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3話 挑発と挑戦
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しおりを挟む小規模な賊討伐クエストの報告をする為、二人はギルドへ寄る。
未だに異質な組み合わせである彼らの姿に、奇異の目で見るギルドの冒険者も多くアリウムは居心地の悪さを感じていた。
しかし、今日はそれだけではなかった。
何度もあった嫌な視線だが、それを送っていた冒険者達が騎士の道を塞いだ。
分かりやすい嫌悪と敵意をむき出しにして、屈強な男達と狡猾そうな男がアルバートを取り囲んで言葉をかける。
「よお、賊狩りっ……最近ちょっと出しゃばり過ぎてねぇか?」
「何の話だ」
「とぼけんなよッ!!テメェ……ハイド山をねぐらにしていた山賊どもを
皆殺しにしたらしいじゃねぇか!!どこまで外道なんだよテメェはッッ!!!」
「―――外道は、賊共だ」
「だから何人でも殺していいってか?ふざけんなッ!!
お前みてぇな奴がいると俺達冒険者の名誉や威厳まで汚れんだよ!!
俺達は人殺しをするために冒険するんじゃねぇッ!!未来の為に命懸けてんだよ!!」
多くの人間を灰にした山賊での一件。
その情報がどこからか流れたのか、噂を聞いた冒険者が騎士に問い詰める。
当の本人は動揺する事も、怒る事も無く淡々と答えていた。
表情は兜で覆い、身体を鉄で隠してその心すら見せずに。
「お前らは、奴隷を見た事があるか」
「は?お前何言ってんだよ、今はそんな話をッ―――」
冷たい殺気が、言葉を遮る。
「黙って答えろ」
鋭く、短い言葉に思わず冒険者たちは息を呑む。
自分たちが目の前にしている男が、数多くの賊の命を奪う冷徹な殺人鬼である事を思い出たせて。
「ど、奴隷がなんだっていうんだっ…!奴隷なんかそこら辺にいるだろがッ!!
お前が人殺してる事と何の関係があんだよっ!!話を逸らすなッッ!!」
「いまや生活に浸透した奴隷制を疑問に抱く人間も少なく、
大きな屋敷の召使いや、働き手として様々な分野で奴隷が買われている」
「おいッ!!!」
「その奴隷を市場に供給しているのは誰か、お前は考えた事はあるか」
一歩、鎧の金属音を響かせて騎士が男に詰め寄った。
そして、明らかな殺意を振り撒いて男に告げる。
「盗賊、山賊、蛮族……こいつらは人を攫って金にする、
無垢な市民の幸福を奪い、それを蹂躙して私腹を肥やす害獣だ」
「うるせぇッ!!!」
「お前の言う未来が、無垢な市民の被害を容認する世界だと言うのなら
俺の敵は賊だけに留まらない、お前ら薄っぺらい冒険者も敵になる」
瞬間、逆鱗に触れたアルバートは大男の拳を貰う。
―――ゴガッ!!
腹部に放たれた一撃は、鈍い打撃となる打ち込み。
鎧の脆い部分を的確に狙われ、アルバートは膝を着く。
「っごふ……がっ……」
「っはッ!!!大層な御託を並べる割にこの程度で立てなくなるのかッ!!
弱ぇ奴ほどよく吠えると言うが、テメェもその部類のようだ!!
アァン!!さっきは何て言った!!誰が薄っぺらいって!!アァ゛!!」
呼吸を整え、肩で息をする彼をニタニタ見て笑う冒険者。
その光景は人の醜さを映し、少女は駆けだした。
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