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第四章 エロー学術都市~20年越しのざまぁ編~
復活祭からの~
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「ハッピバースデイ ピロルー ♪ ハッピバースデイ――♪ 」
はい、お察しの通り料理長室。
皆が、俺の復活祭を催してくれたのだ。
いや、俺、死んでないし……。
十字架にも張り付けられてない……。
手術台には二回も張り付けられたようだけれども……。
……なんでも、お祝いが2回目だから、復活なんだと。お祝いの復活? 祭??
テーブルにはシマさんの豪華な手料理がズラリと並んでいる。
「あれっ、これ? チタニアの魚じゃないですか? 」
マゼンタ王国にも海はあるのだが、ルブルム城から距離があるため、食卓に並ぶ魚は大抵湖で捕られた淡水魚だった。
テーブルにはチタニアで見た海の魚達が並べられている。なんと、お刺身まであるではないか!
「そうなのっ! ミョージンさんが届けてくれたのよ。ルブルム城では、なかなか食べられない海のお魚よ」
シマさんが、興奮気味に言った。
俺のことを心配した教帝聖下が、お見舞いにミョージンさんと魚達を派遣してくれたらしい。
「美味いっ! 」
日本人に生まれてよかったー!……って違うな。
ついつい、前世の血が騒ぐ。
「チタニアで頑張った甲斐があったなぁ、ピロルくん! 」
俺の心を読んだように、話しかけてくる博士。
「おいしーっ! 」
「自分もいただくっすーって! あっ!? 」
「いっただっきー! ぎゃははははは 」
「ドン兄、ひどいっすーーっ! 」
相変わらず、元気そうなスネーク兄弟。
「久しぶりだが、美味しいな」
「喜んでいただけたようで、よかったです! 」
俺達が口々に感想を呟いていると、ミョージンさんが嬉しそうに破顔した。
「そういえば、どうやって運んできたんですか? 」
ルブルム城から海より、ルブルム城からチタニアの方が明らかに遠い。
「シロリーにお願いしましたっ! ちょうど、シロリーもピロルさんに会いたそうだったので」
「シロリーも会いに来てくれたのか。ありがとうな」
なるほど、その手があったか。
スラリーと並んで、気持ちよさそうに樽の中をプカプカ浮いているシロリーが、嬉しそうにふるふるっと揺れた。
「あっ、そうだ。ゴンが俺を助けてくれたんだってな! ありがとなっ! 」
「ピロ兄が無事でよかったっすよ。ピロ兄は可愛くなるし、ドン兄はヒモっ!? あーーっ!! それ、自分のッスよ!! 」
「いっただきーっ!! 」
「待つっすー!! 」
またもや、ドンがゴンの皿のモノを奪った。
追いかけっこが始まる。
相変わらず、騒がしい奴らだ。
ところで、ヒモっ!?ってなんだ?
俺がそんな疑問を抱えていると、ハクがケーキを運んできた。
「みてみてー、ピロルのために作ったんだよ!」
「おおっ!! すごっ!! 」
完璧な見た目のケーキが、目の前に置かれた。
上からフォークを挿し入れ、1口で食べる。
そうそう、これこれ。
イチゴとスポンジ、そしてクリームの薄い層が、口の中でひとつに纏まり、絶妙なハーモニーを奏でるのだ。
「ハク、すっごく美味しいっ!! 」
俺の言葉に凄く嬉しそうなハク。
「ハクくん、あなた達がエローに行っている間、何度も何度も作って、練習していたのよ。2人が帰ってきたら、ビックリさせるんだって」
シマさんがハクの傍にやってきて、抱き寄せながら言った。
「えへへっ、ピロルが美味しそうに食べてる姿を見るだけでも幸せだったけど、やっぱり、言葉で伝えられると、もっと、嬉しいっ!
ピロル、戻ってきてくれて、本当にありがとう」
ハクが俺を抱きしめる。
俺も抱きしめ返した。
「俺の方こそ、こんなに美味しいケーキを頑張って作ってくれてありがとう。そして、こんなに、俺のことを思ってくれて、嬉しい」
やばい、前世より幸せかも……
前世では、恥ずかしてく絶対言えなかったであろう言葉が、すっーと出てきた。
やっぱり、狐だからだろうか?
「ハク、ピロルの次はラヴォアを祝ってやれ。
おっと、呼び捨ては失礼だな。ラヴォア次期エロー国家元首殿」
「「「「「へっ!? 」」」」」
ピロロの爆弾発言に、一瞬で静寂に包まれる料理長室。
皆の視線が博士に集中する。
「私も先程、父上から聞かされたのだ。
ぜひ、詳しくお話していただこうか」
俺の視線を受けて、ピロロはそう言うと、博士を見ながらニヤリと微笑んだ。
はい、お察しの通り料理長室。
皆が、俺の復活祭を催してくれたのだ。
いや、俺、死んでないし……。
十字架にも張り付けられてない……。
手術台には二回も張り付けられたようだけれども……。
……なんでも、お祝いが2回目だから、復活なんだと。お祝いの復活? 祭??
テーブルにはシマさんの豪華な手料理がズラリと並んでいる。
「あれっ、これ? チタニアの魚じゃないですか? 」
マゼンタ王国にも海はあるのだが、ルブルム城から距離があるため、食卓に並ぶ魚は大抵湖で捕られた淡水魚だった。
テーブルにはチタニアで見た海の魚達が並べられている。なんと、お刺身まであるではないか!
「そうなのっ! ミョージンさんが届けてくれたのよ。ルブルム城では、なかなか食べられない海のお魚よ」
シマさんが、興奮気味に言った。
俺のことを心配した教帝聖下が、お見舞いにミョージンさんと魚達を派遣してくれたらしい。
「美味いっ! 」
日本人に生まれてよかったー!……って違うな。
ついつい、前世の血が騒ぐ。
「チタニアで頑張った甲斐があったなぁ、ピロルくん! 」
俺の心を読んだように、話しかけてくる博士。
「おいしーっ! 」
「自分もいただくっすーって! あっ!? 」
「いっただっきー! ぎゃははははは 」
「ドン兄、ひどいっすーーっ! 」
相変わらず、元気そうなスネーク兄弟。
「久しぶりだが、美味しいな」
「喜んでいただけたようで、よかったです! 」
俺達が口々に感想を呟いていると、ミョージンさんが嬉しそうに破顔した。
「そういえば、どうやって運んできたんですか? 」
ルブルム城から海より、ルブルム城からチタニアの方が明らかに遠い。
「シロリーにお願いしましたっ! ちょうど、シロリーもピロルさんに会いたそうだったので」
「シロリーも会いに来てくれたのか。ありがとうな」
なるほど、その手があったか。
スラリーと並んで、気持ちよさそうに樽の中をプカプカ浮いているシロリーが、嬉しそうにふるふるっと揺れた。
「あっ、そうだ。ゴンが俺を助けてくれたんだってな! ありがとなっ! 」
「ピロ兄が無事でよかったっすよ。ピロ兄は可愛くなるし、ドン兄はヒモっ!? あーーっ!! それ、自分のッスよ!! 」
「いっただきーっ!! 」
「待つっすー!! 」
またもや、ドンがゴンの皿のモノを奪った。
追いかけっこが始まる。
相変わらず、騒がしい奴らだ。
ところで、ヒモっ!?ってなんだ?
俺がそんな疑問を抱えていると、ハクがケーキを運んできた。
「みてみてー、ピロルのために作ったんだよ!」
「おおっ!! すごっ!! 」
完璧な見た目のケーキが、目の前に置かれた。
上からフォークを挿し入れ、1口で食べる。
そうそう、これこれ。
イチゴとスポンジ、そしてクリームの薄い層が、口の中でひとつに纏まり、絶妙なハーモニーを奏でるのだ。
「ハク、すっごく美味しいっ!! 」
俺の言葉に凄く嬉しそうなハク。
「ハクくん、あなた達がエローに行っている間、何度も何度も作って、練習していたのよ。2人が帰ってきたら、ビックリさせるんだって」
シマさんがハクの傍にやってきて、抱き寄せながら言った。
「えへへっ、ピロルが美味しそうに食べてる姿を見るだけでも幸せだったけど、やっぱり、言葉で伝えられると、もっと、嬉しいっ!
ピロル、戻ってきてくれて、本当にありがとう」
ハクが俺を抱きしめる。
俺も抱きしめ返した。
「俺の方こそ、こんなに美味しいケーキを頑張って作ってくれてありがとう。そして、こんなに、俺のことを思ってくれて、嬉しい」
やばい、前世より幸せかも……
前世では、恥ずかしてく絶対言えなかったであろう言葉が、すっーと出てきた。
やっぱり、狐だからだろうか?
「ハク、ピロルの次はラヴォアを祝ってやれ。
おっと、呼び捨ては失礼だな。ラヴォア次期エロー国家元首殿」
「「「「「へっ!? 」」」」」
ピロロの爆弾発言に、一瞬で静寂に包まれる料理長室。
皆の視線が博士に集中する。
「私も先程、父上から聞かされたのだ。
ぜひ、詳しくお話していただこうか」
俺の視線を受けて、ピロロはそう言うと、博士を見ながらニヤリと微笑んだ。
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