木瓜

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慟哭は深紅色の空に刺さって

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『コツコツ』とした靴音が、再び、辺りに響き渡った。

今更、何故こんな所を訪れたのだろう。

自分でも、分からなかった。

けれど、何故か不意に、あの空中庭園に、行ってみたくなった。

もう、青い花々はないだろうけど、それでも行くべきだと、心が思った。

空に限りなく近いあの場所で、感情にもならないこの鬱々とした何かを、叫び出したくて仕方が無かった。

『コツコツ』
『コツコツ』
『コツコツ』

鋭利で、静かな音が、響き渡る。

私は、無骨に続く階段を、唯、無心で登り続けた。

その先に、何かがあるわけでは無いのに。

それでも、後ろから聞こえる足音から逃げるように、一心不乱に、登り続ける。
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