異世界に転生したら?(改)

まさ

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第2章、夢の冒険者になりました。

第7話、想いを力に変えて。

次の日、気持ちを新たに俺達はギルドに向かっていた。


ギルドの建物が見えてくると激しく人の出入りがあり、いつもとは確実に違う雰囲気があった。


ギルドに近付くにつれ怒号や戸惑いの声が聞こえてくる。


ギルドに入り、レフィーさんのカウンターに行く、少し並んでいる人もいたが、少しレフィーさんと話した後に足早にギルドから出ていくので、すぐにレフィーさんと話す事が出来た。


「レフィーさん、何かあったんですか?何か騒然としてますけど……」


「マサムネ様、申し訳ありません………」


元気が無い様子のレフィーさん、何かあったのか?


「気にしてませんよ、それよりもこの状況は?」


「実は昨日、重傷で運ばれた冒険者の方がいたんですが……」


「あ、昨日見ましたよ」


「そうですか………その方は、何とか命は取り止めたのですが問題はそのケガの原因なんです………」

「と言うと?」

「その方の他にもう2人、全部で5人のCクラスパーティー【牙突】と言うんですが…実は昨日、ゴブリン討伐の依頼を受けて大森林に入ったんです。ですが……」

少し言いにくそうにしているレフィーさん。

「逃げるゴブリンを追って、いつもより少し奥に入った所で、ゴブリンとオークの大群に囲まれたんだそうです」

「え?いくら少し深い所と言っても、オークとゴブリンの大群なんで普通いないですよね?」


「ま、まさか拙者達の村を襲った奴等なのではごさらぬか!?」


「え!?鼠人族の里も大群に襲われたのですか!?」

レフィーさんがコウの言葉を聞き驚く。


「実は、拙者達の村には200人程の鼠人族が住んでいたでゴザル。
拙者の様に戦える者も50人程おりました。

ですが、ある日突然、何の前触れも無くオークとゴブリンの群れに襲われ、抵抗したのでゴザルが、多勢に無勢。あっという間に全滅したのでゴザル……その時の数は少なく見積もっても1000体以上いたのは間違い無いでゴザル……」


下を向き、手を握りしめて歯を食い縛るコウを見て俺は声を掛けた。


「コウ、あまり自分を責めるな。そんな数相手にたとえ上位ランクの冒険者だってどうしようも無かったハズだ。守りきれなかった悔しさはあると思うが、責めるのは違うぞ」


「マサムネ殿……かたじけないでゴザル…」


「元気の無いコウは、コウじゃないしな」


「何でゴザルかそれは」


少し笑顔になったコウに少しホッとする。


「それでレフィーさん、3人の事は分かったんですが、この騒ぎは?」


「それが、そのモンスターの群れが、この町を目指して来ているらしいのです……」


「「何だって!?」」


俺とコウの声が重なる。


どうやら、怪我の報告を受けて他の冒険者が偵察に行ったらしいが、その報告によると、ゆっくりではあるが、確実にこの町を目指して来ているらしい。

その数2000体、この町でも経験のしたことの無い数だと言う。

そして、この騒ぎは逃げる逃げないの意見が対立している事が原因らしい。


「この町の領主やギルドとしての方針は?」


「現在、ギルドマスターと領主や騎士の方々が会議をしているのですが、恐らく低ランクの冒険者を護衛として町の人々を後方の町の方に避難させる事になると思います。
この町の冒険者は全部で200人くらいしかおりませんし、Cランク以上のランクとなると更に少なく20人位しかおられませんので、とても町を守りきれないと思います」


「町を捨てるんですか?」

「現状では致し方ないと…………」

「それで避難は間に合うのですか?」

「分かりません。ですがそれ程時間は無いと思われます……」


「と言う事は、誰かが時間を稼がないと間に合わないって事ですね?」


「えぇ…恐らく………ですが、マサムネ様のパーティーは避難する人々に合わせて安全確保の為にモンスターの露払いの依頼を出すと思います」


俺がコウに視線を向けると、コウは何も言わずに頷く。

「ハクヨウ…良いか?」

『ピッピー!』(ぼくは、ますたーといっしょ!)


俺は、目を瞑り少し息をはく。


そして俺は覚悟を決めてレフィーさんに話しかけた。



「レフィーさん、その依頼は断らせて貰います」

「え?マサムネ様、どういう事ですか?」


戸惑い見せるレフィーさん。


「レフィーさんも、そしてギルドマスターもココに最後まで残るつもりですね?違いますか?」


「それは…………」


「俺は、イヤ、俺達は目の前の知り合いを犠牲に生き延びようなどとは思いません、それに多分ギルドマスターは、俺達を町から逃がそうとして、その依頼を俺達にやらせようとしている。そうじゃないですか?」

「そ、そんな事は……」

「誰かが囮になり町に残って、犠牲になって……自分達だけが生き残っても俺は嬉しくもなんともない」


「ですが!貴方達はまだまだこれからです!この町では無くても、他の町でも冒険者として生きていけます。
ここに残って死んでしまったら、それすら出来なくなるんですよ!?」


「レフィーさん。俺達は、死ぬ後悔よりも惨めに逃げて生き残った方のが後悔する。
たぶん一生死ぬまで後悔する事になるかもしれない。そんなのは生きてるとは言わない死んでるのとおなじだ」


俯き、何も言えなくなるレフィーさん。


「俺達は逃げない。ここに残り戦う。俺達は自分の手が届く人達を守ると決めたんだ。
その為に努力をしてきたつもりだ。

レフィーさんやギルドマスターが何と言おうとも、この気持ち想いは変わらない」

「マサムネ様」

それを聞いていたレフィーさんは、涙を浮かべる。


「レフィーさん、俺達に依頼を出してくれ」


「え?」


「この町を救えと依頼を出してくれ!」


「あ、あぁ………」


レフィーは堪えきれずに両手で顔を隠し嗚咽をもらしながら泣く。


少しレフィーさんが落ち着くのを待つ。

すでに覚悟を決めた俺達の顔に迷いはない。





「申し訳ございません。お待たせしました。改めてマサムネ様、ギルドからの依頼を受けてくれますか?」


「依頼の内容は?」


「この町を私達の大事な町を守ってくれますか?」



「了解しました。俺達『森林の伊吹』は、その依頼を全力で達成します!」


それまで俺達のやり取りを静かに見ていた他の冒険者やレフィーさん以外の受付嬢達が大きな声を上げた。


「「「ウオオオオオ!」」」


様々な声が重なり最早、ドラゴンの咆哮の様だ。(聞いたこと無いけど)

戸惑いの言葉もあるが、ほとんどが頑張れなどの俺達の背中を推してくれる言葉だ。

勇気と力と気力が、全身にみなぎってくる。


ふと目をやるとギルドマスターが腕を組み見ていた。

行ってこいと言ってる気がした。



この町を護る為の激しい戦いが始まろうとしていた。




モンスター達が、町に到達するまで残り三日。

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