木瓜

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歓談はほろ苦い珈琲と共に

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「確かに、娘さんは、とても美人な方ですね」

誠二の反応は一旦置いておくとして、彼の言うとおり、写真の中の茉莉は、確かに美しかった。

長い睫毛に、後ろを映しそうな程に、透明感のある肌。

眼は、黒曜石のように、深く、濡れた黒に輝いていて、艶やかな長い黒髪と共に、彼女の纏う空気を一層強めている。

それは、底の見えない、深い何かに引き込まれるような感覚で、一度嵌ったら抜け出せない、そんな気持ちに私をさせた。

容姿が美人、というよりは、彼女の醸し出す雰囲気が、茉莉本人を魅力的に魅せているようにも感じた。

「ええ、おっしゃる通りです。彼女は、本当に、美しいんです」

私の言葉に、興奮した様子で相槌を打つ誠二は、写真が飾られていた所とは別の段で、ケースのようなものに入れられ、厳重に保管されていた『それ』を取りだし、私に見せた。

彼は、それこそ、アイドルファンが、推しのグッズを紹介するのと同じような熱量で、『それ』について、語り始める。

「これらは、茉莉の軌跡を、そのままに保存したもので、何よりものお気に入りです。
写真も勿論いいのですが、やはりこれらに比べたら…。
これなんかは、彼女が初めておむつを履いていた時の現物ですけど、見てください。
まるで、その頃の彼女が、今でもここで生きているようでしょう。
これは、初めて身に着けた時の下着。
こっちは、お漏らしをした時のですね。
そしてこれは、彼女が初潮を迎えた時の…」
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