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第1章
ストーカー、王子と出会う。
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学園では同学年の子息達は既に教育をうけている。
私達、貴族の令嬢は彼らからすると最後の1年間を共に過ごすことになる。表向きそうやって出会い、婚約をする風習があるらしい。まぁ、ほとんどの貴族は学園に入る際にはお相手が決まっているのが事実だ。
そこにやってくる異質な存在こそ、漫画の主人公アンナ・ダリルなのだ。彼女はTHE!!!ヒロインちゃんと名付けたいぐらい、ヒロイン気質であり、貴族の子息相手にモテにモテる。
なんとヒロインちゃんは、庶民でありながら、女神の加護を与えられし者なのだ。王族以外には滅多に現れない光属性の持ち主で学園に通うことになる。いわば特待生?である。
そして無意識的に重ねる善行と圧倒的懐の深さにより、王子の心をゲッチュするのだ。
たしか、ピンクでふわふわーって感じの子なんだけど、もう来ているだろうか。私なんて着せられたドレスが煌びやか過ぎて、キツい顔がさらにキツくなってる気がする。もう少し控えめな顔つきだとストーキングしやすいんだけどなぁ。
入学式と呼ばれるパーティ、私は大勢に挨拶され、挨拶を返し、お嬢様モード全開で頑張ったのでテラスで休むことにする。
王子に挨拶しに伺わないといけないが、生憎、王子は席を外していた。
「16歳にしちゃ、厚化粧すぎない?」
これじゃあ、肌が窮屈だ。そう思って独り言を呟く。
「確かにそうだな、粉っぽい」
明らかに男性の声が後ろからして振り返る。
とても失礼なことを言われた気がしたが、そんなことは全て吹っ飛ぶような人がそこに立っていた。
「…凌なの?」
凌だ。間違いない。私の大好きな彼だ。地味だった顔がイケメンになってるけど、真っ黒だった髪が金髪になってるけど、私の魂が凌だと叫んだ。
「凌!会いたかったよぉぉ!!」
嬉しい嬉しい嬉しい!凌にこんなにも早く会えるなんて!
再開のハグを交わそうと抱きつこうとして頭を掴まれる。
「リョウ?誰だそいつは?人違いだ。礼のなってない令嬢だな。私のことを知らんのか。」
嘘だ。だって、ほら、凌だし。そうやって不愉快なときは右の眉毛がピクってするし。嫌だ。せっかく会えたのに。
「ねぇ…冗談?本当に私のこと覚えてない?菫だよ?」
「だからお前のことなど知らん。勘違いかそれとも、そうやって俺との繋がりをつくろうとしてるのか。どちらにせよ不快だ。」
あぁ、覚えてないのか。そっか。少しショックだけどストーカーの極意として同じだけの愛情を与えられると期待していない。
つまり、この人の魂はきっと彼と同じ。私が熱烈にアピールすればおとせるのでは?ストーカーの腕がなるじゃないか!
「…取り乱した姿をお見せし申し訳ございません。ご挨拶がまだですので失礼ながら名乗らせて頂きます。クロンキスト家が長女ヴィオラにございます。以後お見知りおきを。」
絶対に手に入れてやる。この際身分なんてものは気にしないが…にしても、絶対この人高貴なお方な気がする。衣服の装飾を見ても…ん?あれって王章じゃないっけ?
「俺はレオン・ルドベキア、この国の王子だ。婚約者がお前みたいな礼儀知らずとは…まぁいい、俺の足を引っ張るような奴はいらんからな。」
いや、王子かよぉぉお!そう言えば王子こんな顔でしたね!
初っ端からやらかしました。
しかも私の破滅の種が、ストーキング対象って…
マジで神様一回絞めようかな…
でもやっぱり1分間の瞬きの回数まで一緒なんだよなぁ。そんなこと思いながら、彼の後ろ姿を見送った。
私達、貴族の令嬢は彼らからすると最後の1年間を共に過ごすことになる。表向きそうやって出会い、婚約をする風習があるらしい。まぁ、ほとんどの貴族は学園に入る際にはお相手が決まっているのが事実だ。
そこにやってくる異質な存在こそ、漫画の主人公アンナ・ダリルなのだ。彼女はTHE!!!ヒロインちゃんと名付けたいぐらい、ヒロイン気質であり、貴族の子息相手にモテにモテる。
なんとヒロインちゃんは、庶民でありながら、女神の加護を与えられし者なのだ。王族以外には滅多に現れない光属性の持ち主で学園に通うことになる。いわば特待生?である。
そして無意識的に重ねる善行と圧倒的懐の深さにより、王子の心をゲッチュするのだ。
たしか、ピンクでふわふわーって感じの子なんだけど、もう来ているだろうか。私なんて着せられたドレスが煌びやか過ぎて、キツい顔がさらにキツくなってる気がする。もう少し控えめな顔つきだとストーキングしやすいんだけどなぁ。
入学式と呼ばれるパーティ、私は大勢に挨拶され、挨拶を返し、お嬢様モード全開で頑張ったのでテラスで休むことにする。
王子に挨拶しに伺わないといけないが、生憎、王子は席を外していた。
「16歳にしちゃ、厚化粧すぎない?」
これじゃあ、肌が窮屈だ。そう思って独り言を呟く。
「確かにそうだな、粉っぽい」
明らかに男性の声が後ろからして振り返る。
とても失礼なことを言われた気がしたが、そんなことは全て吹っ飛ぶような人がそこに立っていた。
「…凌なの?」
凌だ。間違いない。私の大好きな彼だ。地味だった顔がイケメンになってるけど、真っ黒だった髪が金髪になってるけど、私の魂が凌だと叫んだ。
「凌!会いたかったよぉぉ!!」
嬉しい嬉しい嬉しい!凌にこんなにも早く会えるなんて!
再開のハグを交わそうと抱きつこうとして頭を掴まれる。
「リョウ?誰だそいつは?人違いだ。礼のなってない令嬢だな。私のことを知らんのか。」
嘘だ。だって、ほら、凌だし。そうやって不愉快なときは右の眉毛がピクってするし。嫌だ。せっかく会えたのに。
「ねぇ…冗談?本当に私のこと覚えてない?菫だよ?」
「だからお前のことなど知らん。勘違いかそれとも、そうやって俺との繋がりをつくろうとしてるのか。どちらにせよ不快だ。」
あぁ、覚えてないのか。そっか。少しショックだけどストーカーの極意として同じだけの愛情を与えられると期待していない。
つまり、この人の魂はきっと彼と同じ。私が熱烈にアピールすればおとせるのでは?ストーカーの腕がなるじゃないか!
「…取り乱した姿をお見せし申し訳ございません。ご挨拶がまだですので失礼ながら名乗らせて頂きます。クロンキスト家が長女ヴィオラにございます。以後お見知りおきを。」
絶対に手に入れてやる。この際身分なんてものは気にしないが…にしても、絶対この人高貴なお方な気がする。衣服の装飾を見ても…ん?あれって王章じゃないっけ?
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いや、王子かよぉぉお!そう言えば王子こんな顔でしたね!
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