倭国女王・日御子の波乱万丈の生涯

第１章 古代イト国女王【日輪の御子】崩御・昇天して、【日輪の女神】となる！！

〔１５〕【日輪の御子】崩御・昇天し、天上界にて【日輪の女神】となり【ヤオヨロズノ神々の頂点に君臨】す！！ ≪２≫

　　このようにして、各家の当主の希望、意見を調整したところ、【北の海】《現代の日本海》に決定したのは、１家のみで、他の１７家は、皆、【瀬戸の内海】沿海諸国となった。　


【北の海】は通常、波が荒いが嵐にさえならなければ、偏西風と黒潮の流れの相乗効果で、一気呵成に丹後半島まで、辿タドり着く。

そのことは昔から、船乗りの間では、よく知られた航海術であった。



　　一方、【瀬戸の内海】は波静かで穏やかなので、嵐や暴風雨の時は近くの海岸や島陰に一時避難すれば、良いから、素人考えでは、【北の海】より、その航海術は易しいと考えがちである。

ところが、実際には【北の海】より、【瀬戸の内海】の東西横断は勿論モチロン、南北縦断さえも、かなり難しいのである。

【瀬戸の内海】は潮の流れが急激に変化したり、逆流し、大小の渦潮（鳴門の渦潮は特に有名）があちこちで発生している。

その上、浅瀬の岩礁が至る所で多数存在しており、かなりの熟練船乗りや、地元の場数を踏んだ漁師でなければ、かなり難しいと云われる所以ユエンである。



　　女王は、自ら【予知】した暴風雨や嵐と、出発時期との兼ね合いや、熟練船乗りの適材適所への配置を、くれぐれも、キヨヒコやタケルヒコに、念を押して、指示を出した。