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決戦

決戦-3

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地上、洞窟の入口が見えない程上空に二人はいた。魔力を鎮め、姿だけを見せて対峙する。

「こうして会うのは十日ぶりかしら」
「……そうか。その程度の短さなのだな」

二人の別たれた時間は人の過ごす日にちに直すとその程度。だが彼らの時間に直すと途轍もなく違いがあった。
不思議がるシアにローザリッサはどこか遠い目をする。こんなところまで来てしまったのだなという嘆くような目だ。

「過ごした時間は違うか……。だが想いは変わらない」
「かつての私を取り戻す、だったかしら?。そんなこと私は望んでいないというのに強要するの?」

ウソ泣きをするシアに、はぁと溜息を一つするローザリッサ。そしてキリっとした視線をシアに向けた。
その視線はシアに覚悟と力を見せつけるには十分だった。

「ああ。私の我儘で私はジルクを取り戻す。それが許されるだけの力を手に入れたつもりだ」

鎮めていた魔力を少しずつ解放する。全身からほんの少しずつ噴き上がる魔力が、周囲へと現象として発現し空気が燃え上がっていく。

「横暴ね。でもそこまでの自信には惹かれそうにもなるわね」
「女に……。そういえばお前、女なのか?」

ふふふと笑いながらその魔力をローザリッサと同様に周囲へと漏らしていく。妖艶な雰囲気と邪悪な魔力はサキュバスかと思わせるような雰囲気をしていた。

「両性。どちらでもあってどちらでもないわ。まぁ……あなたが私の足に跪くようなことを考えるといきり立つモノもあるけれど」

下半身の一部がぐぐぐと勃っていく。女性よりも女性らしいその姿に不釣り合いなものであり、その趣味の悪さがにじみ出ていた。

「下衆なのは主が奴だからか。気高い強さを持った私の想い人、返してもらおうか」
「失礼ね。フィーア様を侮辱するのは万死に値するわよ。そして返すつもりはないわ。もし返してほしいなら……、実力でやってみなさい」

はははと笑う二人。だがその魔力はそれぞれの背後で展開されており、強化魔術が最大まで使用されていた。
そして次の瞬間、羽根の羽ばたきだけで超高速を体現した二人は衝突した。現象として現れていた魔力が拳へと集束され、二人の拳がぶつかり合う。

「返してもらうぞ。私たちの想いを!」
「やれるものならやってみなさい!」
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