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家族の愛は宝物だよ

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 敵が10メートルくらいまで近付くと、アラームが鳴るようにしてるから、今は仮眠をしよう! という事になり、私はダンの家(ジャスティスの拠点)の前で駄々をこねているアリアを見ていた。

 アリアも私と一緒が良いと駄々をこねていたのだが、ボブさんとリリーさんに説得されていたよ。

「明日は何が起こるか分からない。
 今日だけは家族で、一緒に寝ないか?」

 父親に悲しそうな顔で言われたら、頷くしかないものね。

「アリア、家族は大切な宝物だよ。
 私にも、この世界に来て大切な宝物がいっぱいになったよ。
 だから、お互いにその『宝物』を大切にしようね」

「うん、そうだよね!
 家族は大切な宝物だよね」

「寝起きは自宅でして、日中は一緒に行動しよう?
 その方が皆は心配しないと思うし」

 アリアは頷き、リリーさんとボブさんとで手を繋いで帰宅した。

「…………」

 家族か……幸せな家族が少し羨ましい。

 私が、アリア家族を悲しそうな顔で見ていたのを、ダンに見られている事に気付かなくて、いつの間にかダンが私の手を握っていてくれた。

「ミオ、俺はお前が一番の『宝物』だ!
 なんたって、家族だからな!!」

 ダンは私を筋肉モリモリの腕に乗せ、抱きしめてくれた。

「ダン、ありがとう。
 私を邪険に扱う事なく、優しくしてくれて、家族になってくれてありがとう!!」

 ダンの首に抱きついて、号泣した。

 父と母の『邪魔者、生まれて来なければ、死神、悪魔、魔物』酷い言葉を聞かされ続けて来た記憶が蘇り、泣いてしまい。

 ジャスティスにいる皆は、そっと静かに見守ってくれていた。

 ルシアは帰るのかな? って思っていたのだけれど「ミオ、一緒に寝ましょう。お姉ちゃんだと思って良いんだからね」その言葉が嬉しくて、ルシアと一緒にくっ付いて眠った。



 朝日と共に起床した私は、着替えをし、まだ睡眠中の皆を起こさないように外に出た。

『フライ』で空からの周りの様子を伺った時だった、遠くに騎士や兵士が動いてるのが薄っすらと見え隠れしている!

 皆に知らせないと!! 『アラーム』発動!!

 ピピピーーッ!! ピピピーーッ!! ピピピーーッ!!

 皆は飛び起き、ワラワラと広場に集まった。

「ミオ、アイツらが来たのか?」

「うん、騎士や兵士が薄っすらとだけど見えたよ。
 きっと、もう直ぐアラームが鳴るはずだよ」

 皆は真剣な顔になり、戦える者は自分の武器を持ち、敵が現れるのを待っていたと同時にアラームが再度鳴り響いた。

 ピピピーーッ!! ピピピーーッ!! ピピピーーッ!!

 来るよ、アイツらが!

 私は少し小刻みに震えているが、皆気付いてはいるが、気付かないふりをしてくれていた。

 
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