118 / 129
慟哭は深紅色の空に刺さって
4
しおりを挟む
『コツコツ』とした靴音が、再び、辺りに響き渡った。
今更、何故こんな所を訪れたのだろう。
自分でも、分からなかった。
けれど、何故か不意に、あの空中庭園に、行ってみたくなった。
もう、青い花々はないだろうけど、それでも行くべきだと、心が思った。
空に限りなく近いあの場所で、感情にもならないこの鬱々とした何かを、叫び出したくて仕方が無かった。
『コツコツ』
『コツコツ』
『コツコツ』
鋭利で、静かな音が、響き渡る。
私は、無骨に続く階段を、唯、無心で登り続けた。
その先に、何かがあるわけでは無いのに。
それでも、後ろから聞こえる足音から逃げるように、一心不乱に、登り続ける。
今更、何故こんな所を訪れたのだろう。
自分でも、分からなかった。
けれど、何故か不意に、あの空中庭園に、行ってみたくなった。
もう、青い花々はないだろうけど、それでも行くべきだと、心が思った。
空に限りなく近いあの場所で、感情にもならないこの鬱々とした何かを、叫び出したくて仕方が無かった。
『コツコツ』
『コツコツ』
『コツコツ』
鋭利で、静かな音が、響き渡る。
私は、無骨に続く階段を、唯、無心で登り続けた。
その先に、何かがあるわけでは無いのに。
それでも、後ろから聞こえる足音から逃げるように、一心不乱に、登り続ける。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
0
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる