火星非文明紀 砂の惑星ネット版

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雅人は大学に勤めはじめて、
ある日、友人とキャッチボールをしていた。

「次はカーブだ」

大学の少ない農園だった。
火星はハウス栽培が主で、雅人や大学の頑張りで、ハウス農園は適切な温度管理で農地が広がってきた。
職員が農業用のトラクターで農産物を刈っていた。
火星では地球に提供する多くの風力発電のプロペラが回っている。月は太陽光発電がたくさん進んでいる。
惑星内でない宇宙では光ファイバー回線使用可能なので、月から1秒で地球に電力が届く。
そんな中、バイクで雅人の所に知り合いが来て、事を言った。

「雅人、君の母が倒れたそうだ」

雅人はふりかえる。
雅人は母の病院でいた。

「母さん・・・」
「雅人・・・もう最後になるね・・・」
雅人は母を抱きしめる。

雅人の母は家の近くの荒野に葬られた。
葬儀で神父が、

「主よ、雅人の母は旅立たれました、もう苦しみを味わう事はないのです」

神父は祈りをささげていた。雅人は遺体を荒野にあるコールドスリープの葬儀場に遺体を冷凍保存した。
母は脳が死ぬ前に冷凍保存されていて、夢を見ている。コールドスリープになればもう誰の管理もない。

「母が本当に全てに嫌気がさしたら、後は安楽死させてあげてください」
雅人は言った。
雅人はコールドスリープになった、母の名前を葬儀の人の死者の名簿に母の名前を書いた。
その夜、火星にも小雨が降っていた、
家で雅人は泣いていた、妹がどうしたか雅人に寄り添ってきた。

「兄さん」

雅人は涙ながらに、

「母さんはよく言っていた、この世界に生きるものはみんな神様だって、
動物も人間もそうだって、人間がいなければみんな神様だって、
母は逝った、もう酷い環境のこの火星で、
いつかきっとこの火星を地球のような環境のいい星に俺は変えてみせる、
地球は国があって、支配は凄く、問題もたくさんある、普通の事も普通に通らない、
食料や恋愛だって１部が独占している。
この火星は新生代の世界だ、まだ環境はひどいけど、
神様もいる星にしたい、新生代の地球と違う問題も苦しみもない自然のいい文明ではない新生代の星に・・・。
そのために俺は頑張る」
雅人は言った。
妹はだまって雅人をなぐさめる。