18 / 80
神は彼女に新しい日常を与えた
神は彼女を混濁させた
しおりを挟む
◆◆◆
「やっぱ布団敷くのって、地味に大変だよなー 」
「何を今さら、そんな当たり前なこと言ってんだよ 」
彼女がフロントに助っ人に行ってしまったので、椿が交代要員として匡輔を送り込んできた。
ただ正直いてもいなくても同じ、というよりむしろ余計な検閲という手間が掛かるから、一人で作業した方が効率がいいかもしれない。
「匡輔、シーツ曲がってる。ここもシワもよってるし 」
「ああ、だから俺こうゆう作業苦手なんだよな。恒星は何だかんだで几帳面だよな。俺より責任感もあるし 」
「ったく、当たり前だろ。こっちは金を貰ってんだから 」
匡輔は作務衣に無駄に襷を掛けて、やる気には満ちていたが、掃除係としてはポンコツだった。ヤツは自分が駒になるよりは、上に立って場を回す方が向いていると思う。
「早く麻愛ちゃん、帰ってこないかなー 俺、早く持ち場に戻りたいんだけど 」
「あはは。奇遇だな。僕も早く彼女に戻ってきて貰いたいよ 」
僕も匡輔の意見に同意すると、深い溜め息をついた。コイツの尻拭いをしながら部屋を回っていたら、何時間あっても終わりが来ない気がする。
「っていうかさ…… 」
「何だよ……? 」
僕は半ば投げやりに、匡輔に返事をした。
どうせ、またクダらないことを言い出すのはわかっている。そんなことよりも、今はとにかく作業に集中してもらいたかった。
「……やっぱ恒星って、麻愛ちゃんのこと、好きだよな? 」
「……はあ? 」
僕は思わず作業を止めて、匡輔の方を振り向いた。
予想を上回るブッコミ発言だった。
「何か麻愛ちゃんが下呂に来てから、出し惜しみすることなく、すげー大事にしてるじゃん 」
「……そりゃ、そうだろ。彼女はイギリスから、見ず知らずの場所の他人の家に来てるんだから 」
「……そういう意味じゃなくて 」
匡輔は頭をかき乱しながら「この無自覚優男」とか失礼千万な事を言って、溜め息をついている。何でこんな言われようをされなくてはならないのか、僕には納得がいかなかった。
「それに、どっかの誰かと違って仕事にも几帳面だからね。 ちゃんとシーツの端は、ピシッと整えるし。一緒にいると自分もしっかりしなきゃって思うよ 」
「……はぐらかしたな? 」
「何を……? 」
「佳央理ちゃん、お前が麻愛ちゃんに熱心なことに、怒ってんじゃないの? 」
「なんで、いま佳央理の名前が出てくんだよ? 」
「そりゃ…… 最近の恒星を見てたら、佳央理ちゃんが不憫だろ? 佳央理ちゃんはわざわざ下呂に残るために、独り暮らししてるんだろ。察しろよ 」
「はあ……? 何でそうなるんだ? 」
「おい、まさかそっちも自覚なしか? おまえ、ちょっと酷すぎだろ 」
酷いも、何も……
匡輔の言わんとすることの意味がわからない。それじゃまるで、佳央理が僕のことを好きみたいな言い方じゃないか。
佳央理が下呂にいるのには、複雑な事情がある。それは親類だけが知っていればいい、センシティブな内容だ。だから匡輔にそんなことを言われても、僕には困る以外の感情が沸かないのだ。
「そりゃ、佳央理は僕のことは嫌いじゃないだろ。再従兄弟だし、血が繋がってるんだから。僕だって佳央理のことは好きだよ。好きとか嫌いとか、そういう感情を抱いたことすらないわ 」
「ちょっ、そういう事じゃなくて…… 」
「……どういう答えを期待してるかは知らないけど、あんまり執拗に言うと僕も怒るからな 」
僕は無理やり話を着地させると、作業を再開した。彼女はともかく、何故佳央理の話が出てくるのかが意味がわからなかった。
ったく、こうなったらさっさと作業を終えて、この匡輔と強制密室という環境から抜け出すしかない。
僕は手元をたくしあげると、気合いを入れ直して布団に向かった。
……そのときだった。
ブーブーブーブー
僕はスマホが振動しているのを感じて、ポケットを確認した。
ディスプレイには間嶋椿の名前が出ていた。
「椿から電話だ…… 」
「えっ? あっ…… 俺のとこにも着信あったみたいだ…… 」
匡輔にも僕にも着信があるのなら、急ぎの用事か何かだろうか?
まあ、おそらく彼女の助っ人業務が終わった連絡か何かだろうけど、それなら麻愛自身が僕に連絡して合流すればいい話なようにも思える。
僕は少し不思議に感じつつも、スマホを操作すると椿からの着信に応じた。
「もしもし…… 」
「あっ、恒星? 」
「ああ、麻愛の通訳は終わったの? 」
「……それが 」
椿の声色は明らかに浮かなかった。
僕の脳裏には、何だか嫌な予感が過っていた。
◆◆◆
麻愛が倒れた。
やっぱりそういうことだったのだ……
僕は匡輔に布団敷きを託して、一階のバックヤードへと急いだ。草履のせいか、たまに絨毯で滑りそうになるので、僕は足袋を脱いで裸足で裏階段を爆走している。
彼女は外国人客とのやり取りを終えると、その場で崩れるように倒れたらしい。後悔なんて言葉では収まらないくらい、僕は久し振りに自分自身に腹を立てていた。
「失礼……します…… すみません……迷惑……掛けちゃって…… 」
息苦しさを押さえつつ、僕はフロント裏のバックヤードを開けた。まだここのドアを開けたことは数えるくらいしかなかった。
「あっ、恒星…… こっち…… 」
椿が奥の衝立から顔を覗くと、こっちこっちと手招きしていたので、僕は急ぎ足でそちらへと向かった。奥には椿ともう一人従業員の女性がいて、二人で彼女を囲むように膝をついている。
彼女は長ソファーに横になり、胸元には宿の法被が掛けられていた。額には熱冷ましのシートが貼られていて、彼女は苦しそうに全身で呼吸をしている。
「さっき、熱計ったら九度近くあって…… 」
「薬が切れたってことか…… ったく 」
「薬……? 」
「あっ、ごめん、こっちの話…… 常備薬に鎮痛剤あるかな? あと、水を多目にもらえると助かるんだけど 」
「わかった…… ちょっと待ってて 」
椿と社員の女性は救急箱の位置を確認し合うと、その場を離れた。
彼女は顔をしかめたまま、目をギュッと閉じていている。僕は彼女の額に浮かぶ汗を、ティッシュで拭った。彼女は目の辺りにも何か光るものを浮かべていたので、それもついでに押さえておく。こんなに人様に迷惑をかけていたんじゃ、後でゆっくり説教する他ない。
「……コーセー? 」
「麻愛? 気づいた…… 」
「ここは……? 」
「ここはバックヤード。椿と従業員さんが運んでくれたらしい 」
「えっ? あっ、そうだ! 私まだ仕事がっ…… 」
「ちょっ…… 」
彼女は肩肘をソファーに掛けると、上半身を起こそうとした。だけど力が入らないのか、すぐにガクリとバランスを崩す。
「ああ、もういいから! 取り敢えず寝とけって。今、椿が薬を持ってきてくれるから、それ飲んで安静にしてろ。仕事終わったら、また迎えに来るから 」
「でも…… 」
彼女は珍しく、僕に抵抗の構えを見せていた。でも、その声にはやはり力がこもっていない。
「イブプロフェン、飲んでたのか……? 」
「えっ……? 」
「さっきリネン室に、銀紙が落ちてた。麻愛のだろ……? 悪かった。気づかなくて…… 」
「……日本ではアイビュプロフェンのこと…… イブプロフェンって言うんだね…… 」
「……はっ? 」
「ううん…… 私こそ黙ってて、ごめんなさい。 」
彼女はそう言うと、またソファーに横になりゆっくりと身体を埋めた。その弱々しい彼女の姿は、見ていてとても切なく感じた。
「やっぱ布団敷くのって、地味に大変だよなー 」
「何を今さら、そんな当たり前なこと言ってんだよ 」
彼女がフロントに助っ人に行ってしまったので、椿が交代要員として匡輔を送り込んできた。
ただ正直いてもいなくても同じ、というよりむしろ余計な検閲という手間が掛かるから、一人で作業した方が効率がいいかもしれない。
「匡輔、シーツ曲がってる。ここもシワもよってるし 」
「ああ、だから俺こうゆう作業苦手なんだよな。恒星は何だかんだで几帳面だよな。俺より責任感もあるし 」
「ったく、当たり前だろ。こっちは金を貰ってんだから 」
匡輔は作務衣に無駄に襷を掛けて、やる気には満ちていたが、掃除係としてはポンコツだった。ヤツは自分が駒になるよりは、上に立って場を回す方が向いていると思う。
「早く麻愛ちゃん、帰ってこないかなー 俺、早く持ち場に戻りたいんだけど 」
「あはは。奇遇だな。僕も早く彼女に戻ってきて貰いたいよ 」
僕も匡輔の意見に同意すると、深い溜め息をついた。コイツの尻拭いをしながら部屋を回っていたら、何時間あっても終わりが来ない気がする。
「っていうかさ…… 」
「何だよ……? 」
僕は半ば投げやりに、匡輔に返事をした。
どうせ、またクダらないことを言い出すのはわかっている。そんなことよりも、今はとにかく作業に集中してもらいたかった。
「……やっぱ恒星って、麻愛ちゃんのこと、好きだよな? 」
「……はあ? 」
僕は思わず作業を止めて、匡輔の方を振り向いた。
予想を上回るブッコミ発言だった。
「何か麻愛ちゃんが下呂に来てから、出し惜しみすることなく、すげー大事にしてるじゃん 」
「……そりゃ、そうだろ。彼女はイギリスから、見ず知らずの場所の他人の家に来てるんだから 」
「……そういう意味じゃなくて 」
匡輔は頭をかき乱しながら「この無自覚優男」とか失礼千万な事を言って、溜め息をついている。何でこんな言われようをされなくてはならないのか、僕には納得がいかなかった。
「それに、どっかの誰かと違って仕事にも几帳面だからね。 ちゃんとシーツの端は、ピシッと整えるし。一緒にいると自分もしっかりしなきゃって思うよ 」
「……はぐらかしたな? 」
「何を……? 」
「佳央理ちゃん、お前が麻愛ちゃんに熱心なことに、怒ってんじゃないの? 」
「なんで、いま佳央理の名前が出てくんだよ? 」
「そりゃ…… 最近の恒星を見てたら、佳央理ちゃんが不憫だろ? 佳央理ちゃんはわざわざ下呂に残るために、独り暮らししてるんだろ。察しろよ 」
「はあ……? 何でそうなるんだ? 」
「おい、まさかそっちも自覚なしか? おまえ、ちょっと酷すぎだろ 」
酷いも、何も……
匡輔の言わんとすることの意味がわからない。それじゃまるで、佳央理が僕のことを好きみたいな言い方じゃないか。
佳央理が下呂にいるのには、複雑な事情がある。それは親類だけが知っていればいい、センシティブな内容だ。だから匡輔にそんなことを言われても、僕には困る以外の感情が沸かないのだ。
「そりゃ、佳央理は僕のことは嫌いじゃないだろ。再従兄弟だし、血が繋がってるんだから。僕だって佳央理のことは好きだよ。好きとか嫌いとか、そういう感情を抱いたことすらないわ 」
「ちょっ、そういう事じゃなくて…… 」
「……どういう答えを期待してるかは知らないけど、あんまり執拗に言うと僕も怒るからな 」
僕は無理やり話を着地させると、作業を再開した。彼女はともかく、何故佳央理の話が出てくるのかが意味がわからなかった。
ったく、こうなったらさっさと作業を終えて、この匡輔と強制密室という環境から抜け出すしかない。
僕は手元をたくしあげると、気合いを入れ直して布団に向かった。
……そのときだった。
ブーブーブーブー
僕はスマホが振動しているのを感じて、ポケットを確認した。
ディスプレイには間嶋椿の名前が出ていた。
「椿から電話だ…… 」
「えっ? あっ…… 俺のとこにも着信あったみたいだ…… 」
匡輔にも僕にも着信があるのなら、急ぎの用事か何かだろうか?
まあ、おそらく彼女の助っ人業務が終わった連絡か何かだろうけど、それなら麻愛自身が僕に連絡して合流すればいい話なようにも思える。
僕は少し不思議に感じつつも、スマホを操作すると椿からの着信に応じた。
「もしもし…… 」
「あっ、恒星? 」
「ああ、麻愛の通訳は終わったの? 」
「……それが 」
椿の声色は明らかに浮かなかった。
僕の脳裏には、何だか嫌な予感が過っていた。
◆◆◆
麻愛が倒れた。
やっぱりそういうことだったのだ……
僕は匡輔に布団敷きを託して、一階のバックヤードへと急いだ。草履のせいか、たまに絨毯で滑りそうになるので、僕は足袋を脱いで裸足で裏階段を爆走している。
彼女は外国人客とのやり取りを終えると、その場で崩れるように倒れたらしい。後悔なんて言葉では収まらないくらい、僕は久し振りに自分自身に腹を立てていた。
「失礼……します…… すみません……迷惑……掛けちゃって…… 」
息苦しさを押さえつつ、僕はフロント裏のバックヤードを開けた。まだここのドアを開けたことは数えるくらいしかなかった。
「あっ、恒星…… こっち…… 」
椿が奥の衝立から顔を覗くと、こっちこっちと手招きしていたので、僕は急ぎ足でそちらへと向かった。奥には椿ともう一人従業員の女性がいて、二人で彼女を囲むように膝をついている。
彼女は長ソファーに横になり、胸元には宿の法被が掛けられていた。額には熱冷ましのシートが貼られていて、彼女は苦しそうに全身で呼吸をしている。
「さっき、熱計ったら九度近くあって…… 」
「薬が切れたってことか…… ったく 」
「薬……? 」
「あっ、ごめん、こっちの話…… 常備薬に鎮痛剤あるかな? あと、水を多目にもらえると助かるんだけど 」
「わかった…… ちょっと待ってて 」
椿と社員の女性は救急箱の位置を確認し合うと、その場を離れた。
彼女は顔をしかめたまま、目をギュッと閉じていている。僕は彼女の額に浮かぶ汗を、ティッシュで拭った。彼女は目の辺りにも何か光るものを浮かべていたので、それもついでに押さえておく。こんなに人様に迷惑をかけていたんじゃ、後でゆっくり説教する他ない。
「……コーセー? 」
「麻愛? 気づいた…… 」
「ここは……? 」
「ここはバックヤード。椿と従業員さんが運んでくれたらしい 」
「えっ? あっ、そうだ! 私まだ仕事がっ…… 」
「ちょっ…… 」
彼女は肩肘をソファーに掛けると、上半身を起こそうとした。だけど力が入らないのか、すぐにガクリとバランスを崩す。
「ああ、もういいから! 取り敢えず寝とけって。今、椿が薬を持ってきてくれるから、それ飲んで安静にしてろ。仕事終わったら、また迎えに来るから 」
「でも…… 」
彼女は珍しく、僕に抵抗の構えを見せていた。でも、その声にはやはり力がこもっていない。
「イブプロフェン、飲んでたのか……? 」
「えっ……? 」
「さっきリネン室に、銀紙が落ちてた。麻愛のだろ……? 悪かった。気づかなくて…… 」
「……日本ではアイビュプロフェンのこと…… イブプロフェンって言うんだね…… 」
「……はっ? 」
「ううん…… 私こそ黙ってて、ごめんなさい。 」
彼女はそう言うと、またソファーに横になりゆっくりと身体を埋めた。その弱々しい彼女の姿は、見ていてとても切なく感じた。
0
あなたにおすすめの小説
靴屋の娘と三人のお兄様
こじまき
恋愛
靴屋の看板娘だったデイジーは、母親の再婚によってホークボロー伯爵令嬢になった。ホークボロー伯爵家の三兄弟、長男でいかにも堅物な軍人のアレン、次男でほとんど喋らない魔法使いのイーライ、三男でチャラい画家のカラバスはいずれ劣らぬキラッキラのイケメン揃い。平民出身のにわか伯爵令嬢とお兄様たちとのひとつ屋根の下生活。何も起こらないはずがない!?
※小説家になろうにも投稿しています。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
里帰りをしていたら離婚届が送られてきたので今から様子を見に行ってきます
結城芙由奈@コミカライズ3巻7/30発売
恋愛
<離婚届?納得いかないので今から内密に帰ります>
政略結婚で2年もの間「白い結婚」を続ける最中、妹の出産祝いで里帰りしていると突然届いた離婚届。あまりに理不尽で到底受け入れられないので内緒で帰ってみた結果・・・?
※「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる