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ゴブリン大討伐編
悪魔の狂宴
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「ゆ、行け、ゴブリンたちよ!」
ぞろぞろと出てくるゴブリンたち。
まだいたのか……!
俺は慌てて武器を取り出し、構え――しかし、ユウは「つまらない」と一言。
そして剣を無造作に横に振るった。
振られた剣の一閃が空気を切り裂き、闇を巻き込み、飛んでいく刃と化す。
半円状に広がる刃は、ユウを取り囲まんとしていた無数のゴブリンたちをすべて斬り殺し、さらには洞窟の壁に深い傷をつけた。
そのとき、ユウは微笑んでいた。しかし、それは普段見せているものではなく、虐殺に悦ぶ悪魔の嗤いだった。
「なっ、何だこいつ! 一人で、しかも一撃でこの数を一掃するとは……! 一体何者なのだ……」
驚愕するベルセルク。
「ふふ……。つまらないなあ。もっといないのかい。もっと殺してあげる」
「そ、そういうことならまだ出してやろう。行け、ゴブリンよ!」
しかし、追加の兵士は現れることはない。
「どういうことだ。来い、来るんだゴブリンたちよ」
ゴブリンたちは全く出てこない。その代わり、一匹のゴブリンが出てきた。
そのゴブリンは、ベルセルクに耳打ちする。
〈ゴブリンたちはもう全員出しました。戦えるものはもう誰もいませアギャァッ〉
参謀らしきゴブリンは、これも飛ぶ刃に斬られた。
「ふ~ん、もういないのかい。じゃあ、君を嬲り殺すよ。くふふ、こいつなら存分に愉しめそうだ」
血の海の中、少年の形をした殺戮者が、悠然と歩いていく。ゴブリンの王に向かって。
これから繰り広げられる殺戮劇を考えただけでも、寿命が飛んで行きそうだ。
今まさに始まろうとしている悪魔の狂宴に、俺は背を向けて、思いっきり走って逃げて行った。
ちなみに、逃げて行ったのは俺が最後だったという。
**********
「こ、この我を倒したとて何も変わらぬぞ。だから殺さなくてもよいだろう」
「そうなんだ。でも殺す。殺したいから……」
ぐふふ……と邪悪に満ちた顔で嗤う悪魔と、ゴブリンの王。そのふたりが対峙していた。
悪魔は跳躍し、ゴブキングの身体の上に乗り。
「手始め、いくよ」
胸部、鳩尾に刃を突き刺し、その腹を勢いよく切り裂いた。
「良いはらわただ……良いねぇ……ぐふふ」
「イヤァァァァァァァァァァァァァァァァァァァッッッ」
どばどばと内部の血管や腸、脂肪、内臓器官が外部の空気にさらされていく。
多くのゴブリンを率いた王の姿はそこにはない。いるのは殺す者と殺される者。ただそれだけだった。
「この腸を切り裂こう……いや、神経そのものを直接切り裂こうかな……ああ、最初は内臓全部をズッタズタに切り裂こうか……良い絶望を見られそうだ…………」
どうやって嬲り殺すかを考える悪魔。
「ああ、止めて止めて止めて止めて止め……」
「うるさい」
虐殺者にはいかなる言葉も――命乞いも届かず、悪魔は無常にも命乞いをする喉を剣で潰す。
そして、喋るものが自分のほかにいなくなったことを確認してから、悪魔は絶望を刻み付けるように言った。
「じゃぁ、殺るよ」
言うと、その右眼球に剣を突き刺し、内部の神経とその先にある脳をかき回す。それから左の目には腕を突っ込み、様々な神経を引きちぎり眼球を取り出し。
「うん、気持ち悪い」
そう言って握りつぶす。その手をまた目の空洞に入れて、脳をつかんで潰した。
ゴブキングは、声にならない――することができない悲鳴を上げ、死ぬのである。
――と思われた。
「……何を……している……」
「やだなぁ。そんなこともわからないの? ……あぁ、そういえば脳みそ潰しちゃったんだった。じゃぁ教えてあげるよ。理解できるかどうかはわかんないけど」
そして、残酷なる悪魔は、真の絶望を告げた。
「キミを回復しているんだよ。もっともっと絶望させてあげる……。何度も死んで何度も生き返って……くっふっふっふっふっふっふ……考えるだけで……ああ、いい玩具を手に入れたよ……くふふ……くぁっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはぁぁぁぁぁぁ!!!」
少年の形をした虐殺者は、目の前の巨大なものを何度でも殺せることに悦び、嗤う。
その姿はもはや悪魔そのものだった。
鳴り叫ぶ悲鳴は夜明けまで3時間近くも続いた。
やがて、悪魔の狂宴は夜明けとともに終わった。
後から冒険者が見に行くと、そこには、ぐちゃぐちゃにかき回された肉塊と臓器が転がる血の海で、その肉塊の一つに血で体を汚したユウが気持ちよさげに寝ていたという。
そして、その近くには、絶望に固まったゴブリンの首の残骸が置いてあったという。
ぞろぞろと出てくるゴブリンたち。
まだいたのか……!
俺は慌てて武器を取り出し、構え――しかし、ユウは「つまらない」と一言。
そして剣を無造作に横に振るった。
振られた剣の一閃が空気を切り裂き、闇を巻き込み、飛んでいく刃と化す。
半円状に広がる刃は、ユウを取り囲まんとしていた無数のゴブリンたちをすべて斬り殺し、さらには洞窟の壁に深い傷をつけた。
そのとき、ユウは微笑んでいた。しかし、それは普段見せているものではなく、虐殺に悦ぶ悪魔の嗤いだった。
「なっ、何だこいつ! 一人で、しかも一撃でこの数を一掃するとは……! 一体何者なのだ……」
驚愕するベルセルク。
「ふふ……。つまらないなあ。もっといないのかい。もっと殺してあげる」
「そ、そういうことならまだ出してやろう。行け、ゴブリンよ!」
しかし、追加の兵士は現れることはない。
「どういうことだ。来い、来るんだゴブリンたちよ」
ゴブリンたちは全く出てこない。その代わり、一匹のゴブリンが出てきた。
そのゴブリンは、ベルセルクに耳打ちする。
〈ゴブリンたちはもう全員出しました。戦えるものはもう誰もいませアギャァッ〉
参謀らしきゴブリンは、これも飛ぶ刃に斬られた。
「ふ~ん、もういないのかい。じゃあ、君を嬲り殺すよ。くふふ、こいつなら存分に愉しめそうだ」
血の海の中、少年の形をした殺戮者が、悠然と歩いていく。ゴブリンの王に向かって。
これから繰り広げられる殺戮劇を考えただけでも、寿命が飛んで行きそうだ。
今まさに始まろうとしている悪魔の狂宴に、俺は背を向けて、思いっきり走って逃げて行った。
ちなみに、逃げて行ったのは俺が最後だったという。
**********
「こ、この我を倒したとて何も変わらぬぞ。だから殺さなくてもよいだろう」
「そうなんだ。でも殺す。殺したいから……」
ぐふふ……と邪悪に満ちた顔で嗤う悪魔と、ゴブリンの王。そのふたりが対峙していた。
悪魔は跳躍し、ゴブキングの身体の上に乗り。
「手始め、いくよ」
胸部、鳩尾に刃を突き刺し、その腹を勢いよく切り裂いた。
「良いはらわただ……良いねぇ……ぐふふ」
「イヤァァァァァァァァァァァァァァァァァァァッッッ」
どばどばと内部の血管や腸、脂肪、内臓器官が外部の空気にさらされていく。
多くのゴブリンを率いた王の姿はそこにはない。いるのは殺す者と殺される者。ただそれだけだった。
「この腸を切り裂こう……いや、神経そのものを直接切り裂こうかな……ああ、最初は内臓全部をズッタズタに切り裂こうか……良い絶望を見られそうだ…………」
どうやって嬲り殺すかを考える悪魔。
「ああ、止めて止めて止めて止めて止め……」
「うるさい」
虐殺者にはいかなる言葉も――命乞いも届かず、悪魔は無常にも命乞いをする喉を剣で潰す。
そして、喋るものが自分のほかにいなくなったことを確認してから、悪魔は絶望を刻み付けるように言った。
「じゃぁ、殺るよ」
言うと、その右眼球に剣を突き刺し、内部の神経とその先にある脳をかき回す。それから左の目には腕を突っ込み、様々な神経を引きちぎり眼球を取り出し。
「うん、気持ち悪い」
そう言って握りつぶす。その手をまた目の空洞に入れて、脳をつかんで潰した。
ゴブキングは、声にならない――することができない悲鳴を上げ、死ぬのである。
――と思われた。
「……何を……している……」
「やだなぁ。そんなこともわからないの? ……あぁ、そういえば脳みそ潰しちゃったんだった。じゃぁ教えてあげるよ。理解できるかどうかはわかんないけど」
そして、残酷なる悪魔は、真の絶望を告げた。
「キミを回復しているんだよ。もっともっと絶望させてあげる……。何度も死んで何度も生き返って……くっふっふっふっふっふっふ……考えるだけで……ああ、いい玩具を手に入れたよ……くふふ……くぁっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはぁぁぁぁぁぁ!!!」
少年の形をした虐殺者は、目の前の巨大なものを何度でも殺せることに悦び、嗤う。
その姿はもはや悪魔そのものだった。
鳴り叫ぶ悲鳴は夜明けまで3時間近くも続いた。
やがて、悪魔の狂宴は夜明けとともに終わった。
後から冒険者が見に行くと、そこには、ぐちゃぐちゃにかき回された肉塊と臓器が転がる血の海で、その肉塊の一つに血で体を汚したユウが気持ちよさげに寝ていたという。
そして、その近くには、絶望に固まったゴブリンの首の残骸が置いてあったという。
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