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第1章
ストーカー、決意する。
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レオン様にエスコートされて会場を出る。なんて滑らかな動作なんだ。動画にとりたい。
腕を組んで歩くだけでやっぱりこんなにも幸せ。
ちなみにインドア派だった凌とは違い、腕の筋肉が結構ついている。前世とは違うけれど、今はこの腕が一番愛しい。
「殿下、私、婚約者として頑張りますわ」
彼の為に、彼と結ばれたい私の為に、こんな小さな幸せの為に、心から頑張りたいと思った。
「お前との婚約は国のためであって、それ以上でも以下でもない。俺はお前のことを愛してないし、愛される必要も、愛す気もない。」
中々酷いこと言うな。やっぱりさっきのは仮面か。
「殿下とは初めて会ったんですもの。先のことは分かりませんわ。それに私は何と言われようと貴方様をお慕いしますわ」
負けるか。ストーカーは逆境に慣れてるんだぞ。
「お前、俺と誰かを間違えたようだったよな、リョウとやらだったか?」
「その節は申し訳ございません」
間違えてはないんだけどね。まぁ、今はレオン様だから、間違えたと言えばそうなるのか?
「はっ、これだから女は!王族の権力が手に入れば好いた男はもういいのか?薄情過ぎやしないか?」
なんだこの煽りスキル。レオン様、苦労して生きてきたのか、性格がひねくれてる気がする。
「随分と酷いことを仰りますのね。私は確かにリョウという者を愛しておりました。」
「なんだ、開き直るのか?」
悪態をつくけど、なんだかんだ傍にいてくれる所も。「好き」と言うとき、必ず顔を背ける照れ屋な所も。私がどんなことをしても、呆れたように笑ってくれる所も。彼の魅力は私しかきっと知らないだろう。
人付き合いが苦手、愛想が悪い、廃ゲーマー、2次元にこもりがち、引きこもりがち、面倒くさがり、どんな短所だって心から愛してた。
「だって、この世界にリョウという者は存在しませんもの」
凌が、私を覚えてないと知った時、本当は寂しくて悲しくてどうしようもなかった。同じだけの愛情を貰えなくてもいいと思っていたはずなのに。
本当はずっと愛して欲しかったんだ。そして傍に居て欲しかった。
せっかく、会えたのに。こんなにも近くにいるのに。
こんなにも、愛しているのに。
「殿下…どうか、どうか、私を愛してくださいませんか」
泣くのは嫌いなのにずっと抑えていた感情が溢れる。
たとえ、レオン様が凌の記憶を思い出すことが無くても。私だけはこの記憶を大事にするから。もう一度だけ、私を見て、愛してほしい。
「…愛など国を滅ぼすだけだ。俺に求めるな。」
それでも。
彼の傍にいられるなら、私が国だってなんだって護って救って……いや、まだ私にそんな力はない。
もっと、やらなきゃならないことがある。泣くな。泣いてる暇なんて全然ないじゃないか。
いつか、出来るだけ早く
「ならば、私を見ていてくださいね」
必ず、貴方の傍にいるのに相応しく、貴方に愛されるのに相応しい人になる。
「ちっ、足を引っ張る様なことはするなよ。」
凌と同じなのに、何か違うレオン様。その瞳の奥の寂しさをいつか私が消してしまいたい。
菫であり、ヴィオラであるこの私が。
そんな決意を密かに胸に抱き、彼の背中を見送った。
大丈夫。凌だって、最初は私のことが嫌いだったんだ。
私が頑張れば、きっと振り向いてくれる。
よし。まずはレオン様のことを知り尽くす。
そうと決まれば、ストーキングだ。きっと成功する。だって、2度目だしね。ストーカー根性バンザイ!
覚悟してくださいレオン様。
私の長所は一途なところで、短所は諦めの悪いところなんですよ。
腕を組んで歩くだけでやっぱりこんなにも幸せ。
ちなみにインドア派だった凌とは違い、腕の筋肉が結構ついている。前世とは違うけれど、今はこの腕が一番愛しい。
「殿下、私、婚約者として頑張りますわ」
彼の為に、彼と結ばれたい私の為に、こんな小さな幸せの為に、心から頑張りたいと思った。
「お前との婚約は国のためであって、それ以上でも以下でもない。俺はお前のことを愛してないし、愛される必要も、愛す気もない。」
中々酷いこと言うな。やっぱりさっきのは仮面か。
「殿下とは初めて会ったんですもの。先のことは分かりませんわ。それに私は何と言われようと貴方様をお慕いしますわ」
負けるか。ストーカーは逆境に慣れてるんだぞ。
「お前、俺と誰かを間違えたようだったよな、リョウとやらだったか?」
「その節は申し訳ございません」
間違えてはないんだけどね。まぁ、今はレオン様だから、間違えたと言えばそうなるのか?
「はっ、これだから女は!王族の権力が手に入れば好いた男はもういいのか?薄情過ぎやしないか?」
なんだこの煽りスキル。レオン様、苦労して生きてきたのか、性格がひねくれてる気がする。
「随分と酷いことを仰りますのね。私は確かにリョウという者を愛しておりました。」
「なんだ、開き直るのか?」
悪態をつくけど、なんだかんだ傍にいてくれる所も。「好き」と言うとき、必ず顔を背ける照れ屋な所も。私がどんなことをしても、呆れたように笑ってくれる所も。彼の魅力は私しかきっと知らないだろう。
人付き合いが苦手、愛想が悪い、廃ゲーマー、2次元にこもりがち、引きこもりがち、面倒くさがり、どんな短所だって心から愛してた。
「だって、この世界にリョウという者は存在しませんもの」
凌が、私を覚えてないと知った時、本当は寂しくて悲しくてどうしようもなかった。同じだけの愛情を貰えなくてもいいと思っていたはずなのに。
本当はずっと愛して欲しかったんだ。そして傍に居て欲しかった。
せっかく、会えたのに。こんなにも近くにいるのに。
こんなにも、愛しているのに。
「殿下…どうか、どうか、私を愛してくださいませんか」
泣くのは嫌いなのにずっと抑えていた感情が溢れる。
たとえ、レオン様が凌の記憶を思い出すことが無くても。私だけはこの記憶を大事にするから。もう一度だけ、私を見て、愛してほしい。
「…愛など国を滅ぼすだけだ。俺に求めるな。」
それでも。
彼の傍にいられるなら、私が国だってなんだって護って救って……いや、まだ私にそんな力はない。
もっと、やらなきゃならないことがある。泣くな。泣いてる暇なんて全然ないじゃないか。
いつか、出来るだけ早く
「ならば、私を見ていてくださいね」
必ず、貴方の傍にいるのに相応しく、貴方に愛されるのに相応しい人になる。
「ちっ、足を引っ張る様なことはするなよ。」
凌と同じなのに、何か違うレオン様。その瞳の奥の寂しさをいつか私が消してしまいたい。
菫であり、ヴィオラであるこの私が。
そんな決意を密かに胸に抱き、彼の背中を見送った。
大丈夫。凌だって、最初は私のことが嫌いだったんだ。
私が頑張れば、きっと振り向いてくれる。
よし。まずはレオン様のことを知り尽くす。
そうと決まれば、ストーキングだ。きっと成功する。だって、2度目だしね。ストーカー根性バンザイ!
覚悟してくださいレオン様。
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