境界線の歩き方

彩乃

文字の大きさ
2 / 2

命より重い言葉

しおりを挟む
次の週、赤間は教室に入るとすぐに答案の束を壇上に置いた。重さはわずかだが、中身は軽くない。

「提出されたレポート、“譲れないもの”——ひとつずつ読んだ。笑えるものもあった。泣けるものもあった。だが、大半は“それ、本当に命より重いのか?”と聞き返したくなるものだった」

ざわ、と教室がざわめいた。だが、それは怒りでも反発でもなく、むしろ落ち着かない沈黙のようなものだった。

赤間は束から一枚を取り出し、読み上げた。

「“家族”。まあ、定番だな。だが、その“家族”が戦争の加害者になったら? 戦場で他人を殺す側になったら? 君は、まだその命を誇れるか?」

空気が変わる。赤間は別の一枚を手に取った。

「“信仰”。これも多かった。だがその信仰が、他人の思想を否定しろと命じたら? 君は、殺せるか?」

赤間の目が学生たちを刺す。

「“譲れないもの”とは、“手放すときに自分が死ぬもの”だ。綺麗な理想ではなく、自分を構成する骨だ。——たかが信念の話じゃない。存在の話だ」

その瞬間、赤間は一枚の答案に目を落とした。

それは、瀬戸かりんのものだった。

内容は、こうだ。

「私が譲れないものは、“問い続ける自由”です。答えではなく、問いを持ち続けること。
誰かが定義した正しさを信じるより、迷い続ける自分を選びます。
もしその自由を奪われるなら、私は生きている意味を失うでしょう。」

赤間は無言のまま答案を置いた。何も言わなかった。だが、彼の指先はわずかに震えていた。

「……次に進むぞ」

彼の声は、少しだけ乾いていた。
「問いを持ち続ける自由、か……」

教室のざわめきの中で、赤間は独りごちた。だがその声は、最前列にいたかりんには確かに届いていた。

「瀬戸」

彼は視線を上げ、名指しで言った。

「君の言葉は、明快だ。そして危険でもある。“問い続ける”という姿勢は、美しく聞こえるが、時に“責任から逃げる免罪符”にもなりうる。答えを出さなければ行動できない、という言い訳だ」

かりんはまっすぐに返した。

「行動の前に、考える時間は必要です。考えずに動く人間こそ、もっと危険では?」

赤間は静かに笑った。その笑みに皮肉はなかった。

「その通りだ。だが、“考え続ける”という姿勢を社会がどこまで許容するか。——現実はもっと残酷だ。君の問いに、銃が先に答えてくることもある」

その言葉と同時に、赤間の中に、あの映像がよみがえった。

十五年前、彼がまだ記者だった頃。戦火の只中、難民キャンプで取材していた時の記憶。

幼い少年が、何かを抱えてこちらへ走ってきた。銃を向けられた瞬間、その手にあるのが武器か食料か、誰にも分からなかった。

——そして、撃たれた。

赤間のすぐ横にいた兵士が引き金を引いた。何の躊躇もなく。

少年の体が地面に崩れ落ちる瞬間、赤間は自分の中に何かが“折れた”音を聞いた。

「問い続ける自由は、奪われるのではない。時に、自分で手放してしまうんだ。恐怖や沈黙の中でな」

講義室が水を打ったように静まり返る。

赤間はその沈黙を切り裂くように、次の問いを提示した。

「“死ねる言葉”と“殺せる言葉”の違いは何か?」

黒板にそう書き終えると、彼は振り返って言った。

「次のレポート課題だ。自分の信じる言葉が、人を生かすか、殺すか。どちらかを書いてこい。“綺麗事”は不要だ。生き延びる言葉を書け」

そして、無言で講義室を出ていった。

学生たちは、しばらく誰も動けなかった。

かりんは俯きながら、自分のノートの端にこう記していた。

——「生き延びる言葉」とは、矛盾じゃないか?
講義が終わった夕方、赤間は大学構内のカフェテリアにいた。客は少なく、静けさと安いコーヒーだけが取り柄の場所だ。

向かいに座る男は、スーツの上着を脱いでいた。灰色のシャツにノーネクタイ。目元に深い皺を刻んだ中年——報道局時代の先輩記者、佐倉誠だった。

「お前が大学で教えてるって聞いたときは、正直笑ったよ」

そう言って、佐倉は煙草を咥えた。禁煙マークを見て、眉をしかめながらも火はつけなかった。

「笑われるような仕事じゃないさ。——少なくとも、今の俺にはな」

赤間の言葉には棘も皮肉もなかった。ただ、割り切った乾いた響きがあった。

「まだ思い出すか? あのガザの少年のこと」

赤間の瞳がわずかに揺れた。

「忘れたことはない。ただ……記憶の中で、毎回違う表情をしている」

佐倉はうなずいた。

「俺は、あの瞬間で記者を辞めたよ。正確には、“報じる側”としての信念が壊れた。——お前は逆に、“語る側”になったってわけか」

赤間は黙ったまま、冷めかけたコーヒーを口にした。

「なあ、赤間。お前、今の学生たちに何を託してる?」

その問いに、赤間はわずかに眉をひそめた。

「託してなんかいない。俺はただ、“火をつけてる”だけだ。燃えるかどうかは、あいつら次第だ」

佐倉は、ふっと鼻で笑った。

「じゃあ、あの女生徒——なんて名前だっけ。鋭い目をしてた。あいつはもう、燃えてるんじゃないのか?」

赤間は一瞬、言葉に詰まった。

「瀬戸かりん。……あいつは、燃やされる覚悟があるかもしれない。だが——燃え尽きた後に何が残るか、そこまではまだ、分からない」

外の風が、窓越しに揺れた木の枝を震わせていた。

その頃、かりんは図書館の片隅で、自分のノートを見返していた。

「生き延びる言葉」とは何か——赤間の問いが、彼女の胸に棘のように刺さっていた。

彼女はそっとページの空白に書いた。

「人を傷つけずに、真実を語る方法はあるか?」

そして、書き加えた。

「もしそれが不可能なら——私は、どこまで“残酷”になれる?」
夜、かりんは下宿先の机にノートとラップトップを広げていた。
赤間の課題、「人を生かす言葉」と「殺す言葉」——その違いを、どう書けばいい?

彼女はすでに何度も書いては消し、書いては躊躇していた。
“問い続ける自由”を譲れないと書いたあの日、確かに自分の中に火は灯ったはずだった。

だが、その火は今、赤間の問いの前で小さく揺れていた。

「私は……本当に、問いだけで人を導けるのか?」

自問した瞬間、ふと頭の中に、中学時代のある記憶が蘇る。

あの頃、クラスで起きたある“いじめ”。彼女ははっきりと加害者にも被害者にもならなかった。ただ、誰にも何も言わなかった。それだけだった。

「問い続けてる間に、誰かが壊れることもある」

ノートの端にそう記した時、スマホが鳴った。

送信者は、講義で隣の席だった男子学生・大谷。

【見たか? これ、赤間の過去っぽい】

添付されたリンクを開くと、動画サイトの画面が表示された。
タイトルは《ガザの記者:撃たれた少年の横で何もできなかった男》。

再生を押すと、かりんの胸が詰まるような映像が流れた。

瓦礫、銃声、混乱する人々。その中に、明らかに若き日の赤間がいた。彼は、倒れた少年の傍に立ち尽くし、何かを叫んでいた。音声は割れて聞こえなかったが、その顔に浮かんでいたのは、明確な“絶望”だった。

「……赤間先生……」

彼女は手を止めた。

それは、どんな言葉より雄弁な“沈黙の記録”だった。

そして、ひとつの直感が胸を走った。

——あの人は、自分が発した“何か”によって、誰かを死なせたと思っている。
あるいは、“何も言わなかったこと”で、誰かを殺したと思っている。

彼女はノートを開き、ようやく一行を書き出した。

「私は、言葉の力を信じたい。だが、信じるためには、まず“その限界”を知らなければならない」
講義の当日、学生たちはざわついていた。
講義開始前から、あの“映像”の話題で持ちきりだったのだ。

「あれ、マジで赤間先生なんでしょ……?」

「てか、あんなとこで何してたの? なんか怖くね?」

「いや、逆にヤバいカッコよくない? あれは地獄だよ、普通……」

囁きは憶測と興味を混ぜながら、空気にじわじわと混じっていた。
赤間はそれに気づいていた。だが、表情は変えなかった。

「レポート、回収する」

そう言って提出箱を机に置き、何の前触れもなく黒板に問いを書いた。

「沈黙は暴力か?」

ざわ……と空気が一瞬揺れた。

「今週の主題はこれだ。誰かの沈黙が、誰かを殺すことがある。逆に、沈黙が誰かを救うこともある。“語らない”という行為は、中立か、それとも選択か?」

赤間の声は落ち着いていた。だが、その目だけは、どこか張り詰めていた。

「この問いに答えるために必要なのは、まず自分の沈黙を数えることだ。“あのとき黙ってしまった”記憶が、誰にでもあるはずだ。——それを直視しろ」

かりんは、赤間がその問いをどこから出してきたか、直感していた。
彼は“あの映像”のことを知っている。たぶん、既に把握している。

それでも、あえてその話題に触れないという“沈黙”を選んだのだ。

講義後、学生たちが一斉に出ていく中、かりんはそっとレポートを置いた。
白い紙の上に、たった一文——

「私が信じる“生き延びる言葉”は、『あなたの沈黙も、あなたの言葉も、私は聞き逃さない』です。」

赤間はそれを読んだ。しばし、紙を指で撫でるようにしていた。

その目には、かすかな驚きと、何かを見透かされたような疲労が滲んでいた。

——お前は、本当に“問いを武器にしてくる”んだな。

彼はそう呟くと、誰もいなくなった講義室で、そっと椅子に腰を下ろした。

そして、机に伏せたまま、しばらく何も言わなかった。

その夜、赤間は自宅の書斎で、一枚の古びた報道写真を見つめていた。

少年が倒れている。顔は砂に埋もれ、血の色だけが濃く映る。
その横に立ち尽くす自分——かつての自分。
言葉を失い、ただその場にいるだけの“報道者”。

赤間はその場で声を出してはいなかった。
後から記者仲間に言われた。「何か言えただろう」「それが仕事だろう」と。

だが、彼は分かっていた。あの瞬間、自分が何を言っても届かないことを。
銃声に勝る言葉はなかった。

“沈黙は暴力か?”

自分にとって、それはもう何千回も自問してきた問いだった。
沈黙は、確かに誰かを傷つける。
だが、発した言葉が誰かを死に追いやることも、確かにある。

あの事件のあと、赤間は一切の映像資料の公開を拒否した。
「現場を伝えるより、沈黙を選んだ記者」として、一部からは非難もされた。

——それでも俺は、黙るしかなかった。
あのとき言葉を発していたら、それは“正義”のふりをした傲慢になったからだ。

机の上に置いたかりんのレポートを、もう一度読み返す。

『あなたの沈黙も、あなたの言葉も、私は聞き逃さない』

それは、暴力をも受け止める覚悟を滲ませた言葉だった。
問いを問うだけではない。“誰かの選択”に寄り添おうとする姿勢があった。

「俺の中に……まだ、残っていたのかもしれないな。言葉を信じる気持ちが」

呟いた赤間の声は、小さく震えていた。

その頃、かりんは部屋でレポートの控えを見つめながら考えていた。

赤間の沈黙は、無責任だったのか。それとも、誠実だったのか。

——沈黙とは、“言えなかった”のか、“言わなかった”のか。

彼女の中で、また新しい問いが芽を出していた。
講義室には、異様な緊張感が漂っていた。

赤間が教壇に立ち、ゆっくりと黒板に書いたのはたったひとことだった。

「赦されない沈黙」

「今日は、俺の話をする」

学生たちがざわついた。いつもなら問いを投げる側の赤間が、自分の過去を語るというのだ。

「十五年前、戦地で少年が撃たれる瞬間を、俺は目の前で見ていた。映像も残っている。それを知ってる者も、ここにいるだろう」

数人が息を飲んだように顔を上げる。かりんも、そのひとりだった。

「俺はそのとき、何も言わなかった。ただ見ていた。何かを叫んだかもしれないが、それはただの反射だった。——それ以外に、言葉がなかった」

彼はチョークを置き、手をポケットに入れた。

「その映像を報道するべきだと周囲は言った。“真実を伝えることが使命”だと。でも俺は、あの映像を“他人に見せたくなかった”。——俺が見てしまった罪だったからだ」

静まり返る教室。重力が増したような空気の中で、赤間の声だけが響く。

「沈黙には責任がある。そして、沈黙にも理由がある。俺の沈黙は——あの少年の死を、俺の言葉で“消費”したくなかったという、ただそれだけだ」

そのとき、かりんの頭に雷のように浮かんだのは、自分の過去の“ある場面”だった。

中学のとき、親友だった少女がいじめられていた。
彼女は知っていた。止めることも、告げることもできた。
だが、彼女は沈黙を選んだ。いや、選んだふりをして逃げた。

——あれが、私の“赦されない沈黙”。

赤間は話を続けていた。

「だから俺は今、講義で問いを投げる。誰かが語り、誰かが黙る、そのすべてを引き受ける教室を作りたいと思ったからだ。——間違いだったかもしれないが、それが俺の選んだ贖罪だ」

黒板の文字が、まるで傷跡のように残っていた。

「赦されない沈黙」

かりんはその言葉を見つめながら、自分もまた、赦されたいと願っていることに気づいた。

放課後の教室。
ほとんどの学生が去った後、かりんは席に残っていた。
赤間もまた、教壇の椅子に腰かけ、空の黒板を見つめている。

「先生、今日の話……あれは“懺悔”だったんですか?」

かりんの声に、赤間はゆっくり視線を向けた。

「違う。俺には懺悔する資格がない。——あれは、俺が沈黙を“選んだ”という告白だ」

「じゃあ、誰かが『それは逃げだ』って言っても、あなたはそれを否定しない?」

「しない。俺の言葉が誰かを殺したのかもしれないし、黙ったことが誰かを生かしたのかもしれない。その結果を、自分で引き受けるだけだ」

かりんは鞄から一枚の紙を取り出した。
レポートの続き——彼女が“本当は書くべきだったけれど書けなかった”部分。

「私、中学のとき、親友がいじめられてるのを見てました。何も言えませんでした。
先生の映像を見て、思い出したんです。私もあのとき、“何も言わなかった”。
その子は、転校して、その後どうなったのか知りません」

赤間は紙を受け取り、視線を落とす。

かりんは続けた。

「でも、先生の沈黙と私の沈黙は、違う。先生は“言えなかった”んじゃない、“言わなかった”んですよね。私は、ただ“怖かった”だけです。逃げたんです」

赤間は黙って、紙の文字を指でなぞった。

『私は赦されたいと思っている。でも、赦されないままでも、前に進みたいとも思っている。』

「それでいい」と赤間は言った。

「沈黙は、過去になる。ただし、その“意味”は、これから何を語るかで変わる。——だから、語れ。問え。誰よりも自分自身に」

その声は、赤間が初めて“彼女個人”に向けて語った言葉だった。

かりんは黙ってうなずいた。目の奥が熱くなるのを感じたが、それは涙ではなかった。

教室の窓から、やわらかな夕陽が射していた。
赦されることよりも、“語ることをやめない”覚悟だけが、そこにあった。
しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。

ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。 真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。 引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。 偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。 ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。 優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。 大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。

(完)百合短編集 

南條 綾
恋愛
ジャンルは沢山の百合小説の短編集を沢山入れました。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

母の下着 タンスと洗濯籠の秘密

MisakiNonagase
青春
この物語は、思春期という複雑で繊細な時期を生きる少年の内面と、彼を取り巻く家族の静かなる絆を描いた作品です。 颯真(そうま)という一人の高校生の、ある「秘密」を通して、私たちは成長の過程で誰もが抱くかもしれない戸惑い、罪悪感、そしてそれらを包み込む家族の無言の理解に触れます。 物語は、現在の颯真と恋人・彩花との関係から、中学時代にさかのぼる形で展開されます。そこで明らかになるのは、彼がかつて母親の下着に対して抱いた抑えがたい好奇心と、それに伴う一連の行為です。それは彼自身が「歪んだ」と感じる過去の断片であり、深い恥ずかしさと自己嫌悪を伴う記憶です。 しかし、この物語の核心は、単なる過去の告白にはありません。むしろ、その行為に「気づいていたはず」の母親が、なぜ一言も問い詰めず、誰にも告げず、ただ静かに見守り続けたのか——という問いにこそあります。そこには、親子という関係を超えた、深い人間理解と、言葉にされない優しさが横たわっています。 センシティブな題材を、露骨な描写や扇情的な表現に頼ることなく、あくまで颯真の内省的な視点から丁寧に紡ぎ出しています。読者は、主人公の痛みと恥ずかしさを共有しながら、同時に、彼を破綻から救った「沈黙の救済」の重みと温かさを感じ取ることでしょう。 これは、一つの過ちと、その赦しについての物語です。また、成長とは時に恥ずかしい過去を背負いながら、他者の無償の寛容さによって初めて前を向けるようになる過程であること、そして家族の愛が最も深く現れるのは、時に何も言わない瞬間であることを、静かにしかし確かに伝える物語です。 どうか、登場人物たちの静かなる心の襞に寄り添いながら、ページをめくってください。

極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です

朝陽七彩
恋愛
 私は。 「夕鶴、こっちにおいで」  現役の高校生だけど。 「ずっと夕鶴とこうしていたい」  担任の先生と。 「夕鶴を誰にも渡したくない」  付き合っています。  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  神城夕鶴(かみしろ ゆづる)  軽音楽部の絶対的エース  飛鷹隼理(ひだか しゅんり)  アイドル的存在の超イケメン先生  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  彼の名前は飛鷹隼理くん。  隼理くんは。 「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」  そう言って……。 「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」  そして隼理くんは……。  ……‼  しゅっ……隼理くん……っ。  そんなことをされたら……。  隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。  ……だけど……。  え……。  誰……?  誰なの……?  その人はいったい誰なの、隼理くん。  ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。  その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。  でも。  でも訊けない。  隼理くんに直接訊くことなんて。  私にはできない。  私は。  私は、これから先、一体どうすればいいの……?

背徳のミラールージュ(母と子 それぞれが年の差恋愛にのめり込んでいく鏡写し)

MisakiNonagase
恋愛
24歳の市役所職員・中村洋平には、自慢の恋人がいた。2歳年上の小学校教師、夏海。誰もが羨む「正解」の幸せの中にいたはずだった。 しかし、50歳になる母・美鈴が21歳の青年・翔吾と恋に落ちたとき、歯車は狂い出す。 ​母の恋路を「不潔だ」と蔑んでいた洋平だったが、気づけば自分もまた、抗えない引力に引き寄せられていた。  その相手は、母の恋人の母親であり、二回りも年上の柳田悦子。 ​純愛か、背徳か。4年付き合った恋人を捨ててまで、なぜ僕は「彼女」を求めてしまうのか。 交差する二組の親子。歪な四角関係の果てに、彼らが見つける愛の形とは――。

処理中です...