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第11話 クリスマスがやってきた
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「ローストビーフは外せないよね」
「チキンはローストにするの?それともフライドチキン?」
「フルーツポンチなら私も作れそう」
「ラザニアって好き……」
クリスマスが近づくにつれ、わたしたちの話題はクリスマス料理一辺倒になっていった。
「ケーキはスポンジケーキから作るの?」
「いちごはたくさん欲しいよね」
「間に他の果物を入れても美味しいと思うよ」
「私……それやりたいな」
などと日々わいわいとやってるうちにクリスマスの日がやってきた。
私達は午前中から瑠花の家に集まって準備を始めた。
瑠花の家のお手伝いさんのまさ子さんはとても穏やかで優しい、私達の母親よりも少し上の世代の女性だった。
夕方になりお呼ばれした男子たちがやってきた。
私が先に来たので兄貴は小谷君と途中で合流したようだ。
が、その男子の中に栗田先生もいたのにはびっくりした。
「え……栗田先生?」
戸惑い気味に聞く私。
「よ、よう……」
と、軽く手を上げて応える栗田先生もどこか戸惑い気味だ。
「でも、そうすると男の人が一人多くなっちゃうね」
梨絵が言うと、
「あれ?栗田先生お一人できたんですか?」
瑠花の様子からするともう一人来るようだ。
「あ……いや……」
歯切れが悪い栗田先生。
「私もいるぞ」
栗田先生たちの後から入ってきたのは彩子先生だった。
「「「彩子先生ーー!!!」」」
私達はキャーーとばかりに黄色い声を上げながら彩子先生のもとに集まった。
「はははは」
私達に囲まれて楽しそうな彩子先生。
とすると……。
「瑠花は知ってたの?彩子先生が来ること」
多少の非難を込めて私が言った。
「うん……実を言うとね……」
と言う瑠花の話によればこうだ。
最初は小谷君たちが栗田先生も呼びたいというところから始まった。
でも栗田先生は面倒だなんだと言って受けてくれなかった。
そんな話を彩子先生にしたら、
「私に任せておけ。あいつは必ず連れて行ってやる」
と請け負ってくれた、というわけだ。
「まあ……そういうことだ」
と、何でもないように栗田先生は言った。
「なんだなんだ、そのそっけない態度は。教え子に呼んでもらえたんだからもっと嬉しそうにしろ」
そう言いながら彩子先生か栗田先生の肩にガシッと腕を回した。
そして、
「こんな顔して実は結構喜んでたりするからな、こいつ」
ニヤリとしながら彩子先生が言った。
「いや……それは……はぁ……勘弁してくださいよ先輩」
ややバツが悪そうににため息をついて栗田先生が言った。
「あはははは!」
栗田先生の肩をバンバンと叩きながら朗らかに笑う彩子先生。
(なんか……いいなぁ、ああいうの)
彩子先生と栗田先生の詳しい関係は知らないけれど、屈託のない間柄とでも言えばいいのだろか。
二人のこうした冗談混じりのやり取りは今では私達にとっても当たり前の光景になっていた。
が、同じように私たちは知っている。
先の侵入者事件の時に見せてくれた二人の信頼関係も。
やがてパーティの準備も整い、みんなで食堂に集まった。
「お前もなにか作ったのか?」
兄貴がテーブルに並んだ料理を見回しながら私に言った。
「うん、サンドイッチとサラダを作ったよ」
やや胸を張りながら私は言った。
「そうかそうか……うんうん」
わざとらしく感慨深げな雰囲気を出しながら兄貴が言った。
「な、なによ、何が言いたいの?」
私は気持ちムッとして言った。
「料理なんてろくにできなかった妹がなぁ……」
うつむき加減で言う兄貴。
ん?肩が震えているぞ?
「なんか……兄貴、笑いを堪えてない?」
腰に手を当てて言う私のこめかみには青筋が立っていたことだろう。
そんな私に兄貴は、
「やはり愛の力は偉大だなって思ってな」
と言った。
「あ、愛の力……?!」
何を言ってるの兄貴は……。
「もちろん、翔太のために作ったんだろ?」
「え?そんなことは……」
考えてなかった……と私は言おうとした。
なのに……言葉に詰まってしまった。
今日来るみんなのために作ったのだ、もちろん翔太君のためでもあるけれど……。
(でも、作っている時……私は何を考えていただろう……
翔太君は美味しいって言ってくれるかな……
翔太君ならボリュームがある具材のほうが喜んでくれるよね……
翔太君は自分でも大食いだって言ってたからたくさん作らなきゃだよね……
(……ずっと翔太君のことを考えながら作ってたかも……)
などと考えていると瑠花の声が聞こえた。
「みなさんクラッカーは行き渡りましたね?
では!
メリー・クリスマス!」
「「「メリー・クリスマス!!!」」」
パァーーーーン!!
「どれも美味そうだなぁーー!」
「だよなーー!」
「うん!」
村下君、小谷君、佐々君がテーブルの料理を見回して目を輝かせている。
「ビールはないのか?」
あたりをキョロキョロと見回しながら栗田先生が言った。
「ありません。私たち未成年がいますから」
瑠花が言うと、
「だよなぁ……」
ガックリと肩を落とす栗田先生。
「まあまあ、終わってからどこか飲みに行きましょう」
兄貴が栗田先生に言った。
「君は確か……」
「はい、市之瀬祐実の兄の市之瀬悠です」
「ああ、やっぱり。君の活躍は聞いてるよ」
「そうなんですよ、今季の大学リーグでも勝利数が一番なんです!」
と、なぜか瑠花が会話に入ってきた。
(え?詳しいな、瑠花。私だってそこまで詳しくは知らないのに)
「あ……ありがとう。よく知ってるね、えっと……」
兄貴もやや虚を突かれたようだった。
「朝比奈瑠花です♡」
んん?
ちょおーっと声のトーンがいつもと違くないか?
「ああ……朝比奈瑠花さん、今日はお招きありがとう」
兄貴も卒がない男なのですぐに立ち直って如才なく笑顔で返した。
なんだこの展開は?
「それにしても詳しいな、朝比奈」
栗田先生が聞いた。
「小谷君から色々聞いてたんです。市之瀬さんは小さい頃からの憧れの選手だって」
瑠花は両手を胸の前で組みながらまるで憧れているのが彼女自身であるかのような様子で言った。
「なるほど、翔太からね」
納得がいった兄貴が笑顏で言った。
(そうだったのか!あまりに身近すぎて気がつかなかった……)
兄貴が後輩から好かれるタイプなのは知っていたがここまでとは私も思っていなかった。
(それにしても瑠花は翔太君と色々と話をしてるんだな……)
私が知らない翔太君を瑠花が知っているという事実を突きつけられたようで、どうにも胸がチクチクする。
そこに翔太君、村下君、佐々君がやってきて一気に野球談義に花が咲いた。
久しぶりに憧れの先輩に会えた翔太君は熱心にピッチングのことなどを話している。
兄貴も野球の事となると人が変わったように熱中派になるので、翔太君の質問にも丁寧に答えているようだ。
「なんかすごい盛り上がりだねぇ」
「私たちはお呼びじゃない……かな……」
梨絵と茉美が来て言った。
「だねえ……でも瑠花はしっかり話の輪に入ってるね」
「まあまあ、いいじゃないか。男どもは朝比奈に任せてこっちはこっちで楽しむぞ!」
彩子先生がやってきてそう言った。
ということは……
「彩子先生と女子トーク?」
私が言うと、
「うむ、任せろ。恋の悩みでもなんでも聞いてやるぞ」
ウインクしながらサムズアップする彩子先生。
「「「キャーー!!」」」
期せずして野球談義組と女子トーク組に分かれてしまったが、彩子先生との女子トークは楽しかったし、野球談義組も盛り上がっているようだ。
そう、とても楽しいパーティだ。
美味しい料理もたくさんあるし、女子トークもみんなで涙が出るほど笑って盛り上がった。
だけど……。
(ちょっと……ちょっとだけでも……翔太君と二人で話ができたら……)
そう思いながら、翔太君の方をチラッと見た。
翔太君もこちらを見た。
(あれ……?前にもこんなこと無かったっけ……?)
翔太君が転校してきたその日、一目で好きになってしまった彼と目があったことを思い出した。
あの時はとっさに目をそらしてしまった。
が、今は目をそらせずにいた。
数メートルの距離で彼と見つめ合ってしまっている。
翔太君がふわりと笑った。
私も笑い返した。
(……!)
素直に笑い返せた。
嬉しかった。
私の肩に誰かが手をかけた。
彩子先生が優しい笑顔で私を見ていた。
「はっ……私……!」
梨絵と茉美も笑顔で私を見ている。
「行ってきたら?」
翔太君の方を見ながら梨絵が言った。
「祐実ちゃん……!」
茉美がそう言いながら胸の前で両拳を握ってガッツポーズをした。
「……でも……」
私は瑠花のことが気になって躊躇した。
「ところでさぁ……祐実のお兄さんと瑠花がいい感じに見えるのは私だけ?」
梨絵がやや聞えよがしに言った。
「え……?」
予想だにしなかった梨絵の言葉に私はサッと兄貴を見た。
「ふむ……確かにそう見えるな」
「うん……そんな気がする」
彩子先生と茉美も言った。
言われてみると確かに二人は楽しげに話しているようだった。
「瑠花のことは気にしなくてもいいんじゃない?」
梨絵が言った。
「ようし、そしたら小谷から他の連中を引っ剥がすとするか」
彩子先生が楽しそうに言った。
「そうですね!」
「はい……!」
梨絵と茉美も楽しそうだ。
そして、彩子先生たちが野球談義組に突入していった。
「ほらほら男子どもーー私達レディをしっかりもてなせよーー!」
「佐々君、私ケーキが食べたいから取ってきて」
「村下君……私……喉が乾いたかな……」
彩子先生と梨絵はともかく、あの茉美までも……。
そして、私と翔太君がグループから離れてポツンと二人だけになる形になった。
「チキンはローストにするの?それともフライドチキン?」
「フルーツポンチなら私も作れそう」
「ラザニアって好き……」
クリスマスが近づくにつれ、わたしたちの話題はクリスマス料理一辺倒になっていった。
「ケーキはスポンジケーキから作るの?」
「いちごはたくさん欲しいよね」
「間に他の果物を入れても美味しいと思うよ」
「私……それやりたいな」
などと日々わいわいとやってるうちにクリスマスの日がやってきた。
私達は午前中から瑠花の家に集まって準備を始めた。
瑠花の家のお手伝いさんのまさ子さんはとても穏やかで優しい、私達の母親よりも少し上の世代の女性だった。
夕方になりお呼ばれした男子たちがやってきた。
私が先に来たので兄貴は小谷君と途中で合流したようだ。
が、その男子の中に栗田先生もいたのにはびっくりした。
「え……栗田先生?」
戸惑い気味に聞く私。
「よ、よう……」
と、軽く手を上げて応える栗田先生もどこか戸惑い気味だ。
「でも、そうすると男の人が一人多くなっちゃうね」
梨絵が言うと、
「あれ?栗田先生お一人できたんですか?」
瑠花の様子からするともう一人来るようだ。
「あ……いや……」
歯切れが悪い栗田先生。
「私もいるぞ」
栗田先生たちの後から入ってきたのは彩子先生だった。
「「「彩子先生ーー!!!」」」
私達はキャーーとばかりに黄色い声を上げながら彩子先生のもとに集まった。
「はははは」
私達に囲まれて楽しそうな彩子先生。
とすると……。
「瑠花は知ってたの?彩子先生が来ること」
多少の非難を込めて私が言った。
「うん……実を言うとね……」
と言う瑠花の話によればこうだ。
最初は小谷君たちが栗田先生も呼びたいというところから始まった。
でも栗田先生は面倒だなんだと言って受けてくれなかった。
そんな話を彩子先生にしたら、
「私に任せておけ。あいつは必ず連れて行ってやる」
と請け負ってくれた、というわけだ。
「まあ……そういうことだ」
と、何でもないように栗田先生は言った。
「なんだなんだ、そのそっけない態度は。教え子に呼んでもらえたんだからもっと嬉しそうにしろ」
そう言いながら彩子先生か栗田先生の肩にガシッと腕を回した。
そして、
「こんな顔して実は結構喜んでたりするからな、こいつ」
ニヤリとしながら彩子先生が言った。
「いや……それは……はぁ……勘弁してくださいよ先輩」
ややバツが悪そうににため息をついて栗田先生が言った。
「あはははは!」
栗田先生の肩をバンバンと叩きながら朗らかに笑う彩子先生。
(なんか……いいなぁ、ああいうの)
彩子先生と栗田先生の詳しい関係は知らないけれど、屈託のない間柄とでも言えばいいのだろか。
二人のこうした冗談混じりのやり取りは今では私達にとっても当たり前の光景になっていた。
が、同じように私たちは知っている。
先の侵入者事件の時に見せてくれた二人の信頼関係も。
やがてパーティの準備も整い、みんなで食堂に集まった。
「お前もなにか作ったのか?」
兄貴がテーブルに並んだ料理を見回しながら私に言った。
「うん、サンドイッチとサラダを作ったよ」
やや胸を張りながら私は言った。
「そうかそうか……うんうん」
わざとらしく感慨深げな雰囲気を出しながら兄貴が言った。
「な、なによ、何が言いたいの?」
私は気持ちムッとして言った。
「料理なんてろくにできなかった妹がなぁ……」
うつむき加減で言う兄貴。
ん?肩が震えているぞ?
「なんか……兄貴、笑いを堪えてない?」
腰に手を当てて言う私のこめかみには青筋が立っていたことだろう。
そんな私に兄貴は、
「やはり愛の力は偉大だなって思ってな」
と言った。
「あ、愛の力……?!」
何を言ってるの兄貴は……。
「もちろん、翔太のために作ったんだろ?」
「え?そんなことは……」
考えてなかった……と私は言おうとした。
なのに……言葉に詰まってしまった。
今日来るみんなのために作ったのだ、もちろん翔太君のためでもあるけれど……。
(でも、作っている時……私は何を考えていただろう……
翔太君は美味しいって言ってくれるかな……
翔太君ならボリュームがある具材のほうが喜んでくれるよね……
翔太君は自分でも大食いだって言ってたからたくさん作らなきゃだよね……
(……ずっと翔太君のことを考えながら作ってたかも……)
などと考えていると瑠花の声が聞こえた。
「みなさんクラッカーは行き渡りましたね?
では!
メリー・クリスマス!」
「「「メリー・クリスマス!!!」」」
パァーーーーン!!
「どれも美味そうだなぁーー!」
「だよなーー!」
「うん!」
村下君、小谷君、佐々君がテーブルの料理を見回して目を輝かせている。
「ビールはないのか?」
あたりをキョロキョロと見回しながら栗田先生が言った。
「ありません。私たち未成年がいますから」
瑠花が言うと、
「だよなぁ……」
ガックリと肩を落とす栗田先生。
「まあまあ、終わってからどこか飲みに行きましょう」
兄貴が栗田先生に言った。
「君は確か……」
「はい、市之瀬祐実の兄の市之瀬悠です」
「ああ、やっぱり。君の活躍は聞いてるよ」
「そうなんですよ、今季の大学リーグでも勝利数が一番なんです!」
と、なぜか瑠花が会話に入ってきた。
(え?詳しいな、瑠花。私だってそこまで詳しくは知らないのに)
「あ……ありがとう。よく知ってるね、えっと……」
兄貴もやや虚を突かれたようだった。
「朝比奈瑠花です♡」
んん?
ちょおーっと声のトーンがいつもと違くないか?
「ああ……朝比奈瑠花さん、今日はお招きありがとう」
兄貴も卒がない男なのですぐに立ち直って如才なく笑顔で返した。
なんだこの展開は?
「それにしても詳しいな、朝比奈」
栗田先生が聞いた。
「小谷君から色々聞いてたんです。市之瀬さんは小さい頃からの憧れの選手だって」
瑠花は両手を胸の前で組みながらまるで憧れているのが彼女自身であるかのような様子で言った。
「なるほど、翔太からね」
納得がいった兄貴が笑顏で言った。
(そうだったのか!あまりに身近すぎて気がつかなかった……)
兄貴が後輩から好かれるタイプなのは知っていたがここまでとは私も思っていなかった。
(それにしても瑠花は翔太君と色々と話をしてるんだな……)
私が知らない翔太君を瑠花が知っているという事実を突きつけられたようで、どうにも胸がチクチクする。
そこに翔太君、村下君、佐々君がやってきて一気に野球談義に花が咲いた。
久しぶりに憧れの先輩に会えた翔太君は熱心にピッチングのことなどを話している。
兄貴も野球の事となると人が変わったように熱中派になるので、翔太君の質問にも丁寧に答えているようだ。
「なんかすごい盛り上がりだねぇ」
「私たちはお呼びじゃない……かな……」
梨絵と茉美が来て言った。
「だねえ……でも瑠花はしっかり話の輪に入ってるね」
「まあまあ、いいじゃないか。男どもは朝比奈に任せてこっちはこっちで楽しむぞ!」
彩子先生がやってきてそう言った。
ということは……
「彩子先生と女子トーク?」
私が言うと、
「うむ、任せろ。恋の悩みでもなんでも聞いてやるぞ」
ウインクしながらサムズアップする彩子先生。
「「「キャーー!!」」」
期せずして野球談義組と女子トーク組に分かれてしまったが、彩子先生との女子トークは楽しかったし、野球談義組も盛り上がっているようだ。
そう、とても楽しいパーティだ。
美味しい料理もたくさんあるし、女子トークもみんなで涙が出るほど笑って盛り上がった。
だけど……。
(ちょっと……ちょっとだけでも……翔太君と二人で話ができたら……)
そう思いながら、翔太君の方をチラッと見た。
翔太君もこちらを見た。
(あれ……?前にもこんなこと無かったっけ……?)
翔太君が転校してきたその日、一目で好きになってしまった彼と目があったことを思い出した。
あの時はとっさに目をそらしてしまった。
が、今は目をそらせずにいた。
数メートルの距離で彼と見つめ合ってしまっている。
翔太君がふわりと笑った。
私も笑い返した。
(……!)
素直に笑い返せた。
嬉しかった。
私の肩に誰かが手をかけた。
彩子先生が優しい笑顔で私を見ていた。
「はっ……私……!」
梨絵と茉美も笑顔で私を見ている。
「行ってきたら?」
翔太君の方を見ながら梨絵が言った。
「祐実ちゃん……!」
茉美がそう言いながら胸の前で両拳を握ってガッツポーズをした。
「……でも……」
私は瑠花のことが気になって躊躇した。
「ところでさぁ……祐実のお兄さんと瑠花がいい感じに見えるのは私だけ?」
梨絵がやや聞えよがしに言った。
「え……?」
予想だにしなかった梨絵の言葉に私はサッと兄貴を見た。
「ふむ……確かにそう見えるな」
「うん……そんな気がする」
彩子先生と茉美も言った。
言われてみると確かに二人は楽しげに話しているようだった。
「瑠花のことは気にしなくてもいいんじゃない?」
梨絵が言った。
「ようし、そしたら小谷から他の連中を引っ剥がすとするか」
彩子先生が楽しそうに言った。
「そうですね!」
「はい……!」
梨絵と茉美も楽しそうだ。
そして、彩子先生たちが野球談義組に突入していった。
「ほらほら男子どもーー私達レディをしっかりもてなせよーー!」
「佐々君、私ケーキが食べたいから取ってきて」
「村下君……私……喉が乾いたかな……」
彩子先生と梨絵はともかく、あの茉美までも……。
そして、私と翔太君がグループから離れてポツンと二人だけになる形になった。
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