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第2章、破滅に向かう世界。
第10話、災害たる王。
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ブラックドラゴンとの戦いが始まる三日前、マサムネが消えた時に戻る。
◇
「テレポート!!」
転移魔法で魔族と共に移動した俺は、ウエストレイドから遠く離れた薄暗い森、強力なモンスターが存在する森『深淵の闇』の奥地へと跳んでいた。
『何だと!?ここはどこだ!?貴様何をした!』
いきなり光景が変り、戸惑いと怒りをあらわにする魔族、俺は身体強化を掛けて、ある場所へと駆け出す。
『ふざけた人間めが!逃がすか!』
それを見た魔族は、俺をみすみす逃がす訳もなく追いかけて来る。
俺は魔族が追いかけて来た事を確認するとマップを起動し、ある反応を探して移動を続けていく。
10分程全力で走り、追いかける魔族が俺にジリジリと迫って来たいた時、ようやくその反応を見つける。
「いた!」
俺は更にウインドアクセルを掛け、その場所へとスピード上げて向かう。
5分後、俺はその姿を確認すると迷わず飛び込んだ。
『いい加減、我に殺されろ人間!』
頭に血が上り周りが見えなくなっていた魔族は、その存在には気が付かず、そのまま追い掛けて来る。
そして俺は、その存在の前へと立ち止まった。
『ハハハハハ!!ようやく諦めたか人間!!この我が消し炭にしてくれ………る?』
やっと気が付いた魔族は、驚きのあまり、目と口をこれでもかと言う位に広げている。
『お、お前、ま、まさか後ろに「居る」のは………』
右手の指をプルプル震えながら指す魔族。
俺は、作戦通りに行った事に思わず笑みが浮かぶ。
「ああ、そうだ、ここに居るのは、魔王とも戦った事のある伝説の存在『ディザスターカイザースネーク』、この森の王だ!」
フン!と俺は胸をはり、魔族にドヤ顔をしてやった。
『な、何だと!?まさか最初からこれを狙って居たのか!?』
「バーーカ!今頃気が付いたのか?調子に乗ってるからだ!プププ~♪」
そう、俺は魔族をディザスターカイザースネークに当てようとテレポートし、この場所に誘導してきたのだ。
俺と魔族がギャーギャー騒いでいると、グッスリ寝ていた森の王が目を覚ます。
『じゃかまし~わ!騒がしくてオチオチ寝れねーだろうが!早くどっかにいね!さもなくばワシの腹の中で永遠に寝てもらうぞ!』
まさか話すとは思っていなかった魔族は、『はへ?』と言いながら固まっていた。
俺もだが………まぁ、あのデカイ狼もたっぷりと喋ってたしな。
ハッと持ち直した魔族は、事もあろうかディザスターカイザースネークに対して、余計な一言を放つ。
『や、やかましい!ただデカイだけの蛇は黙って鼠でも食ってろ!わ、我ら魔族と悪魔族は魔王様から力を与えられ、今では遥かに力を増し、何段階も実力が上がって居るのだ!お前ごときに負けるわけがない!それこそレア度もお前以上なハズだぁ~!』
他人から力を貰って威張り散らす魔族を見て何か雑魚感がスゲェな。と思ったけど、その魔族に手も足も出なかったのを思い出し微妙な気分になる。
ただ、あの魔族は死んだな…と思い、ディザスターカイザースネークの反応を見ると
『へ~~そうなんだ?んで?』
と、器用に尻尾の先でハナクソをホジッていた。
『な、な、ななな!?』
自分が馬鹿にされた事への怒りと戸惑いで言葉が上手く話せない魔族、今のうちなら逃げられるのになぁ~と思ったけど、これから魔族どうなるんだろ?と好奇心が勝った俺は黙って見ていた。
『おのれ~!我を馬鹿にするか!良し分かった!貴様を殺し蛇皮の財布にしてくれる!覚悟しろ!』
何を血迷ったか魔族はディザスターカイザースネークへと戦いを仕掛けた。
いくら強くなったと言っても、魔王と戦った実力が有る相手、多少ドーピングで強くなっているとは言え、勝てる訳が無いのになぁ~
分かんないのかなぁ~?
思わず、敵に哀れみの感情が生まれたが、勿論なにも言わない。
何て一人で考えて居たら、突っ込んで行った魔族は尻尾でペシッと叩き落とされ、あえなく撃沈、地面に大きい穴を作り呆気なく倒されていた。
一撃ってさ・・・俺、何してんだろ?
何故か、作戦通りに行ったハズなのに素直に喜べない。
取り合えずは魔族の埋った場所に向け、両手を合わせて「御愁傷様です」と拝んでおいた。
『それで……確かお前は最近この辺をウロウロしていた奴等の一人だな?わざわざ一人でここまで来るとは、お前も死にたいのか?』
ただの眼力だけで震える俺の体、だが俺は皆を守れた事に心残りは有るものの、覚悟を決めていたし、半分諦め半分好奇心で口を開く。
「勝手にテリトリーに入った事、そして魔族を貴方にぶつけた事に謝らせて貰います。だけど貴方に魔族をぶつけた事は後悔をしておりません、むしろそれで魔族を倒せた事に満足しております」
ディザスターカイザースネークの眼力を震えながらも見つめ返し、更に言葉を続けた。
「ですが、貴方を怒らせた事は事実、この身を持って貴方の怒りを甘んじて受け止めましょう。煮るなり焼くなりお好きになさって下さい」
そう言って俺は森の王の元へと歩き出し、そして目前に来ると立ち止まり目を瞑った。
目の前に近付いてくる気配がする。
目を瞑っていても分かる程の存在感。
そして頭に浮かんで来る仲間達の顔、自然と笑みが浮かんだ。
おぅ、これが走馬灯か。
聞こえるハズが無いが仲間達に向い最後の言葉を呟く
「皆、ありがとう……そしてサヨウナラ……お父さん、お母さん、先立つ不幸をお許しください」
我ながら、おかしいテンションだったのは否めない。
丸のみされても痛くないと良いなぁ~(希望
◇
「テレポート!!」
転移魔法で魔族と共に移動した俺は、ウエストレイドから遠く離れた薄暗い森、強力なモンスターが存在する森『深淵の闇』の奥地へと跳んでいた。
『何だと!?ここはどこだ!?貴様何をした!』
いきなり光景が変り、戸惑いと怒りをあらわにする魔族、俺は身体強化を掛けて、ある場所へと駆け出す。
『ふざけた人間めが!逃がすか!』
それを見た魔族は、俺をみすみす逃がす訳もなく追いかけて来る。
俺は魔族が追いかけて来た事を確認するとマップを起動し、ある反応を探して移動を続けていく。
10分程全力で走り、追いかける魔族が俺にジリジリと迫って来たいた時、ようやくその反応を見つける。
「いた!」
俺は更にウインドアクセルを掛け、その場所へとスピード上げて向かう。
5分後、俺はその姿を確認すると迷わず飛び込んだ。
『いい加減、我に殺されろ人間!』
頭に血が上り周りが見えなくなっていた魔族は、その存在には気が付かず、そのまま追い掛けて来る。
そして俺は、その存在の前へと立ち止まった。
『ハハハハハ!!ようやく諦めたか人間!!この我が消し炭にしてくれ………る?』
やっと気が付いた魔族は、驚きのあまり、目と口をこれでもかと言う位に広げている。
『お、お前、ま、まさか後ろに「居る」のは………』
右手の指をプルプル震えながら指す魔族。
俺は、作戦通りに行った事に思わず笑みが浮かぶ。
「ああ、そうだ、ここに居るのは、魔王とも戦った事のある伝説の存在『ディザスターカイザースネーク』、この森の王だ!」
フン!と俺は胸をはり、魔族にドヤ顔をしてやった。
『な、何だと!?まさか最初からこれを狙って居たのか!?』
「バーーカ!今頃気が付いたのか?調子に乗ってるからだ!プププ~♪」
そう、俺は魔族をディザスターカイザースネークに当てようとテレポートし、この場所に誘導してきたのだ。
俺と魔族がギャーギャー騒いでいると、グッスリ寝ていた森の王が目を覚ます。
『じゃかまし~わ!騒がしくてオチオチ寝れねーだろうが!早くどっかにいね!さもなくばワシの腹の中で永遠に寝てもらうぞ!』
まさか話すとは思っていなかった魔族は、『はへ?』と言いながら固まっていた。
俺もだが………まぁ、あのデカイ狼もたっぷりと喋ってたしな。
ハッと持ち直した魔族は、事もあろうかディザスターカイザースネークに対して、余計な一言を放つ。
『や、やかましい!ただデカイだけの蛇は黙って鼠でも食ってろ!わ、我ら魔族と悪魔族は魔王様から力を与えられ、今では遥かに力を増し、何段階も実力が上がって居るのだ!お前ごときに負けるわけがない!それこそレア度もお前以上なハズだぁ~!』
他人から力を貰って威張り散らす魔族を見て何か雑魚感がスゲェな。と思ったけど、その魔族に手も足も出なかったのを思い出し微妙な気分になる。
ただ、あの魔族は死んだな…と思い、ディザスターカイザースネークの反応を見ると
『へ~~そうなんだ?んで?』
と、器用に尻尾の先でハナクソをホジッていた。
『な、な、ななな!?』
自分が馬鹿にされた事への怒りと戸惑いで言葉が上手く話せない魔族、今のうちなら逃げられるのになぁ~と思ったけど、これから魔族どうなるんだろ?と好奇心が勝った俺は黙って見ていた。
『おのれ~!我を馬鹿にするか!良し分かった!貴様を殺し蛇皮の財布にしてくれる!覚悟しろ!』
何を血迷ったか魔族はディザスターカイザースネークへと戦いを仕掛けた。
いくら強くなったと言っても、魔王と戦った実力が有る相手、多少ドーピングで強くなっているとは言え、勝てる訳が無いのになぁ~
分かんないのかなぁ~?
思わず、敵に哀れみの感情が生まれたが、勿論なにも言わない。
何て一人で考えて居たら、突っ込んで行った魔族は尻尾でペシッと叩き落とされ、あえなく撃沈、地面に大きい穴を作り呆気なく倒されていた。
一撃ってさ・・・俺、何してんだろ?
何故か、作戦通りに行ったハズなのに素直に喜べない。
取り合えずは魔族の埋った場所に向け、両手を合わせて「御愁傷様です」と拝んでおいた。
『それで……確かお前は最近この辺をウロウロしていた奴等の一人だな?わざわざ一人でここまで来るとは、お前も死にたいのか?』
ただの眼力だけで震える俺の体、だが俺は皆を守れた事に心残りは有るものの、覚悟を決めていたし、半分諦め半分好奇心で口を開く。
「勝手にテリトリーに入った事、そして魔族を貴方にぶつけた事に謝らせて貰います。だけど貴方に魔族をぶつけた事は後悔をしておりません、むしろそれで魔族を倒せた事に満足しております」
ディザスターカイザースネークの眼力を震えながらも見つめ返し、更に言葉を続けた。
「ですが、貴方を怒らせた事は事実、この身を持って貴方の怒りを甘んじて受け止めましょう。煮るなり焼くなりお好きになさって下さい」
そう言って俺は森の王の元へと歩き出し、そして目前に来ると立ち止まり目を瞑った。
目の前に近付いてくる気配がする。
目を瞑っていても分かる程の存在感。
そして頭に浮かんで来る仲間達の顔、自然と笑みが浮かんだ。
おぅ、これが走馬灯か。
聞こえるハズが無いが仲間達に向い最後の言葉を呟く
「皆、ありがとう……そしてサヨウナラ……お父さん、お母さん、先立つ不幸をお許しください」
我ながら、おかしいテンションだったのは否めない。
丸のみされても痛くないと良いなぁ~(希望
応援ありがとうございます!
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