恋は突然やってくる〜惚れやすい女の恋は忙しい〜

晴屋想華

文字の大きさ
3 / 4

最初で最後のデート

しおりを挟む
 今日は坂上さんとご飯に行くことになっている。
 仕事が終わり次第連絡し、坂上さんの車で行くことになっている。

 早く終わらせたかったけど、結局なかなか終わらず、坂上さんを予定より1時間半も長く待たせてしまった。すみません。

「すみません!お待たせしました」
「全然良いよー!」
「でも坂上さん仕事終わってからずっとここにいたんですか?」
「まあね。でもお風呂入りに行ったりしてたし、そんなでもなかったよ」
「ありがとうございます」
「よし、じゃあ行こうか」
「はい!お願いします」

 初めて坂上さんの車に乗れたこと、そして私を長い時間待っていてくれたことが、なんだか嬉しかった。

「いやーお腹すいたね」
「そうですね」
「よし、着いた着いた」

 レストランに到着し、私たちはお店に入る。たわいもない会話をしながら、楽しく時を過ごし、結構長くお店にお邪魔していた為、そろそろ一旦出ようかという話になった。

「美味かったー!ビックカメラ行っていい?」
「い、良いですよ」
「充電器欲しくてさ~」
「そうなんですね」

 もう少し坂上さんと一緒にいれると思うと、正直嬉しかった。
 ビックカメラに到着し、充電器を探した。速攻でものは決まった。それからお店の中の家電を2人で見て回った。なんだか、同棲カップルみたいでちょっと恥ずかしい。こんなことを考えているのはたぶん、私だけ。それが少しだけ虚しい。

「うわー、いいなー。こういうの家に欲しい~」
「あったら便利ですね」
「だよねー!てか、なんかこうして家電とか見てると、俺らカップルみたいだね」
「あ、あははははっ」
「そんな引かないでよ!冗談だよ冗談!」
「分かってますよ!」
「あ、あれ?なんで怒ってんの?!」

 期待した私が馬鹿だった。ほんと、調子の良い人っ。

「そろそろ帰るか~」
「そうですね」

 何はともあれ、坂上さんとご飯と買い物に行けて私は満足。そろそろお別れか。

「今日はありがとね萩花ちゃん!楽しかった!また遊ぼうねっ」
「はい、ありがとうございました!おやすみなさい」
「おやすみー!」

 坂上さんは、私の家まで送ってくれて、帰っていった。
 短い時間ではあったけれど楽しかったし、良い思い出になった。
 
 私は、思った。坂上さんはまた遊ぼうと言ってくれていたけれど、今回のデートが最初で最後な気がしていた。

 その予感は的中して、坂上さんは、仕事を辞めてから連絡してくることはなかった。
 分かっていたけれど、やっぱり少し寂しい気持ちになった。



しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

降っても晴れても

凛子
恋愛
もう、限界なんです……

秘事

詩織
恋愛
妻が何か隠し事をしている感じがし、調べるようになった。 そしてその結果は...

【完結】シュゼットのはなし

ここ
恋愛
子猫(獣人)のシュゼットは王子を守るため、かわりに竜の呪いを受けた。 顔に大きな傷ができてしまう。 当然責任をとって妃のひとりになるはずだったのだが‥。

還暦の性 若い彼との恋愛模様

MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。 そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。 その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。 全7話

嘘をつく唇に優しいキスを

松本ユミ
恋愛
いつだって私は本音を隠して嘘をつくーーー。 桜井麻里奈は優しい同期の新庄湊に恋をした。 だけど、湊には学生時代から付き合っている彼女がいることを知りショックを受ける。 麻里奈はこの恋心が叶わないなら自分の気持ちに嘘をつくからせめて同期として隣で笑い合うことだけは許してほしいと密かに思っていた。 そんなある日、湊が『結婚する』という話を聞いてしまい……。

あなたのことを忘れない日はなかった。

仏白目
恋愛
ノウス子爵家には2人の娘がいる しっかり者の20歳の長女サエラが入婿をとり子爵家を継いだ、 相手はトーリー伯爵家の三男、ウィルテル20歳 学園では同級生だつた とはいえ恋愛結婚ではなく、立派な政略結婚お互いに恋心はまだ存在していないが、お互いに夫婦として仲良くやって行けると思っていた。 結婚するまでは・・・ ノウス子爵家で一緒に生活する様になると ウィルテルはサエラの妹のリリアンに気があるようで・・・ *作者ご都合主義の世界観でのフィクションでございます。

一途な恋

凛子
恋愛
貴方だけ見つめてる……

壊れていく音を聞きながら

夢窓(ゆめまど)
恋愛
結婚してまだ一か月。 妻の留守中、夫婦の家に突然やってきた母と姉と姪 何気ない日常のひと幕が、 思いもよらない“ひび”を生んでいく。 母と嫁、そしてその狭間で揺れる息子。 誰も気づきがないまま、 家族のかたちが静かに崩れていく――。 壊れていく音を聞きながら、 それでも誰かを思うことはできるのか。

処理中です...