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夢の中で
一樹へ置き手紙を書いて
荷物をまとめて笠原先生と雄也と3人で部屋を出た
「本当によかったんですか?」
「2人に聞いてもらってすっきりしたから。荷物も少ないからね。雄也も手伝ってくれたから助かったよ」
本当はもう少しあとに出るつもりだったんだ
二人で過ごしたあの場所に未練がないわけじゃなかったから
でもこの二人と一緒なら未練を断ち切ることができるかもって思った
「双葉先生がゆっくりできるように頑張るからさ!」
「本当かなー。禁欲生活もしなきゃなんだぞ雄也。でしょ笠原先生?」
2人をからかいながら交差点に差し掛かったとき
赤信号を無視してゆるゆるこちらに向かってくるトラックの姿
雄也を抱きしめて 笠原先生へ投げるように
「雄也を頼みます」
その瞬間 トラックが僕に向かってきた
薄れる意識の中でかすかに聞こえる雄也の声
よかった無事で
二人とも幸せに
「双葉 双葉」
僕を呼ぶのは誰?
聞きなれた懐かしい声
なんだ 一樹じゃん
「なにしに来たの」
「悪かったな 双葉」
「一樹じゃないでしょ。僕の知ってる一樹はそんなすぐに謝らないから」
「そこまで分かるならなぜはっきり言わない」
「怖いんだ。捨てられるかもしれないから」
そう結局僕が傷つくのが怖いだけ
どうしてだろう
目の前にいる偽物一樹
一樹じゃないのになにか懐かしい
「ったくいつもそんなんだからほっとけない」
「大きなお世話 大体 一葉はそんなんだから 」
一樹の影がはっきりと 中学生の僕に変わる
違う それはもう1人のいないはずの片割れの姿
「びっくりした?」
「これは夢?それとも今から天国行くとか?」
「さぁどれでしょう?どう思ってもいいよ」
「心配だったから。ずっと見てたから。僕がいなくなってから」
一葉がそばにいてくれてた
「もう泣かないの。すぐこれだと僕 双葉から離れられないでしょ」
「行かないで 一葉 嫌だよ。僕は一葉がいないと」
「一樹がいるじゃない」
「一樹とは別れるって話して」
「困ったさんだなぁ。双葉は頑固だものね。」
「一葉に言われたくないよ」
ふふふって二人して笑った
そう一葉が中学生で病気で亡くなるまではこれが僕達の常だったんだ
忘れてた 一葉のこと
大好きな片割れ そしてお兄ちゃん
「ちゃんと話しなよ。一方的に言い切ったままじゃ一樹何も言えないでしょ」
「だって一樹は僕のことなんか」
「20年 なにしてきた?どうして20年も一緒にいたの?答えは出てるでしょ?」
一葉の言う事分かってるのに
「次は出てきてあげーない」
「そんな!」
「またどこかで会えるよ、覚えていて双葉。僕はいつもそばにいる。一樹に素直になりな、お兄ちゃんは弟が幸せでなきゃ嫌なんだよ」
一葉!!!離れていく一葉を追いかけたくて手をのばした瞬間
僕を呼ぶ一樹の声が聞こえた
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