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青の国の兵士たちのなかでも一番偉い"隊長"が「突撃!!」と言いかけた、その時でした。
「待って!!」
馬に跨った隊長の目の前に飛び出してきたのはケティでした。
「子供がこんなところで何をしておる!さっさと町へ帰れ!!」
ケティは隊長の怒鳴り声にも一歩も引きません。
「か、帰りません!兵士さんたちが喧嘩をやめるまで……帰りません!!」
「喧嘩をやめろ、だと?我らの進軍の邪魔をするのであれば"国家反逆罪"とみなし、子供とて容赦はせんぞ!そこをどけ!!」
「ど、どきません!!今すぐ喧嘩をやめてください!みんな、仲良くしてください!!」
隊長は近くにいた部下の銃を無理やり奪うと、その銃口をケティに向けます。
「これが最後のチャンスだ。そこをどけ。俺も幼い子供を撃ちたくはない。頼むから、どいてくれ……!」
「何回言われてもどきません!喧嘩をやめて、仲良くしてください!!緑の国にも優しい人はいます!話せばきっと分かってくれます!暴力はいけません!!」
ズドン!という大きな音がしたかと思うとケティは倒れ、そのまま動かなくなってしまいました。
それからすぐに、今度は森の方からズドン!という大きな音がしました。
その音を合図に戦争は始まりました。
白い橋の前にはケティが、森の前にはアランが倒れていました。二人が再び起き上がることはありませんでした。二人は天国という遠い国へ行ってしまったのです。
空はまるで悲しんでいるかのように泣き、降り出した雨に打たれた二人の小さい身体は少しずつ冷たくなっていきました。
「待って!!」
馬に跨った隊長の目の前に飛び出してきたのはケティでした。
「子供がこんなところで何をしておる!さっさと町へ帰れ!!」
ケティは隊長の怒鳴り声にも一歩も引きません。
「か、帰りません!兵士さんたちが喧嘩をやめるまで……帰りません!!」
「喧嘩をやめろ、だと?我らの進軍の邪魔をするのであれば"国家反逆罪"とみなし、子供とて容赦はせんぞ!そこをどけ!!」
「ど、どきません!!今すぐ喧嘩をやめてください!みんな、仲良くしてください!!」
隊長は近くにいた部下の銃を無理やり奪うと、その銃口をケティに向けます。
「これが最後のチャンスだ。そこをどけ。俺も幼い子供を撃ちたくはない。頼むから、どいてくれ……!」
「何回言われてもどきません!喧嘩をやめて、仲良くしてください!!緑の国にも優しい人はいます!話せばきっと分かってくれます!暴力はいけません!!」
ズドン!という大きな音がしたかと思うとケティは倒れ、そのまま動かなくなってしまいました。
それからすぐに、今度は森の方からズドン!という大きな音がしました。
その音を合図に戦争は始まりました。
白い橋の前にはケティが、森の前にはアランが倒れていました。二人が再び起き上がることはありませんでした。二人は天国という遠い国へ行ってしまったのです。
空はまるで悲しんでいるかのように泣き、降り出した雨に打たれた二人の小さい身体は少しずつ冷たくなっていきました。
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