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4話 魔を討つ
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しおりを挟む「万が一、ここが墜とされる事があればお前達だけでも来た道を戻れ、
俺の予想では、砦に何かあればギルドはここで事態を収拾するだろう」
「ぇ……でも、アルバートさん、は……」
「俺は最後まで砦に残る、ここの火薬を使えば砦ごと爆破させて
大軍の足止めぐらいはできる、少しでも退却の時間を稼げるはずだ」
「―――死ぬ気なの?アルバートくん」
「そのつもりはない、しかし、その可能性が高いだけの話だ」
平然と、当り前のように話す姿に少女は一歩前に出た。
鎧の騎士、彼の前に立って兜の奥の瞳を見据えて。
綺麗で、真っ直ぐで、見つめる事に罪悪感を覚えるその瞳。
アルバートはつい、たじろいでしまった。
「アルバートさんは、私が守ります」
「アリ、ウム……」
「確かに、色々な思惑があって私達はここにいるのかもしれません、
ですが、魔物を討伐すれば人々の生活が守れる事に変わりはありません」
「人を……守る」
「はい、それは勇者の務めであり、今までアルバートさんがやってきた事です、
そんな貴方がここで死ぬかもしれないなんて、間違っても言わないでください」
「ぷぷー、アルバートくんがアリウムちゃんに怒られてる~」
「もう、シキさんも茶化さないでアルバートさんに何か言ってください!!」
「え~……アタシも?」
こほん、とわざとらしい咳払いをしてシキは猫のように笑う。
すると、手に持った地雷をアルバートに放り投げ、悪戯に言う。
「アタシ、結構アルバートくんの事好きだからこんなとこで死なれちゃ困るよ」
宙に浮いた地雷は彼の手に収まり、一瞬時間が止まる。
言葉の意味を理解したアリウムは、顔を赤くして絶句した。
「な、ななな、なに言ってるんですかぁーーー!!!!」
「んにゃ?ただ好きだから好きって言っただけだけど?」
「―――そうか」
慌ただしくシキに問い詰めるアリウム。
それをゆるく躱しながら笑うシキ。
二人を見て、思わず穏やかな感情を思い出す彼は先程までの後ろ向きな考えを改めて、胸に確固たる意志を刻んで言う。
「ありがとう二人とも、必ず……生きて帰るぞ」
残り二週間、ギルドが依頼したこのクエストを悲観する事無く彼らは受け持つ。
天才魔法兵装技師であるシキと、賊狩りと呼ばれる冒険者。
勇者を目指す真摯な少女と一緒に、絶望的な数の魔物相手に彼らは立ち向かう。
そして、後に彼の異名を増やす戦いになるのであった―――
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