8 / 78
咆哮
しおりを挟む
凄まじい咆哮が聞こえた。
耳をつん裂くような咆哮にビリビリと肌が震え、ハッと目を覚ます。
あわてて体を起こして周囲を確認するが、目に見えるところには何も居ない。
マップ画面を開いて確認すると、索敵できるギリギリの範囲に赤い点が光っている。
慌てて落ちているブックレットを引っ掴み、アイテムボックスへ突っ込んで、赤い点から離れるべく足を踏み出した。
しかし、ある物に気づいて足が止まる。
青い点があるっ…!?
赤い点は魔物の印だ。青い点は初めて見る。
もしかして… 人?
その青い点は、赤い点と重なるように近くにあり、赤い点と同様に動いている。
まさか、人が魔物に襲われているのか?
どうする? 様子を見に行くか? しかし、あの咆哮… どう考えてもスライムとは比べ物にならない強さの魔物に違いない。スライムに苦戦するようなおれが行ったところで役に立つとは思えない。
けど…
やはり気になってしまう。何せここに来てから初めて誰かに会えるかもしれないのだ。
しかし、見に行ってどうなる? おれでは助けられないと分かりきっているのに? 見に行って、やっぱり助けられないと確信してから見捨てるというのか? そんなことが出来るのか? 助けるどころか、この魔物に気付かれた瞬間殺されてしまうのが関の山ではないのか?
……それでもやはり諦めがつかない。
自分のステータスを確認する。
————————————————
主人公:円谷 和明(17)
レベル:4
体力:65/65
魔力:110/350
攻撃:9
防御:9
知恵:14
精神:14
敏捷:14
器用:14
幸運:1
魅力:1
魔法:水のポンプ/ヒール
スキル:隠密
乙女の本気:未習得
属性:聖/水
状態:乙女の呪い
称号:聖女/巻き込まれし者
/女神(代理補佐)の加護
————————————————
体力は全部、魔力は110まで回復している。
気を失うように眠ってしまったことで回復したようだが、こんな場所で無防備に眠ってしまった危険性に、今更ながらゾッとする。今生きているのはただの偶然でしかない。
攻撃と回復の魔法だけならギリギリ2回分、隠密を使うなら1回分の魔力がある。
青い点のある方向へ一歩足を踏み出す。
生き延びる為には愚かな行動だとは分かってはいるが、どうしても、今ここで諦める気になれない。
沸き起こる恐怖に震えながらも二歩目を踏み出し、ステータス画面をマップに切り替える。
あっ!
赤い点が消えている!
もしかして、魔物が討伐された?!
急いで青い点のある方へと駆け出して行った。
耳をつん裂くような咆哮にビリビリと肌が震え、ハッと目を覚ます。
あわてて体を起こして周囲を確認するが、目に見えるところには何も居ない。
マップ画面を開いて確認すると、索敵できるギリギリの範囲に赤い点が光っている。
慌てて落ちているブックレットを引っ掴み、アイテムボックスへ突っ込んで、赤い点から離れるべく足を踏み出した。
しかし、ある物に気づいて足が止まる。
青い点があるっ…!?
赤い点は魔物の印だ。青い点は初めて見る。
もしかして… 人?
その青い点は、赤い点と重なるように近くにあり、赤い点と同様に動いている。
まさか、人が魔物に襲われているのか?
どうする? 様子を見に行くか? しかし、あの咆哮… どう考えてもスライムとは比べ物にならない強さの魔物に違いない。スライムに苦戦するようなおれが行ったところで役に立つとは思えない。
けど…
やはり気になってしまう。何せここに来てから初めて誰かに会えるかもしれないのだ。
しかし、見に行ってどうなる? おれでは助けられないと分かりきっているのに? 見に行って、やっぱり助けられないと確信してから見捨てるというのか? そんなことが出来るのか? 助けるどころか、この魔物に気付かれた瞬間殺されてしまうのが関の山ではないのか?
……それでもやはり諦めがつかない。
自分のステータスを確認する。
————————————————
主人公:円谷 和明(17)
レベル:4
体力:65/65
魔力:110/350
攻撃:9
防御:9
知恵:14
精神:14
敏捷:14
器用:14
幸運:1
魅力:1
魔法:水のポンプ/ヒール
スキル:隠密
乙女の本気:未習得
属性:聖/水
状態:乙女の呪い
称号:聖女/巻き込まれし者
/女神(代理補佐)の加護
————————————————
体力は全部、魔力は110まで回復している。
気を失うように眠ってしまったことで回復したようだが、こんな場所で無防備に眠ってしまった危険性に、今更ながらゾッとする。今生きているのはただの偶然でしかない。
攻撃と回復の魔法だけならギリギリ2回分、隠密を使うなら1回分の魔力がある。
青い点のある方向へ一歩足を踏み出す。
生き延びる為には愚かな行動だとは分かってはいるが、どうしても、今ここで諦める気になれない。
沸き起こる恐怖に震えながらも二歩目を踏み出し、ステータス画面をマップに切り替える。
あっ!
赤い点が消えている!
もしかして、魔物が討伐された?!
急いで青い点のある方へと駆け出して行った。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
531
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる