39 / 66
第4章 秘められしもの
38. 魔封保全者《シープエンサー》 (レイ)
しおりを挟む
「そう、お前の愛しいユーリくんの情報を持ってきたのさ。お前が気になって気になって仕方がない様子だったからな。これでもなるべく早くに調べた方だぞ」
「ありがとう、リオネル。すまない、俺個人のことで無理をさせてしまったようだな」
俺は素直に頭を下げ、改めてリオネルに感謝を伝える。
「まったくだ。国中を探しても王太子である俺を調べ物に使うなんてお前くらいのものだぞ?」
リオネルは楽しそうな表情で俺を見ながら話を続ける。
「フフッ。まぁ、滅多に俺を頼らない親友からの頼みとあらば動かないという選択肢はないがな・・・。とはいえ、今回は俺が調べられる範囲の内容だから、父上ともまだ話が出来ていないし、これ以上になると少し時間が必要だ」
「あぁ、ありがとう。わかる範囲でも構わない。ほんの些細なことでもユーリに関わることは知っておきたいんだ」
俺は脳裏に柔らかく微笑むユーリの姿を思い浮かべる。
「おっと、いきなり惚気か?普段はクールな男が恋をするとこうなるのか。フムフム、なるほど、なるほど?」
ユーリのことを考えていた俺が無意識に相好を崩すのを見て、クククッとリオネルは肩を震わせている。
「茶化すな!・・・とにかく話を聞かせてくれ」
そう言って俺は居た堪れずに、リオネルから視線を外す。普段からリオネルの揶揄いに慣れている俺とはいえ、ユーリの事となるとどうもいつもの調子が出ない。そんな俺を見て、リオネルはいつも以上に楽しそうだ。
「アハハハッ。すまん、すまん。うん・・・・・。では単刀直入に言う。ユーリィ・ブランシュはこの国において【魔封保全者】に登録されている。・・・今現在も、な」
「っ!?」
俺は最後の言葉にすぐさま反応する。
(今現在も・・・だと?)
「しかも、どうやら極秘扱いで本人にも通知はせず、知っているのは王宮内でも極一部のものだけのようだ。誰がいつどうしてそのような措置をしたかは今のところわからないが、この極秘扱いについてはここ最近の話ではなく、彼がまだ魔術学園在学初期の頃からずっと行われてきた事らしい。残念ながら、俺が見た資料にはそれ以上の詳しい事は書かれていなかった」
リオネルはそこまでを一気に話をして、俺を気遣わしげな表情で見つめる。俺はというと、たった今もたらされた情報を頭の中で反芻していた。
【魔封保全者】とは、何らかの理由で魔力を封印している者を表す。
封印というと、とても大層な事に聞こえるが、多くはまだ魔力制御の未熟な幼い頃に、その者自身が強すぎる魔力を暴走させないよう、ある程度の魔力を特殊な魔道具に封じ込め、成長とともに解放できるようにするもので、強い魔力を持って生まれやすい貴族の間ではよくある措置でもある。
特に王宮に仕える魔導士にとってそれ程驚くものではないのだが、その封印した魔力を他の者に悪用されないようにする為、必ず魔力を封印する際は王宮に登録をし、そこで一人一人にあう特殊な魔道具をもらいそこに魔力を封印するのが常である。
そうして、自分たちにあった魔道具を常に身につけておき、封印を解除する際は王宮にてその魔道具と対になる魔道具を使って行う。
解除後は【魔封保全者】登録からその者の名前がリストから削除されるというのが、一般的な流れなのだが・・・。
(変だ・・・)
まず俺が疑問に思ったのは、【魔封保全者】が持つべき魔道具をユーリが所持していないというのが一つ。魔道具は常に身につけていなければならない為、ピアスやネックレス、腕輪や指輪などの形で対象者たちは身につけているのだが、今までユーリと共にいて彼がそのような魔道具を身につけている姿を見たことがない。
もちろん、服の下や全てをチェックしたわけではないので一概に魔道具を身につけていないとは言えないが、リオネルが話してくれた極秘事項、それも本人にもわからないように【魔封保全者】に登録する、などという行為は前代未聞だ。誰がいったいどのようにして、そのような措置を取ったのか?
そして何より最大の疑問は、王宮専属魔導士になった現在もその措置が進行中だということだ。
曲がりなりにも、王宮に仕える魔導士。力のコントロールや技術力は一般的に魔法を扱える者より断然高い。なので王宮専属魔導士に選ばれた者で、【魔封保全者】のリストに載っているものはいない。【魔封保全者】だった者も、王宮専属魔導士になる前に皆、封印を解除してリストから外れるからだ。
(・・・なのに、ユーリはいまだ【魔封保全者】として登録されている。・・・・・・やはり、ユーリが王宮専属魔導士に選ばれたのには何者かの思惑があってのことなのか?)
俺は目を閉じ、一人の人物を思い描く。おそらく俺の予想が正しければ、マティス副団長、彼がキーパーソンの一人であるのは間違いないだろう。
彼はいったいユーリの何を知って、何を隠しているのか・・・?
そしてこの国は、ユーリを極秘扱いにしてどうするつもりなのか?
今どれだけ考えようが、答えが出ないとわかっていながらもモヤモヤする感情を抑えることが難しい。
「レイン」
「ッ!?」
自然と眉間に皺が寄っていたようで、リオネルの声でハッと我に帰る。
「俺もこのような措置を聞いたのは初めてで、まだ全てを把握できていない。一度時間がある際に父上にそれとなく聞いてみよう。だからレイン、そんな顔をするな」
リオネルは、正面から力強い目で俺を見て、俺を安心させるように言葉を発する。
「リオネル・・・」
「そんな顔をしていると・・・。見た目早く老けるぞ」
「なっ!?」
俺の反応で、クククッとまた楽しそうに肩を揺らす友人を唖然と見て、俺は徐々に肩の力を抜く。小さく息を吐き、モヤモヤしていた気持ちが少し緩和された。リオネルは、本当にその場の空気というものを変えることに長けている。
「フフッ。本当にお前は愛しいユーリくんのことになると、普段の仕事ぶりからは想像できん変貌ぶりだな。今のお前の姿を騎士団の奴らに是非見せてやりたい」
「俺はもともとこうだ。お前はよく知っているだろう」
「いやいや、今のお前はさらに新鮮だぞ。ますます愛しいユーリくんに会いたくなるじゃないか」
「おい、さっきからその愛しいユーリくんというのは・・・」
コン、コン。
俺のせいで重かった空気をリオネルが切り替え、二人でいつものように戯れていたところ、不意に扉を叩く音が部屋の中に響いてきた。
「ありがとう、リオネル。すまない、俺個人のことで無理をさせてしまったようだな」
俺は素直に頭を下げ、改めてリオネルに感謝を伝える。
「まったくだ。国中を探しても王太子である俺を調べ物に使うなんてお前くらいのものだぞ?」
リオネルは楽しそうな表情で俺を見ながら話を続ける。
「フフッ。まぁ、滅多に俺を頼らない親友からの頼みとあらば動かないという選択肢はないがな・・・。とはいえ、今回は俺が調べられる範囲の内容だから、父上ともまだ話が出来ていないし、これ以上になると少し時間が必要だ」
「あぁ、ありがとう。わかる範囲でも構わない。ほんの些細なことでもユーリに関わることは知っておきたいんだ」
俺は脳裏に柔らかく微笑むユーリの姿を思い浮かべる。
「おっと、いきなり惚気か?普段はクールな男が恋をするとこうなるのか。フムフム、なるほど、なるほど?」
ユーリのことを考えていた俺が無意識に相好を崩すのを見て、クククッとリオネルは肩を震わせている。
「茶化すな!・・・とにかく話を聞かせてくれ」
そう言って俺は居た堪れずに、リオネルから視線を外す。普段からリオネルの揶揄いに慣れている俺とはいえ、ユーリの事となるとどうもいつもの調子が出ない。そんな俺を見て、リオネルはいつも以上に楽しそうだ。
「アハハハッ。すまん、すまん。うん・・・・・。では単刀直入に言う。ユーリィ・ブランシュはこの国において【魔封保全者】に登録されている。・・・今現在も、な」
「っ!?」
俺は最後の言葉にすぐさま反応する。
(今現在も・・・だと?)
「しかも、どうやら極秘扱いで本人にも通知はせず、知っているのは王宮内でも極一部のものだけのようだ。誰がいつどうしてそのような措置をしたかは今のところわからないが、この極秘扱いについてはここ最近の話ではなく、彼がまだ魔術学園在学初期の頃からずっと行われてきた事らしい。残念ながら、俺が見た資料にはそれ以上の詳しい事は書かれていなかった」
リオネルはそこまでを一気に話をして、俺を気遣わしげな表情で見つめる。俺はというと、たった今もたらされた情報を頭の中で反芻していた。
【魔封保全者】とは、何らかの理由で魔力を封印している者を表す。
封印というと、とても大層な事に聞こえるが、多くはまだ魔力制御の未熟な幼い頃に、その者自身が強すぎる魔力を暴走させないよう、ある程度の魔力を特殊な魔道具に封じ込め、成長とともに解放できるようにするもので、強い魔力を持って生まれやすい貴族の間ではよくある措置でもある。
特に王宮に仕える魔導士にとってそれ程驚くものではないのだが、その封印した魔力を他の者に悪用されないようにする為、必ず魔力を封印する際は王宮に登録をし、そこで一人一人にあう特殊な魔道具をもらいそこに魔力を封印するのが常である。
そうして、自分たちにあった魔道具を常に身につけておき、封印を解除する際は王宮にてその魔道具と対になる魔道具を使って行う。
解除後は【魔封保全者】登録からその者の名前がリストから削除されるというのが、一般的な流れなのだが・・・。
(変だ・・・)
まず俺が疑問に思ったのは、【魔封保全者】が持つべき魔道具をユーリが所持していないというのが一つ。魔道具は常に身につけていなければならない為、ピアスやネックレス、腕輪や指輪などの形で対象者たちは身につけているのだが、今までユーリと共にいて彼がそのような魔道具を身につけている姿を見たことがない。
もちろん、服の下や全てをチェックしたわけではないので一概に魔道具を身につけていないとは言えないが、リオネルが話してくれた極秘事項、それも本人にもわからないように【魔封保全者】に登録する、などという行為は前代未聞だ。誰がいったいどのようにして、そのような措置を取ったのか?
そして何より最大の疑問は、王宮専属魔導士になった現在もその措置が進行中だということだ。
曲がりなりにも、王宮に仕える魔導士。力のコントロールや技術力は一般的に魔法を扱える者より断然高い。なので王宮専属魔導士に選ばれた者で、【魔封保全者】のリストに載っているものはいない。【魔封保全者】だった者も、王宮専属魔導士になる前に皆、封印を解除してリストから外れるからだ。
(・・・なのに、ユーリはいまだ【魔封保全者】として登録されている。・・・・・・やはり、ユーリが王宮専属魔導士に選ばれたのには何者かの思惑があってのことなのか?)
俺は目を閉じ、一人の人物を思い描く。おそらく俺の予想が正しければ、マティス副団長、彼がキーパーソンの一人であるのは間違いないだろう。
彼はいったいユーリの何を知って、何を隠しているのか・・・?
そしてこの国は、ユーリを極秘扱いにしてどうするつもりなのか?
今どれだけ考えようが、答えが出ないとわかっていながらもモヤモヤする感情を抑えることが難しい。
「レイン」
「ッ!?」
自然と眉間に皺が寄っていたようで、リオネルの声でハッと我に帰る。
「俺もこのような措置を聞いたのは初めてで、まだ全てを把握できていない。一度時間がある際に父上にそれとなく聞いてみよう。だからレイン、そんな顔をするな」
リオネルは、正面から力強い目で俺を見て、俺を安心させるように言葉を発する。
「リオネル・・・」
「そんな顔をしていると・・・。見た目早く老けるぞ」
「なっ!?」
俺の反応で、クククッとまた楽しそうに肩を揺らす友人を唖然と見て、俺は徐々に肩の力を抜く。小さく息を吐き、モヤモヤしていた気持ちが少し緩和された。リオネルは、本当にその場の空気というものを変えることに長けている。
「フフッ。本当にお前は愛しいユーリくんのことになると、普段の仕事ぶりからは想像できん変貌ぶりだな。今のお前の姿を騎士団の奴らに是非見せてやりたい」
「俺はもともとこうだ。お前はよく知っているだろう」
「いやいや、今のお前はさらに新鮮だぞ。ますます愛しいユーリくんに会いたくなるじゃないか」
「おい、さっきからその愛しいユーリくんというのは・・・」
コン、コン。
俺のせいで重かった空気をリオネルが切り替え、二人でいつものように戯れていたところ、不意に扉を叩く音が部屋の中に響いてきた。
0
あなたにおすすめの小説
鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる
結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。
冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。
憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。
誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。
鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。
悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?
* ゆるゆ
BL
王太子から伴侶(予定)契約を破棄された瞬間、前世の記憶がよみがえって、悪役令息だと気づいたよ! しかし気づいたのが終了した後な件について。
悪役令息で断罪なんて絶対だめだ! 泣いちゃう!
せっかく前世を思い出したんだから、これからは心を入れ替えて、真面目にがんばっていこう! と思ったんだけど……あれ? 皆やさしい? 主人公はあっちだよー?
ご感想欄 、うれしくてすぐ承認を押してしまい(笑)ネタバレ 配慮できないので、ご覧になる時は、お気をつけください!
ユィリと皆の動画つくりました! お話にあわせて、ちょこちょこあがる予定です。
インスタ @yuruyu0 絵もあがります
Youtube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます
プロフのWebサイトから、両方に飛べるので、もしよかったら!
名前が * ゆるゆ になりましたー!
中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!
【完結】愛されたかった僕の人生
Kanade
BL
✯オメガバース
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。
今日も《夫》は帰らない。
《夫》には僕以外の『番』がいる。
ねぇ、どうしてなの?
一目惚れだって言ったじゃない。
愛してるって言ってくれたじゃないか。
ねぇ、僕はもう要らないの…?
独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
巻き戻りした悪役令息は最愛の人から離れて生きていく
藍沢真啓/庚あき
BL
11月にアンダルシュノベルズ様から出版されます!
婚約者ユリウスから断罪をされたアリステルは、ボロボロになった状態で廃教会で命を終えた……はずだった。
目覚めた時はユリウスと婚約したばかりの頃で、それならばとアリステルは自らユリウスと距離を置くことに決める。だが、なぜかユリウスはアリステルに構うようになり……
巻き戻りから人生をやり直す悪役令息の物語。
【感想のお返事について】
感想をくださりありがとうございます。
執筆を最優先させていただきますので、お返事についてはご容赦願います。
大切に読ませていただいてます。執筆の活力になっていますので、今後も感想いただければ幸いです。
他サイトでも公開中
僕はただの妖精だから執着しないで
ふわりんしず。
BL
BLゲームの世界に迷い込んだ桜
役割は…ストーリーにもあまり出てこないただの妖精。主人公、攻略対象者の恋をこっそり応援するはずが…気付いたら皆に執着されてました。
お願いそっとしてて下さい。
♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎
多分短編予定
希少なΩだと隠して生きてきた薬師は、視察に来た冷徹なα騎士団長に一瞬で見抜かれ「お前は俺の番だ」と帝都に連れ去られてしまう
水凪しおん
BL
「君は、今日から俺のものだ」
辺境の村で薬師として静かに暮らす青年カイリ。彼には誰にも言えない秘密があった。それは希少なΩ(オメガ)でありながら、その性を偽りβ(ベータ)として生きていること。
ある日、村を訪れたのは『帝国の氷盾』と畏れられる冷徹な騎士団総長、リアム。彼は最上級のα(アルファ)であり、カイリが必死に隠してきたΩの資質をいとも簡単に見抜いてしまう。
「お前のその特異な力を、帝国のために使え」
強引に帝都へ連れ去られ、リアムの屋敷で“偽りの主従関係”を結ぶことになったカイリ。冷たい命令とは裏腹に、リアムが時折見せる不器用な優しさと孤独を秘めた瞳に、カイリの心は次第に揺らいでいく。
しかし、カイリの持つ特別なフェロモンは帝国の覇権を揺るがす甘美な毒。やがて二人は、宮廷を渦巻く巨大な陰謀に巻き込まれていく――。
運命の番(つがい)に抗う不遇のΩと、愛を知らない最強α騎士。
偽りの関係から始まる、甘く切ない身分差ファンタジー・ラブ!
【完結済】あの日、王子の隣を去った俺は、いまもあなたを想っている
キノア9g
BL
かつて、誰よりも大切だった人と別れた――それが、すべての始まりだった。
今はただ、冒険者として任務をこなす日々。けれどある日、思いがけず「彼」と再び顔を合わせることになる。
魔法と剣が支配するリオセルト大陸。
平和を取り戻しつつあるこの世界で、心に火種を抱えたふたりが、交差する。
過去を捨てたはずの男と、捨てきれなかった男。
すれ違った時間の中に、まだ消えていない想いがある。
――これは、「終わったはずの恋」に、もう一度立ち向かう物語。
切なくも温かい、“再会”から始まるファンタジーBL。
全8話
お題『復縁/元恋人と3年後に再会/主人公は冒険者/身を引いた形』設定担当AI /c
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる