倭国女王・日御子の波乱万丈の生涯

第８章 【ミカ姫】は【日輪の女神】の長女の玄孫（孫の孫）のミアンカ王太女の嫡女！！

〔９９〕タニハ王家【レイカ大御所】の涙と思惑

　　【タニハ王家】の【御神鏡】が掲げられている【祭壇】のある【御所】には百余人の巫女が３交代で、常時詰めていた。


さりながら、【大御所】は、数年前から【御神鏡】の重要性を再認識し、それまで行っていた地方の視察を巫女頭に任せ、ほとんど毎日、【御所】に詰めていた。


この日も、【大御所】なりの【霊能力】で、本家から何やら重大な知らせが届くと、【予知】した上での【御所待機】であった！


「【大御所】！｣
「孫のサヤカにござりまする。｣
「御無沙汰しておりまする。｣


「オゥ！サヤカであるか？｣
「して、本家から、わざわざ何用ぞ！？」


「実は、大変な凶報と吉報とをお知らせしたく存じまする。」


「御託を並べず、早よ申せ！」
「凶報とは何じゃ？」


「【ミアンカの姉上】が亡くなった由ヨシにござりまする。」


「ウッ！！・・・・・・」

【大御所】は余りの驚きと失望で息が詰まって、言葉を失った！

「・・・この、老いぼれの婆ババより先に逝くとは！！」
「・・・仮に、この婆ババの命を差し出して、あの子が蘇ヨミガエるものならば、喜んで、自ら【黄泉の国】に逝くものを！！」
「是非もなし！！」
「して、今一つの【吉報】とは何じゃ！？」


「はい！」
「姉夫婦は、大嵐による船の転覆事故で、帰らぬ人となりましたが、【御二人の一粒種の娘】が不幸中の幸いで、助かりました由にござりまする！！｣


「ナ・何と！！｣
「それは、でかした！！｣
「流石サスガは、この婆ババの【孫娘】じゃ！！｣
「己オノレの死に際に、自らの【分身】をよくぞ残した！！｣
「先程は、息が詰まって死にそうじゃったが、その悲嘆の涙が嬉し涙となり、今や、生き返った心地ぞ！」