倭国女王・日御子の波乱万丈の生涯

第２７章 【日御子】が病床に臥している間、【叛乱軍】に【王都】制圧さる！！

〔４０７〕毒草を燃やし、意識が混濁して、深い眠りに落ちた頃を見計らって、忍び込み、【心の臓】が刺し貫かれていた！

　　剣の修行に励み、何十年も猛稽古を重ねた 【剣の達人】は眠っていても、【殺気】が近付くと、目覚めると云われている。

この【スミダヒコ暗殺犯】は、【殺気】の近付く気配でも、目覚めないよう、あらかじめ、【寝所】近くで、毒草を燃やした。

毒草を燃やした煙だけでは、そう簡単に人間が死ぬ訳ではないが、一時的に意識不明の状態に陥る。

そして、倒れた警護兵の胸を刺し殺した後、寝所に入り、意識が半濁して深い眠りに陥った【スミダヒコ王】の【心の臓】を剣で刺し貫いたのではないか！？



　　この時点では【纒向の王家の館】内部を知り尽くした者、つまり、敵国【クヌ国】等外部の者の犯行とは考えられず、官吏や女官による【国王弑逆シイギャク】としか考えられなかった。

それ故に、徹底した内部調査が図られ、官吏１名と女官１名の失踪が明らかとなった！

共に、半年前に採用された者達であった。



　　【王都・纒向地区】から【ヤマト国】主体の４０００という兵力が、強敵を迎え討つために出兵して行った隙をついて、警護の油断もあっただろうが、【倭国丞相】にして【ヤマト国・国王】が暗殺されようとは、まさに、想定外であったろう。

さらに、その翌日早朝、悪夢は続いて現実に突発したのである。