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4話 魔を討つ
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しおりを挟む今まで賊のみを倒し続け、魔物討伐や環境調査といった冒険をしてこなかった。
そんな彼が今更通常のクエストを受け持つとは思えず、アリウムは訳を聞く。
「ですが何故っ……アルバートさんが賊関連以外のクエストを受けるとは
思えませんし、刻印の影響を考えればこれ以上危険な事はさせられませんっ!!」
「理由は二つ、このまま刻印の治療に専念しようにも今のままでは罪人となる、
その前にギルド本部が抱えている重要クエストを達成して、本部の後ろ盾を作る」
「……もう一つは」
「何もしなければ、いずれアルバートの身体は限界を迎えて死ぬ、
その前に本部を通じて魔術教会に専門の魔術師を紹介してもらい、
刻印の治療が出来るような環境を作る、それしか方法がないわ」
「でも、工房の器材や武器の調整も時間が掛かります、
短期間でこなせるクエストでギルドの信頼を得られるとは……」
「サクラ~?もしかして、アルバートくんにお願いするクエストって、
前に話していた念入りに準備していたやつ?」
「……ええ、そうよ」
「なるほどなるほど~?それならアタシはアルバートくんを説得しようかな」
「シキさん?そんな簡単に決めてしまうなんてっ……」
「にゃはは~まぁまぁアリウムちゃん、
とりあえずクエストの内容を聞かない?ね、サクラ?」
「サクラさん……そのクエストとは…」
「本部がいま手を焼いているクエスト……
ゴルド平原にて発生した魔物の大軍討伐……」
魔物討伐。
それはアリウムにとって経験の無いクエストであった。
だが、アルバートを救う手段となれば迷いなど無く、彼女は賊狩りと呼ばれる復讐者の説得に応じるのであった。
アリウムとシキは、話を聞き終えるとサクラに案内されてとある医療施設へ向かう。
「ここに、アイツがいるわ」
そこは正規の施設ではなく、サクラが手配した場所。
なるべく内情を知られないように、人気の少ない影入った建物で二人は彼と再会する。
「―――っ!!アルバートさん!!」
「にゃはは~久しぶり~!アルバートくん」
「アリウムと、シキか……あれから怪我も無さそうで良かった」
身体のいたるところに包帯を巻いていた彼は、暇を持て余していたのか手元の精密部品をいじってそれを机に置いた。
「体調大丈夫なんですか!?寝てなくて平気ですか!!」
「―――ああ、問題ない」
「相変わらず自分の事は何も話さないわよね、アンタ」
「……そうだな」
「刻印の事二人に話したわよ、ちゃんと向き合いなさい」
「そうか」
サクラに促される形で向き直ると、彼はシキとアリウムに語る。
「俺の刻印だが、供給式の魔力を使う事で発現する身体能力向上の陣だ、
聞いているだろうが副作用として五感の喪失が発現しつつあり、
今回の事件で俺は昏睡し、気付けば痛覚が鈍っていた」
「そん、な……」
「だが今後の活動には支障はない、心配しなくても大丈夫だ」
「―――アルバートくん、体の刻印だけどさ……ちょっと見てもいいかにゃ?」
「構わない」
そう言ってシキは彼の隣に座り、包帯から垣間見える刻印をまじまじと見つめる。
ほぼ半裸と言っても差し支えない状態の彼を遠慮なく触るシキは、アリウムから厳しい視線を送られていた。
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