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1章
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しおりを挟む「ソランジュ。お前とテオドール殿下の婚約が決まった。まだ内定だがな。
殿下が立太子する時に、共に発表する。それまでに、婚約者として相応しい教養を身につけよ。」
その言葉を聞いた瞬間、頭の中に膨大な量の記憶が流れ込んでくる。
それは、ソランジュ=ベアトリクスとして生きた記憶と安藤エリとして生きた2つの記憶。
情報量の多さに気が遠くなり、ふらつきそうになるのを、どうにか踏ん張って抑える。
「話は以上だ。ささっと出て行け。」
目の前で、こちらを一切見ることなく、冷たく言い放つ…私のお父様。
「失礼いたしました。」
スカートを軽く摘んで礼をし、お父様の執務室から退出する。
そして足早に自室へ戻り、部屋に入る前に、
"しばらく1人にしてほしい。ディナーも今日はいらないです。"
と、侍女に伝えた。
奇怪なものでも見たような顔をされた。
私はそのままベッドにダイブした。
ダイブといっても、体が重いため、ただ倒れただけだ。よじ登ったとも言えるかもしれない。
私はベッドの上で盛大にため息をつく。
「ま、また…」
ーーソランジュになってしまったわ…!!
ベッドから起き上がり、状況を整理し、理解する。
私はついこないだ8歳の誕生日を迎えたばかり。
確か、王太子殿下の立太子は殿下が12歳になった時だった。
だから…あと3年半ぐらいは猶予があるわ!
デブは…だいぶ進行していると思うの…!
だって、歩くのすごく大変だったもの…
そんなことを思いながら、ベッドから降りて鏡の前に立つ。自分の姿を見て…
や、やばい…!
エリの時、私はとても細かった。幼少期に十分な栄養を取れてなかった。ということも多分関係してくると思うけど…
だからこそ、8歳でこれは無いと思います。
むちむちの子豚ちゃんです。これは…
「や、痩せよう。」
想像以上すぎて、思わず声が漏れてしまった。
そして…
問題は、それだけじゃないと気づく。
メイド達への態度も改めないと…
また刺されて殺されてしまう…
そう思った瞬間、背中に鈍い痛みを感じた気がした。
この人生では、まだ刺されていないはずなので、気のせいのはずだけど、どうしようもなく体が震えてしまった。
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