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大切な恋にしたい
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今日は、待ちに待った達也さんとデートの日。昨日はなんだかんだギリギリまで準備しちゃって、少し寝不足気味。だから肌が微妙だけど、一応納得のいくデートコーデにはなった。美波に選んでもらったアクセサリーも御守りだと思ってつけてきたし、きっと大丈夫!私なりに精一杯準備して、達也さんに好きになってもらえるように努力はした。あとは、達也さんが私を受け入れてくれるかどうか。受け入れてもらえるように、全力は尽くす!
「おはよー、緑ちゃん」
「おはようございます!」
「いやーちょっとだけ暑いねー」
「そうですね!」
「てか、その服めっちゃ可愛いね」
「え、ほんとですか?あ、ありがとうございます」
「よし、じゃあ今日は思いっきり遊ぼ!」
「はい!」
私たちは、水族館にやって来た。私も達也さんも小学生ぶりで、テンションが上がり、全エリアを周り、さらに少し遠い場所にあるイルカのショーも見に行った。そして、さらに離れた小さい遊園地があり、少しだけ乗り物にも乗った。結構歩きっぱなしだったため、履き慣れていないヒールを履いてきた私は、靴擦れをしてしまった。ほんと、ダメダメだ。少しでも大人っぽく見せたいと思って、スニーカーじゃなくてヒールなんて履くから達也さんに迷惑がかかる。
達也さんは、私のために遊園地のスタッフさんから絆創膏をもらいに行ってくれている。なので、私は今ベンチで座っている。なんとも情けない。こんなんじゃ、達也さんに嫌われちゃう。
「ねえねえ君、一人?」
「え、いや」
「一人だったらさ、俺たちと回らない?色々奢るからさ~」
本当に最悪だ。変な男たちに絡まれて、腕を掴まれてしまった。そのまま勢いよく引っ張られそうになった。
「や、やめてください!離して!」
「良いじゃん、一緒にいこーよ!いって!」
「おい、俺のものに手出してんじゃねーよ」
「な、連れがいんなら早く言えよな!」
男たちはびびって去っていった。あんな怖い顔した達也さん初めて見た。
「大丈夫だった?怪我とかしてない?」
「だ、大丈夫です!ありがとうございます!」
「良かったー。あー焦ったー。ごめんね、俺のもんとか言って」
「全然!」
うー恥ずかしすぎて、「逆に嬉しかったです」とかあざといこと言えないー。こういうところだな、私の悪いところは。
「靴擦れは大丈夫?今絆創膏貼るから、足出してもらっても良いかな?」
「そんな、貼ってもらうの申し訳ないですし、自分で貼ります」
「俺が貼りたいから貼らせて?」
「あ、ありがとうございます。お願いします……」
もー、本当にずるい。王子様すぎる。もう、幸せ。
「よし、貼れた」
「ありがとうございます!」
「歩けそう?」
「はい!だいぶ良くなりました」
「そっか。じゃあ、今日は夜ご飯食べて、帰ろっか」
「は、はい……」
今日もやっぱり手出さないのかな。やっぱり私って女として見られてないのかな。ま、元カノの妹だし、普通の人なら女として見ないよね。
「ここのレストラン美味しいんだー!緑ちゃんを連れてこれて良かったー」
「すっごく美味しいです。今日は本当にありがとうございました!めちゃくちゃ楽しかったです!」
「ほんとー?良かったー。というか、お礼を言いたいのは俺の方だよ。鳳蝶と別れて、正直、立ち直れる気がしなかったんだ。でも、緑ちゃんのおかげで元気に過ごせてる。本当にありがとう」
「いえ、そんな、とんでもないです」
実際のところ、達也さんは私のことどう思っているのかは分からないけど、こうして一緒にいられるだけで、幸せだなって思える。またデートできたら良いな。
「よし、じゃあ今日は夜遅いし、帰ろっか」
「達也さん、私って、女の子としての魅力低いですかね?」
「え、緑ちゃん、急にどうしたの?」
「あ、すみません、変なこと聞いて」
やばい、変なことを聞いてしまった。色々考えてたら、口に出してしまった。達也さんにやばいやつって思われたよね絶対。どうしよう、嫌われちゃったかな。
「緑ちゃん」
「はい……」
「俺は、緑ちゃんのことを大切に思ってるよ。鳳蝶と別れてすぐに、こんなこと言うのが軽い男だって思われるんじゃないかってびびってたんだ。でも、緑ちゃんが良ければ、真剣にお付き合いさせてもらいたいって思ってる。緑ちゃんの気持ちを聞かせてもらってもいいかな?」
思っても見なかった回答が返ってきて、少し沈黙してしまった。
「……私は、達也さんが好きです。付き合い、たいです」
「ほんとに?!うわ、嬉しすぎる……!」
達也さんは、無邪気な笑顔を私に向けて、優しく私を抱き寄せてくれた。拒否されると思っていた分、より嬉しく感じる。今、すっごく幸せだ。嘘からの始まりだけど、いつか達也さんには本当のことを話そうと思う。おさがり彼氏の話も含めて。そして、達也さんだけは他の人とは違うって伝えたい。
「これから、よろしくね!」
「はい!こちらこそよろしくお願いします!」
勇気を出して気持ちを伝えて本当に良かった。あの後、ホテルへ行くことはなく、達也さんは最寄り駅まで私を送って、帰っていった。大切にしたいから出さないだけだよと私を不安にさせないように言ってくれた。とにかく、王子様すぎる。
帰ったら、お姉ちゃんに報告しないと。
「おはよー、緑ちゃん」
「おはようございます!」
「いやーちょっとだけ暑いねー」
「そうですね!」
「てか、その服めっちゃ可愛いね」
「え、ほんとですか?あ、ありがとうございます」
「よし、じゃあ今日は思いっきり遊ぼ!」
「はい!」
私たちは、水族館にやって来た。私も達也さんも小学生ぶりで、テンションが上がり、全エリアを周り、さらに少し遠い場所にあるイルカのショーも見に行った。そして、さらに離れた小さい遊園地があり、少しだけ乗り物にも乗った。結構歩きっぱなしだったため、履き慣れていないヒールを履いてきた私は、靴擦れをしてしまった。ほんと、ダメダメだ。少しでも大人っぽく見せたいと思って、スニーカーじゃなくてヒールなんて履くから達也さんに迷惑がかかる。
達也さんは、私のために遊園地のスタッフさんから絆創膏をもらいに行ってくれている。なので、私は今ベンチで座っている。なんとも情けない。こんなんじゃ、達也さんに嫌われちゃう。
「ねえねえ君、一人?」
「え、いや」
「一人だったらさ、俺たちと回らない?色々奢るからさ~」
本当に最悪だ。変な男たちに絡まれて、腕を掴まれてしまった。そのまま勢いよく引っ張られそうになった。
「や、やめてください!離して!」
「良いじゃん、一緒にいこーよ!いって!」
「おい、俺のものに手出してんじゃねーよ」
「な、連れがいんなら早く言えよな!」
男たちはびびって去っていった。あんな怖い顔した達也さん初めて見た。
「大丈夫だった?怪我とかしてない?」
「だ、大丈夫です!ありがとうございます!」
「良かったー。あー焦ったー。ごめんね、俺のもんとか言って」
「全然!」
うー恥ずかしすぎて、「逆に嬉しかったです」とかあざといこと言えないー。こういうところだな、私の悪いところは。
「靴擦れは大丈夫?今絆創膏貼るから、足出してもらっても良いかな?」
「そんな、貼ってもらうの申し訳ないですし、自分で貼ります」
「俺が貼りたいから貼らせて?」
「あ、ありがとうございます。お願いします……」
もー、本当にずるい。王子様すぎる。もう、幸せ。
「よし、貼れた」
「ありがとうございます!」
「歩けそう?」
「はい!だいぶ良くなりました」
「そっか。じゃあ、今日は夜ご飯食べて、帰ろっか」
「は、はい……」
今日もやっぱり手出さないのかな。やっぱり私って女として見られてないのかな。ま、元カノの妹だし、普通の人なら女として見ないよね。
「ここのレストラン美味しいんだー!緑ちゃんを連れてこれて良かったー」
「すっごく美味しいです。今日は本当にありがとうございました!めちゃくちゃ楽しかったです!」
「ほんとー?良かったー。というか、お礼を言いたいのは俺の方だよ。鳳蝶と別れて、正直、立ち直れる気がしなかったんだ。でも、緑ちゃんのおかげで元気に過ごせてる。本当にありがとう」
「いえ、そんな、とんでもないです」
実際のところ、達也さんは私のことどう思っているのかは分からないけど、こうして一緒にいられるだけで、幸せだなって思える。またデートできたら良いな。
「よし、じゃあ今日は夜遅いし、帰ろっか」
「達也さん、私って、女の子としての魅力低いですかね?」
「え、緑ちゃん、急にどうしたの?」
「あ、すみません、変なこと聞いて」
やばい、変なことを聞いてしまった。色々考えてたら、口に出してしまった。達也さんにやばいやつって思われたよね絶対。どうしよう、嫌われちゃったかな。
「緑ちゃん」
「はい……」
「俺は、緑ちゃんのことを大切に思ってるよ。鳳蝶と別れてすぐに、こんなこと言うのが軽い男だって思われるんじゃないかってびびってたんだ。でも、緑ちゃんが良ければ、真剣にお付き合いさせてもらいたいって思ってる。緑ちゃんの気持ちを聞かせてもらってもいいかな?」
思っても見なかった回答が返ってきて、少し沈黙してしまった。
「……私は、達也さんが好きです。付き合い、たいです」
「ほんとに?!うわ、嬉しすぎる……!」
達也さんは、無邪気な笑顔を私に向けて、優しく私を抱き寄せてくれた。拒否されると思っていた分、より嬉しく感じる。今、すっごく幸せだ。嘘からの始まりだけど、いつか達也さんには本当のことを話そうと思う。おさがり彼氏の話も含めて。そして、達也さんだけは他の人とは違うって伝えたい。
「これから、よろしくね!」
「はい!こちらこそよろしくお願いします!」
勇気を出して気持ちを伝えて本当に良かった。あの後、ホテルへ行くことはなく、達也さんは最寄り駅まで私を送って、帰っていった。大切にしたいから出さないだけだよと私を不安にさせないように言ってくれた。とにかく、王子様すぎる。
帰ったら、お姉ちゃんに報告しないと。
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