から、賊は全滅したとギルドは判断している」
淡々と読み上げられる報告をアルバートはただ聞く。
依然、兜で表情が見えない彼だがその心は読めない。
「あの……ここまでで何か問題ってあるのでしょうか…」
「アリウムさん、貴方は目の前でコイツの行動を見ていたならわかるはず、
私含めてギルド上層部が問題視したのは、作戦で使った兵器について」
「―――武器に関しては、事前にあげた作戦概要書通りのはずだが」
「それは過去の報告書から、聞いていた兵器の威力を想定して許可したから、
今回使われた兵器は我々の想像を超えた威力だった、この意味わかる?」
「……改良を加え、前回使った武器の想定を超えた事に関しては謝ろう」
「違う、今回の件は大陸を揺るがす案件なのよ」
パラパラと資料をめくり、何枚かをアルバートの前にそれを見せた。
「これ、調査団が保存した現場の魔法投射映像記録なんだけど、
ここ…山賊の拠点だった跡地に三か所の大きな破壊跡がある、わかる?」
「対軍兵器を三発放った、その着弾地点だ」
「そ……最初に発見した調査団は大規模魔術の痕跡だと勘違いしたらしい、
私もこの資料を見た時、上級の爆破魔法かと思った」
「そうか」
「はぁ……結論だけを言うわ、こんな頭のおかしい兵器が出回ったら、
魔法の才を持たない人間でも上級魔法と同等の凶器を持つことになる、
そうなったら、大陸は再度戦火に包まれる」
「武器の管理も、設計における技術の流出阻止も徹底している」
「ギルドはそれを信用していない、これまでの行動からそれを否定させない」
真剣な眼差しでアルバートを詰めるサクラ。
そこには、敵意にも似た雰囲気と最大限の警戒があった。
「なるほど、それでこの一室を囲むように冒険者が警備しているのか」
「気付いていた?これからする要求を断ったら大事になるからね」
「話してみろ」
「一つは、貴方の言う対軍兵器とその設計図をこちらで回収させてもらう」
「ちょ、ちょっと待ってください!!
確かにアルバートさんは想定外の武器を使用したかもしれませんが、
そんな、こちらの力を削ぐような処遇を強制するなんてっ…!!」
「それぐらいこれは大きな問題なの、悪いけど口出しは無用よ」
優しい口調とは裏腹に、突き放した言い方で言葉を遮られる。
「それで、勿論我々の要求を断らないわよね、アルバート?」
「―――いいだろう、速やかにそちらに兵器と設計図を引き渡す」
「殊勝な心掛けね、あと一つの要求もいいかしら」
「話せ」
「それじゃ……あー、入ってきていいわよー!!」
サクラは声を高くして誰かを呼ぶ。
すると、奥の部屋から一人の女の子がニコニコして入ってきた。
彼女は白衣を着ており、ふんわりとした髪をなびかせて笑顔を向ける。
鎧の騎士に手を振って、猫めいた目を細めて座った。
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