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ダブルビッグベアーとジースアンへ行く【前編】

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 私はダンとバズとジースアンへとやって来た。

「聞いていたのと違うぞ!」

「ギルドでは異臭が酷く、疫病が流行っていると聞かされていて、俺達は避けていたんだ」

 ダンとバズの眉間にシワがより、益々【ビッグベアー化】してる。

「おいミオ、今ビッグベアーって言ったよな?」

 ダンの方を向いて顔を左右に振った。

「ミオ、ビッグベアーって聞こえたぞ?」

 バズに手で左右に振り、誤魔化した。

「い、言ってないよ!」

「本当か?
 それで、異臭はあったのか?」

 私は異臭があった事を伝え、その異臭は亡くなった方と病人の体臭で、身体を洗えてないのもあり、井戸の水は腐り食べる物も無くて……異臭騒ぎはそのせいだと話した。

 ジースアンはイベールより酷い状態だった。

 昨日はゼクスが肉の解体をしてくれて、食事は何とかなったものの、お年寄りには空きっ腹に肉は、少ししか食べられなかったので、果物と魚を持って来た。

「ミオ、魚と肉になる魔物は持ってないか?」

 聞かれると思ってたので、じゃーーーーん! 【ビッグベアー】を出した。

 ジトーーーーーーッッッ! ダンとバズがジト目で見てるし。

「あははははっ、肉は【ビッグベアー】しかなくて!」

 私はついついビッグベアーの言葉だけを強調した。

「ミオ、ビッグベアーの言葉だけを強調して言ってないか?」

 私はダンとバズに顔と手で左右に振り……逃げた!!

「こら、ミオ!」

 このやり取りを見た子供達が笑顔で走って来た。

「お姉ちゃん、今日も来てくれたの?
 僕お腹空いた」

「私も、食べたい」

 子供達は目に涙をためて空腹を訴えて来た。

 子供達に頭を撫でながら笑顔で、林檎を出し「これでも良い?」子供達は笑顔になり、頷いた。

「お年寄りの皆に果物を配るのを手伝ってくれるかな?」

 子供達は頷き、案内してくれた。

 その間にダンとバズが【ビッグベアー】の解体と魚を焼いて、出来た物を皆に配っている。

 焚き火を作り、その横に小さい焚き火で魚を焼き、出来た物を皆に配った。

「お嬢さん、連日来てくれてありがとう!」

「お姉ちゃん、井戸の水を綺麗にしてくれて、ありがとう」

 私は誰かが亡くなるのは見たくなかった、ジースアンの人達を救えて良かった! という安堵感に涙が流れ、頷く事しか出来なかった。

「ミオのお陰で分かった事がある。
 領主はイーベルだけではなく、ここジースアンの資金も提供してなかったという事だ!」

 バズは、あのクソ領主が! って言いながら、子供達にはニコニコしながら肉を配っていた。

「焼き立てだから、気をつけて食えよ?
 魚もあるからな」

 こんな風に平和に生活が出来たら良いのにね。


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