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37.元凶
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到着が夕方だったので、屋敷内の案内は明日ということで、夕食後はすぐに休ませてもらうことにした。
しかし、どうしても一か所だけ先に行っておきたい場所があり、使用人に無理を言って連れてきてもらった。
それは、代々レイモンド侯爵家当主の肖像画が飾られている廊下のギャラリーだ。
「ありがとう。一人でゆっくり拝見したいの。貴女はもう下がっていいわ。部屋までの道順は覚えたから一人で戻れるわ」
連れてきてくれたメイドは心配そうにしていたが、蝋燭を私に手渡すと言われた通り下がっていった。
私は一番端の新しい肖像画の前に立った。これは義父だ。凛々しくて男前だ。堂々とこちらを向いている姿が様になっている。はっきり言って格好良い。流石親子。
「でもアーサーの方が格好いいわね」
ふふんっとつい勝ち誇った笑みを浮かべてしまう。
私は肖像画を見上げながらゆっくりと歩き始めた。そしてある肖像画の前で立ち止まった。
書かれている名前を確認する。
『ウィリアム・レイモンド』
そこには細身の中年男が描かれていた。
生気には溢れ、威風堂々と描かれているその姿は、侯爵家当主に相応しい威厳が滲み出ている。この時代、きっとこの屋敷の中、いや、この領土で絶対的な権力を持っていたのだろう。誰もがひれ伏して当たり前、そんな存在であることを自覚しているような瞳でこちらをじっと見据えている。絵画だというのにその瞳から放たれる強い威圧感。これが実物だったら震え上がりそうだ。
だが、私は臆せずにその男を睨みつけた。
そうだ! こいつだ! この呪いの元凶ジジイ!
私はレイモンド侯爵家に来たら、まず初めにこいつに一言モノ申してやりたかったのだ。
「ウィリアム・レイモンド様!」
私はその男の肖像が前で仁王立ちになった。
「ご先祖様にこのように意見を申し上げるのは無礼で罰当たり、且つ身の程知らず、さらに場違いであることは承知の上、貴方様に申し上げますわ」
私は額縁の中の男に向かってビシッと人差し指を向けた。
「貴方様の過去の愚行のせいで今も子孫は苦しんでおります。私の大切な人も毎日苦しみ涙を流しています! それはお分かりですわよね?」
そうよ! あんたのせいで私のアーサーはどれだけ苦しんでいるか!
「私はこの元凶をどうしても断ち切りたいのです!」
私は蝋燭を足元に置くと、肖像画の前に跪いた。そして祈るように両手を胸の前に組み、彼と向き合った。
「ウィリアム様。貴方様も心から後悔されたと伺っております。それが本当ならば、どうか私に力を貸してくださいませね! 天から見守ってください!」
私はそっと目を閉じた。
数秒祈りを捧げた後、ゆっくり立ち上がった。
最後にその場を離れる時、もう一回肖像画に振り向いた。そして再度彼に向かって指を差した。
「いい? 絶対だから! だってあなたのせいなんですからね!」
うん! 言ってやった! ああ、すっきりした。明日以降に備えてもう寝よう!
★
翌朝から私は精力的に動き出した。
執事のエリオットが忙しい時間を割いて、屋敷内を案内してくれた。
その中でも一番気になっていたのは、レイモンド家自慢の書庫と元凶ジジイ、もとい、ウィリアム・レイモンドの研究室だ。
「こちらが図書室でございます」
重厚感あふれる扉の前でエリオットが立ち止まる。ゆっくりと扉を開け、私を中へ誘ってくれた。
「うわ・・・」
部屋に足を踏み入れた途端、無意識に感嘆の溜息が漏れた。
壁一面、天井に届くまである本棚だけでなく、何列にも規則正しく連なる棚まであり、すべての棚にぎっしりと且つ美しく書籍が並んでいる。相当な書籍の数だ。
「ご自慢の書庫とはよく言ったものね・・・」
周りを見渡して思わず独り言ちた。エリオットに振り返ると、ふふんとドヤ顔していた。自慢したがるのは分かるわ。
「では、エリオット。この中で呪いに関する黒魔術系の書籍はどこにあるのかしら?」
私の問いにエリオットは急に顔が曇った。
「・・・黒魔術は禁書でございますから・・・。奥にございます小さな部屋に保管されております。誰も開けてはならない禁忌の部屋として錠を掛けております」
「誰も? 私も入れないの? それは困るわ!」
だって私の目的そのものなのに!
「いいえ。若奥様は特別でございます。ただ・・・その・・・」
「?」
言い淀むエリオットに首を傾げた。
エリオットはコホンと軽く咳をすると、すぐに姿勢を正し、軽く頭を下げた。
「失礼いたしました。旦那様からの許可は得ております。こちらでございます」
そう言って部屋の奥に向かって歩き出した。
首を傾げてついて行くと、部屋の角に小さな扉があり、その前で立ち止まった。
扉を見ると、大きくてやたらと派手な錠前が付いている。ここは禁忌であることを示さんばかりだ。
エリオットはポケットから鍵を取り出すと、錠前に差し込んだ。
カチャリと音がすると錠が外れた。ギィーっと軋んだ音共に扉が開く。
足を踏み入れると・・・。
「え・・・?」
私は絶句した。
「えっと・・・?」
言葉に詰まりその場に佇む。
私の斜め後ろで、ハア~とはめ息が聞こえた。エリオットだ。
「はい・・・。この通り、現在禁書はほとんどございません」
私の目の前には幾つのも本棚が並んでいる。しかし、その中は殆んど空。数冊の本がポツンポツンと遠慮がちに置いてある。
「四代前のご当主がほとんど焼き捨ててしまったと聞いております」
はああ? なにやってんの!? 元凶ジジイ!
「ご自分の愚行を後悔し、二度と同じ過ちを繰り返してはならないと強い反省のもと、忌まわしい禁書はすべて廃棄されたようです」
分からんでもない! いや、分かるよ? こんな忌まわしい本があるからいけないわけで、そんなもは下手すりゃ犯罪の温床だもんね! 同じ過ち繰り返さないためって分かるよ? 崇高な考え方だと思いますよ? でも、でもさぁ、それって、
「証拠隠滅じゃん~~!」
いきなり出鼻を挫かれた私はその場にへたり込んだ。
しかし、どうしても一か所だけ先に行っておきたい場所があり、使用人に無理を言って連れてきてもらった。
それは、代々レイモンド侯爵家当主の肖像画が飾られている廊下のギャラリーだ。
「ありがとう。一人でゆっくり拝見したいの。貴女はもう下がっていいわ。部屋までの道順は覚えたから一人で戻れるわ」
連れてきてくれたメイドは心配そうにしていたが、蝋燭を私に手渡すと言われた通り下がっていった。
私は一番端の新しい肖像画の前に立った。これは義父だ。凛々しくて男前だ。堂々とこちらを向いている姿が様になっている。はっきり言って格好良い。流石親子。
「でもアーサーの方が格好いいわね」
ふふんっとつい勝ち誇った笑みを浮かべてしまう。
私は肖像画を見上げながらゆっくりと歩き始めた。そしてある肖像画の前で立ち止まった。
書かれている名前を確認する。
『ウィリアム・レイモンド』
そこには細身の中年男が描かれていた。
生気には溢れ、威風堂々と描かれているその姿は、侯爵家当主に相応しい威厳が滲み出ている。この時代、きっとこの屋敷の中、いや、この領土で絶対的な権力を持っていたのだろう。誰もがひれ伏して当たり前、そんな存在であることを自覚しているような瞳でこちらをじっと見据えている。絵画だというのにその瞳から放たれる強い威圧感。これが実物だったら震え上がりそうだ。
だが、私は臆せずにその男を睨みつけた。
そうだ! こいつだ! この呪いの元凶ジジイ!
私はレイモンド侯爵家に来たら、まず初めにこいつに一言モノ申してやりたかったのだ。
「ウィリアム・レイモンド様!」
私はその男の肖像が前で仁王立ちになった。
「ご先祖様にこのように意見を申し上げるのは無礼で罰当たり、且つ身の程知らず、さらに場違いであることは承知の上、貴方様に申し上げますわ」
私は額縁の中の男に向かってビシッと人差し指を向けた。
「貴方様の過去の愚行のせいで今も子孫は苦しんでおります。私の大切な人も毎日苦しみ涙を流しています! それはお分かりですわよね?」
そうよ! あんたのせいで私のアーサーはどれだけ苦しんでいるか!
「私はこの元凶をどうしても断ち切りたいのです!」
私は蝋燭を足元に置くと、肖像画の前に跪いた。そして祈るように両手を胸の前に組み、彼と向き合った。
「ウィリアム様。貴方様も心から後悔されたと伺っております。それが本当ならば、どうか私に力を貸してくださいませね! 天から見守ってください!」
私はそっと目を閉じた。
数秒祈りを捧げた後、ゆっくり立ち上がった。
最後にその場を離れる時、もう一回肖像画に振り向いた。そして再度彼に向かって指を差した。
「いい? 絶対だから! だってあなたのせいなんですからね!」
うん! 言ってやった! ああ、すっきりした。明日以降に備えてもう寝よう!
★
翌朝から私は精力的に動き出した。
執事のエリオットが忙しい時間を割いて、屋敷内を案内してくれた。
その中でも一番気になっていたのは、レイモンド家自慢の書庫と元凶ジジイ、もとい、ウィリアム・レイモンドの研究室だ。
「こちらが図書室でございます」
重厚感あふれる扉の前でエリオットが立ち止まる。ゆっくりと扉を開け、私を中へ誘ってくれた。
「うわ・・・」
部屋に足を踏み入れた途端、無意識に感嘆の溜息が漏れた。
壁一面、天井に届くまである本棚だけでなく、何列にも規則正しく連なる棚まであり、すべての棚にぎっしりと且つ美しく書籍が並んでいる。相当な書籍の数だ。
「ご自慢の書庫とはよく言ったものね・・・」
周りを見渡して思わず独り言ちた。エリオットに振り返ると、ふふんとドヤ顔していた。自慢したがるのは分かるわ。
「では、エリオット。この中で呪いに関する黒魔術系の書籍はどこにあるのかしら?」
私の問いにエリオットは急に顔が曇った。
「・・・黒魔術は禁書でございますから・・・。奥にございます小さな部屋に保管されております。誰も開けてはならない禁忌の部屋として錠を掛けております」
「誰も? 私も入れないの? それは困るわ!」
だって私の目的そのものなのに!
「いいえ。若奥様は特別でございます。ただ・・・その・・・」
「?」
言い淀むエリオットに首を傾げた。
エリオットはコホンと軽く咳をすると、すぐに姿勢を正し、軽く頭を下げた。
「失礼いたしました。旦那様からの許可は得ております。こちらでございます」
そう言って部屋の奥に向かって歩き出した。
首を傾げてついて行くと、部屋の角に小さな扉があり、その前で立ち止まった。
扉を見ると、大きくてやたらと派手な錠前が付いている。ここは禁忌であることを示さんばかりだ。
エリオットはポケットから鍵を取り出すと、錠前に差し込んだ。
カチャリと音がすると錠が外れた。ギィーっと軋んだ音共に扉が開く。
足を踏み入れると・・・。
「え・・・?」
私は絶句した。
「えっと・・・?」
言葉に詰まりその場に佇む。
私の斜め後ろで、ハア~とはめ息が聞こえた。エリオットだ。
「はい・・・。この通り、現在禁書はほとんどございません」
私の目の前には幾つのも本棚が並んでいる。しかし、その中は殆んど空。数冊の本がポツンポツンと遠慮がちに置いてある。
「四代前のご当主がほとんど焼き捨ててしまったと聞いております」
はああ? なにやってんの!? 元凶ジジイ!
「ご自分の愚行を後悔し、二度と同じ過ちを繰り返してはならないと強い反省のもと、忌まわしい禁書はすべて廃棄されたようです」
分からんでもない! いや、分かるよ? こんな忌まわしい本があるからいけないわけで、そんなもは下手すりゃ犯罪の温床だもんね! 同じ過ち繰り返さないためって分かるよ? 崇高な考え方だと思いますよ? でも、でもさぁ、それって、
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