上 下
71 / 76

近付くアイツら!

しおりを挟む
 急いで帰宅していると、やっぱりだ『レットーラ』の王族と兵士。

 見たくもない第1王女様の顔や王様、憎たらしい第2王子様までいるし。

 私は握っていたレオの手を離しかけていた事に気付かなかったが、レオに『ギュッ』っと握られ、気付くと小刻みに震えていた。

「ミオ、声を出すなよ。
 親父、ミオが怖がってる。
 早く行こうぜ」

「そうだな。
 ミオ、大丈夫だからな」

 私はレオに横抱きにされて、移動した。

 移動している間、ずっとレオの首に抱きついた状態で、皆の所へ無事に着いた。

「ミオっ!」

 私は心配してくれていたダンの胸に、跳んで抱きついた。

「ダンっ!
 私……あんな風に反抗して、家出なんてしてごめんなさい!!」

 ダンは涙を流しながら、私を抱きしめ返してくれた。

 アール、バズ、ボブさん、ゼクス、リリーさん、ルシアや皆が私の頭を順番に撫でてくれ。

「ミオは悪くないんだ。
 アーサーとミオの生い立ちの事を考えたら、ミオが言ってた事の方が普通なんだ。
 すまなかった! 父親失格だな」

「パパは悪くないよ。
 私が悪いんだよ。
 レオに会えた嬉しさのあまり、気持ちが舞い上がってたの。
 結婚までは、清い交際にしようって決めたよ。
 でもキスだけは許してね」

 ダンは笑顔で頷いてくれた。

 そうだ! レットーラの兵士達!

「皆、気をつけて!
 レットーラの王族と騎士、兵士が来てるの!!」

「なにっ!
 戦える者は武器を!
 戦えない者の避難を最優先で動いてくれっ!!」

 私はドーム型に包んでいるバリアーを、もっと強固になるように集中し。

『エリアパワフルバリアー!!』

 何度も何度も繰り返し、どれくらいの時間がたったのだろうか? と言う程、バリアーに集中し続けていると、虹色を通り越して金色に輝きだした。

 眉がハの字になっているルシアが早歩きで近付いて来た。

「ミオ、こっちに来て!
 ここに横になって、もう本当に目が離せないんだから。
 でも、私達の為に、ありがとう」

 ルシアにベンチで横になるように言われちゃった。

 私ってば、また頑張りすぎてたみたい。

 一応気を付けてはいるんだけどな。

「頑張りすぎだっ!
 俺とルシアの結婚式に出れませんでした! なんて事になるんじゃねえぞ。
 ミオは俺とルシアの妹みたいな存在なんだからな!」

 ペチンッ!

「ギャッ!
 もう、デコピン反対! 暴力反対!」

「おっ、久しぶりの悲鳴だな」

 笑いながら言われてもな。

 ゼクスはルシアに耳を引っ張られて「い、痛え!」私みたいに悲鳴をあげている。

 そのやりとりを見ていると、可笑しくて「あははははっっ!!」爆笑しちゃった。

 クリスが歩み寄りながら、避難が終わった事を伝えながら私達を見ている。

「皆の避難、終わったぜ!」

 エリックはゼクスとルシアを見て『ヤレヤレ』な顔をしながら2人に発言した。

「おいっ、そこのバカップル!
 戦いの準備は良いか?」

 お互いを見つめ合った後、顔を真っ赤にしていたゼクスとルシア。

 なんか……2人が可愛い!!

「皆さん、応援しか出来ないが……無理だけはしないで下さい!」

 私は皆に安心してもらえるように笑顔で、腕を組んで自信満々な顔をして言った。

「私達や強い冒険者の皆もいるし、それにここにはSSランクの伝説の人達がいるから大丈夫だよ!」

 それを聞いた皆は、安心した顔をしていた。

 話している間に、あの連中は近付いている。

 きっと明日来る!!

しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

BLはファンタジーだって神が言うから

BL / 完結 24h.ポイント:766pt お気に入り:30

ミステリアスなユージーン

恋愛 / 完結 24h.ポイント:7pt お気に入り:110

【R18】囚われの姫巫女ですが、なぜか国王に寵愛されています

恋愛 / 完結 24h.ポイント:568pt お気に入り:1,217

あなたを愛する心は珠の中

恋愛 / 完結 24h.ポイント:269pt お気に入り:1,966

そろそろ前世は忘れませんか。旦那様?

恋愛 / 完結 24h.ポイント:35pt お気に入り:1,493

【R18】あんなこと……イケメンとじゃなきゃヤれない!!

恋愛 / 完結 24h.ポイント:468pt お気に入り:60

【完結】攻略対象は、モブ婚約者を愛している

恋愛 / 完結 24h.ポイント:43,707pt お気に入り:631

処理中です...