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小さな幸せ
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坂上さんが休みの日に私とすれ違ったと言ってきた。
「萩花ちゃん!そういえば、こないだ見かけたよ!」
「え?!どこでですか?!」
変な格好してなかったかな?!
「渋谷ですれ違ってさ」
「えー声かけてくださいよー!てかよく分かりましたね」
「うん、声で分かった!可愛かった」
「……」
「友達といたの?」
「はい。こ、声かけてくれれば良かったのにー」
「え!もしかして声かけたらそのままデート行けた?!」
「そうですね!全然!」
「うわーまじか!」
咄嗟にあんなこと言ってしまった。デート、本当にしたいと思ってくれてたのかな。いや、またからかってるだけだよね。
「じゃあ、今度休みの日、デートだね」
え?本気?それとも冗談?もうわかんないー!!
それから会うたびに坂上さんは、いつ遊びに行こうかと言ってくる。
でも、その割にはちゃんと休みを聞いてくれない。やっぱりからかってるだけじゃんと思った。だから私も積極的に約束しようとはしなかった。ちなみにLINEも交換していない。
そんなある日、坂上さんが派遣ではなく、直で私の会社にアルバイトではあるけれど、入ることになった。
それからは前よりも会う機会が増え、話すことも多くなった。
「萩花ちゃん、そういえばLINE教えてよ」
「い、良いですよ、後で」
「お!ほんと!ありがと!じゃあ後で!」
やっとLINEを聞いてくれた。でも、今携帯持っていたのに、なぜか後でとか言ってしまった。ほんと私ってバカ。
坂上さんの言葉を信じて期待してた私だけれど、結局その日はLINEを交換しなかった。また、からかわれたのか。
それから数日、普通に話はするけれど、遊びの話などはしなくなった。
そんなある日、また唐突に坂上さんが聞いてきた。
「そうだ、この前できなかったからLINE交換しよ?」
「……は、はい」
今回は、その場で交換することにした。からかわれて腹が立っていたのに、坂上さんから言われたらあっさりOKしてしまった私。ほんと単純だな。
「よし、じゃあ空いてる日連絡するわ」
「は、はい。お願いしまーす」
またそうやって私の心をかき乱す。どうせ連絡してこないくせに。
案の定、あれからLINEで連絡してくることはなく、職場では普通に会話をしているだけ。
そういうなんとも言えない日々が数ヶ月続き、坂上さんが他の会社で正社員として働くことが決まったようで、辞めるということを聞いた。
「や、辞めるんですか?」
「うん。せっかくお世話になったんだけど、そろそろきちんと正社員として働かないとなーって思ってさ」
「そう、なんですね」
「寂しい?笑」
なんとなくからかった表情で私に言ってきた。私は間髪入れずに答えた。
「寂しいですよ!」
「あ、ほ、ほんと?」
「はい」
「そっかー」
坂上さんは珍しく、いつものチャラい感じの言葉を言ってこない。
「俺もここではお世話になったからずっといたいはいたいんだけどさ、お金がね、やっぱり」
「そうですよね」
「ずっと遊ぼう遊ぼう言って、行けてなかったね。辞めるまでには一回行きたいね」
「行きたいです。いつにします?」
私は、少し焦ったのか、前のめりになった。
「じゃあ、この日は?」
「大丈夫です!仕事終わったら連絡します」
「分かった」
やっと日にちを決められた。ここに辿り着くまでにどれだけ時間がかかったんだろう。でもまあ、約束できて良かった。
「萩花ちゃん!そういえば、こないだ見かけたよ!」
「え?!どこでですか?!」
変な格好してなかったかな?!
「渋谷ですれ違ってさ」
「えー声かけてくださいよー!てかよく分かりましたね」
「うん、声で分かった!可愛かった」
「……」
「友達といたの?」
「はい。こ、声かけてくれれば良かったのにー」
「え!もしかして声かけたらそのままデート行けた?!」
「そうですね!全然!」
「うわーまじか!」
咄嗟にあんなこと言ってしまった。デート、本当にしたいと思ってくれてたのかな。いや、またからかってるだけだよね。
「じゃあ、今度休みの日、デートだね」
え?本気?それとも冗談?もうわかんないー!!
それから会うたびに坂上さんは、いつ遊びに行こうかと言ってくる。
でも、その割にはちゃんと休みを聞いてくれない。やっぱりからかってるだけじゃんと思った。だから私も積極的に約束しようとはしなかった。ちなみにLINEも交換していない。
そんなある日、坂上さんが派遣ではなく、直で私の会社にアルバイトではあるけれど、入ることになった。
それからは前よりも会う機会が増え、話すことも多くなった。
「萩花ちゃん、そういえばLINE教えてよ」
「い、良いですよ、後で」
「お!ほんと!ありがと!じゃあ後で!」
やっとLINEを聞いてくれた。でも、今携帯持っていたのに、なぜか後でとか言ってしまった。ほんと私ってバカ。
坂上さんの言葉を信じて期待してた私だけれど、結局その日はLINEを交換しなかった。また、からかわれたのか。
それから数日、普通に話はするけれど、遊びの話などはしなくなった。
そんなある日、また唐突に坂上さんが聞いてきた。
「そうだ、この前できなかったからLINE交換しよ?」
「……は、はい」
今回は、その場で交換することにした。からかわれて腹が立っていたのに、坂上さんから言われたらあっさりOKしてしまった私。ほんと単純だな。
「よし、じゃあ空いてる日連絡するわ」
「は、はい。お願いしまーす」
またそうやって私の心をかき乱す。どうせ連絡してこないくせに。
案の定、あれからLINEで連絡してくることはなく、職場では普通に会話をしているだけ。
そういうなんとも言えない日々が数ヶ月続き、坂上さんが他の会社で正社員として働くことが決まったようで、辞めるということを聞いた。
「や、辞めるんですか?」
「うん。せっかくお世話になったんだけど、そろそろきちんと正社員として働かないとなーって思ってさ」
「そう、なんですね」
「寂しい?笑」
なんとなくからかった表情で私に言ってきた。私は間髪入れずに答えた。
「寂しいですよ!」
「あ、ほ、ほんと?」
「はい」
「そっかー」
坂上さんは珍しく、いつものチャラい感じの言葉を言ってこない。
「俺もここではお世話になったからずっといたいはいたいんだけどさ、お金がね、やっぱり」
「そうですよね」
「ずっと遊ぼう遊ぼう言って、行けてなかったね。辞めるまでには一回行きたいね」
「行きたいです。いつにします?」
私は、少し焦ったのか、前のめりになった。
「じゃあ、この日は?」
「大丈夫です!仕事終わったら連絡します」
「分かった」
やっと日にちを決められた。ここに辿り着くまでにどれだけ時間がかかったんだろう。でもまあ、約束できて良かった。
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