賊を狩り続ける冒険者~近代技術で魔法を凌駕する~

作間 直矢 

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3話 挑発と挑戦

激闘

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 一方、街の広場で殺し合う二人は狂気そのものであった。


 「っだぁッ!!!どうした賊狩りッ!!!」


 鎖に繋いだ槍を振り回す傭兵は、縦横無尽に動き回る。
 
 それに対応する為、一定の距離を保ちながらクロスボウを連射する騎士。
 
 防戦一方ではあるが、連射型による牽制と追い込みでお互いに神経をすり減らす戦いを繰り広げていた。


 「うざってぇ!!これならどうだ?」


 傭兵は腕の鎖を引っ張り、槍の軌道を変える。

 魔力によって編まれる鎖は実体を持たず、術者の意思で長さを調整できた。
 右腕に巻き付いた鎖は徐々に伸び、熟練の技術で繋がった槍を動かしてゆく。


 「っつ……」

 「貰ったぁ!!!」


 機動力を生かして側面に回り込み、傭兵は距離を取って勢い良く槍を投擲。

 真っ直ぐな軌道ではあったが、鎖を利用して方向を変えると死角からの攻撃に切り替えて仕掛けるのであった。

 それを騎士は寸前で反応し、狙いを定めクロスボウを構えて引き金を引く。


 ―――ヅパァンッ!!!


 散弾型のボルトが射出し、投擲された槍を撃ち落として防ぐ。
 が、弾かれた槍は鎖によって垂直に動いて鋭く地面に突き刺さった。


 「オラァッ!!」

 「ぐあっ……」


 地面に深く刺さり固定された槍は、そこを重心に引っ張られる。
 その力を利用した跳躍により、間合いを詰められて重い蹴りを受けた青の騎士。

 ふらつきながら態勢を整え、即座に連射型のクロスボウで応戦して後退するが、アルバートは痛みを感じる暇も無く思考を巡らせる。


 (脇腹を狙った蹴りだが、骨には届かず致命傷にはなっていない……
  手元に槍が無い今が好機だ、実戦での使用になるが試作品をここで使う)


 弾倉に残ったボルトを全て撃ちきり、背中に装備した試作型のライフルを握る。


 「次はどんなオモチャを使うんだぁ!!あぁ!?」


 傭兵もすぐさま槍を引き抜き、追撃を仕掛けようとした。

 しかし、一手早かったのはアルバート。
 ライフルの装填から標準を定めるまで、それを一瞬で済ませ構えた。

 それを阻止する形で傭兵は触媒を取り出し、攻撃魔法を発動する。


 「させねぇよ、賊狩り」


 出の速い魔法は汎用性が高く、魔法で生成された槍が空中で浮遊して三本同時に射出され騎士を狙った。

 それを避けようともせず、ライフルを相打ち覚悟で構え続けて魔法槍が直撃した。

 ガキン、と鉄が軋む音が響いて魔法による小さな爆発現象が引き起こされ砂埃が舞うと、傭兵は口角を上げた。


 「―――ッ!?」


 だが、その口元は一瞬で強張る。

 薄れゆく砂埃から姿を現したのは、魔法攻撃を一切動じずに佇む騎士。


 「テメェ…!?まともに攻撃を受けたはず―――」


 返答は無く、無慈悲に引き金だけが絞られた。

 ―――ィィンッ!!!!

 流星に似た閃光が撃ち出され、傭兵に向かって一筋の光が空へ上がる。


 「………」


 飛び上がった隙を見て射撃したライフルは、傭兵を撃ち落とす。
 上級魔法の威力を軽々と超えた一撃で、この勝負に終止符を打つ。


 ―――かに見えた、その時。


 「―――まだ終わりじゃねぇぞ、賊狩りぃッッ!!!!!」


 急所を僅かに逸らして身体を撃ち抜かれた傭兵。

 彼は血塗れになりながら、鬼の形相で反撃に出た。

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