ストーカー体質は異世界でも治らない

希彩(kiiro)

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第2章

ストーカー、王宮へ行く。

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今日からついに長期休暇。前世でいうところの夏休みのようなものだろう。前世では、ストーキング以外の時間はダラダラと過ごすことが多かったが、今世ではそうもいかない。私は今日から実家に帰るのではなく、王宮にて花嫁修業たるものを始めなければならないのだ。

「本日から王妃修行を受けさせて頂くヴィオラにございます。」

「顔を上げることを許そう。」

「私が貴方の教育を務めます。」

王と王妃に挨拶をし、それぞれに有難いお言葉をもらう。王妃様が直々に私の教育係となってくれるようだ。優しそうだし、よかった。私はどちらかと言うと褒められると伸びるタイプだったりする。

今日は早速、外交についての資料を渡され授業のようなものを受けた。全部アルス語で書かれていて、私じゃなかったら読み解くだけで大変だと思った。本当にラッキーだな。

「貴方本当に読めているの?これぐらいは読めないと話にならないわよ?」

「はい。今のところ大丈夫ですわ。」

満面の笑みでそう答えると、何故か王妃様はほんの少し顔を歪め怒っているように見えた。

「では、この国との貿易に対する資料からみた貴方の考察を話してご覧なさい。」

あれ、この人まぁまぁ厳しい?そのぐらいはできるけど、私じゃなかったら本当に限られた人にしかできないんじゃないか?

アルス語で書かれたトラン王国の資料を読む。ふむふむ。

「トラン王国は、現在は海産物を中心に輸出し魔法具や工業品を輸入していますが、我が国との距離は遠く輸送に時間とお金がかかり、生物ナマモノの輸送は困難となっております。」

広大な土地をもつ南西の国。見たところ王家が誕生したのが最近で発展に遅れが見られるが、資源は十分にあり人口も増加している。我が国は海に面しておらず、きっとこれからの海洋資源はトラン王国に頼るしかない。今のうちに繋がりを作っておくべき国だと言える。

「ですが、私は貿易を辞めることには反対です。一時的に費用はかかりますが我が国との転送魔法陣を設置すれば、トラン王国はさらに成長し、後に我が国の大きな利益と繋がると考えますわ。」

「貴方…。あぁ、もう駄目ね。全然だわ。」

ええ!?いい線いったと思ったのにな。どこがそんなに駄目なんだろう?見落としがあった、とか?

「少し意地悪しようとしたのに、完璧に答えちゃうんだもの!これじゃあ、すぐに私も追い越されてしまうわ!」

茶目っ気たっぷりにそう言った王妃は言葉とは裏腹にすごく嬉しそうだった。

「ヴィーちゃん、早く私の娘に欲しいわ~。可愛いし、賢いし、さっさと結婚してしまえばいいのに。レオンが羨ましいわ~。」

あれ?王妃ってこんな人?なんだかとてもフレンドリーじゃない?レオン様との関係ももっと複雑な感じだと思ってたの私だけ!?

「あ、の?」

「あぁごめんなさいね、ヴィーちゃん。私は普段こんな感じなのよ。貴方も普段通りでいいのよ?気を張っていたら持たないでしょう?」

「では、私の考察は間違ってないのでしょうか?」

「間違いもなにも!実際、既に転送魔法陣の設置に動き出してるわ。貴方どこでそんなに知識を蓄えたの?」

ぐっ。ここで前世ですなんて言えるはずもない。かと言って学園で習ったと言っても嘘になる。どうしようか。

「…レオン様のお話をいつも聞いておりますから。」

ごめん!レオン様!そして王妃様!真っ赤な嘘です。レオン様は私の話を無視するだけで、ちっとも向こうから話したりしません。ごめんなさい!

「まぁ、ではあの噂は本当なのね!」

「へ?」

王妃様の話では、レオン様は私を溺愛していて、毎日学園には共に登校し、わざわざ王族寮に私の部屋をつくり、しかも毎晩共にしているなどという噂話が広まっているらしい。

なんだそれ羨ましい状況だな!あながち間違いとも言えないけど、溺愛してるのは私だし、共に登校してるというか私がストーキングしてるだけだし、毎晩共にしているものの、ただの抱き枕なんです。はい。

まぁ、こうやって外堀から埋めていくっていうのも1つの作戦としてはあり?なのかな!なんか、レオン様、ごめん!
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