倭国女王・日御子の波乱万丈の生涯

第１０章 【青龍の牙】の凄まじいまでの破壊力

〔１１４〕【青龍の牙】弓箭連隊１２００≪２≫

　　一方、ハヤテは埃港エノミナトの沖合に停泊中の軍船から【青龍の牙】弓箭連隊１２００及び、密偵・間諜部隊１００を密かに呼び出していた。


この当時、ツモ国軍の弓矢は全軍【半弓】（全長百～百数十cmの竹叉は木製）であり、鏃ヤジリは、というと、骨・石・青銅製であり、鉄製鏃ヤジリは１割程だと云われている。


対して【青龍の牙】は全員が【長弓】（全長二百～二百数十cmの竹・木の合板製）を持参していた。

鉄製鏃ヤジリの矢も、来るべき【畿内の大戦争】に備えて、用意した十万本の矢の内、三万本を【アキ王家の館】に運び込んだ！

長弓の矢と半弓の矢との大きな違いは、その飛距離と貫通力にある。



　　謀叛を起こしたハリム丞相は、『彼らは国王の見舞いに来たのであって、まさか、戦争の準備はして来てなかろう！』と当初は目論んでいた。

【ツモ国】との同盟で、【アキ国滅亡】後の、自らの待遇増を期待して、皆殺しをすべく、【鷹の爪】に急襲させた・・・。

しかるに、想定外の【御神剣】の逆撃にあい、土下座をすれば、後の言い訳は何とでも、なるだろうと、彼らが見舞いから、帰国するまで見過ごすつもりであった。