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それは、A神社へ行った日の深夜から始まっていた――。
その日は長時間の運転で疲れていたこともあり、ベッドで横になるとすぐに眠ることができた。
ふと目が覚めた私はゆっくりと瞼を開けた。ぼやけた視界が明瞭になるまで時間はかからなかった。
そして、私の目は"それ"をはっきりと捉えた。
お腹の上あたりから跨るような形で、見覚えのない女が仰向けで寝ている私の上に乗っていたのである。
青白いその顔に生気は一切感じられない。だらりと垂れ下がったぼさぼさの黒髪が頬を掠める。女はぽっかりと穴が開いているような黒い目で私の顔を見下ろしていた。視線は交わったその時から瞬間凍結したかのように固まっている。不思議と身体も一切動かすことができず、声も出せない。常夜灯の点った部屋で掛け時計の秒針が規則正しく動く音だけが響く。
一瞬、その黒い目が僅かに弧を描き、女がにたりと笑ったように見えた。
次の刹那、女は両手で私の首を掴むと、そのか細い腕からは想像もできないほどの強い力で絞めてきた。黒い目で私の苦しむ顔を見ながら、狂ったようにけたけたと笑っている。
どうすることもできず、私の意識はそのまま深い眠りにつくように遠ざかっていった――。
その日は長時間の運転で疲れていたこともあり、ベッドで横になるとすぐに眠ることができた。
ふと目が覚めた私はゆっくりと瞼を開けた。ぼやけた視界が明瞭になるまで時間はかからなかった。
そして、私の目は"それ"をはっきりと捉えた。
お腹の上あたりから跨るような形で、見覚えのない女が仰向けで寝ている私の上に乗っていたのである。
青白いその顔に生気は一切感じられない。だらりと垂れ下がったぼさぼさの黒髪が頬を掠める。女はぽっかりと穴が開いているような黒い目で私の顔を見下ろしていた。視線は交わったその時から瞬間凍結したかのように固まっている。不思議と身体も一切動かすことができず、声も出せない。常夜灯の点った部屋で掛け時計の秒針が規則正しく動く音だけが響く。
一瞬、その黒い目が僅かに弧を描き、女がにたりと笑ったように見えた。
次の刹那、女は両手で私の首を掴むと、そのか細い腕からは想像もできないほどの強い力で絞めてきた。黒い目で私の苦しむ顔を見ながら、狂ったようにけたけたと笑っている。
どうすることもできず、私の意識はそのまま深い眠りにつくように遠ざかっていった――。
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