ここから始まる俺の冒険！

プロローグ

ここは辺境にある小さな開拓村、まだ開拓を初めてから5年程の新しい村だ。

人口は50人程で、まだ村には名前がない。


約10年ほど前、突如現れた魔王と名乗る圧倒的な力を持つ存在が世界を蹂躙し世界のいくつもの国が滅ぼされ人口も半数まで減らされていった。

誰もが世界の終わりだと思った。


だが、突如『勇者』と名乗る若者とその仲間達が現れ、瞬く間に魔王軍を討伐し最後には見事に魔王を討ち取り世界に平和をもたらした。

しかし、魔王を討ち取った勇者とその仲間は突如姿を消す。

生き残った国の国王達は全力を尽くして勇者達の姿を追ったが誰も探し出す事は出来なかった。



それから5年後、現在から5年前になるがモンスターはいまだに残っているが、魔王がいた時に比べれば遥かに安全になった。


魔王の侵略に耐え、生き残った国々は再び昔の様な栄えた自領を取り戻す為に人口の増加を推し進め、そしてその増加する人口の食料を確保する為に開拓村を急ピッチで増設していった。


何故、わざわざ新しく開拓する事になったのか。

魔王軍との戦いは各地に傷跡を残し土地が荒れ作物を作ることが困難になった為だ。


現在、人々の残っている大陸。

その大陸の約六割程を占める大森林、以前は魔王の魔力の影響で狂暴かつ数多くのモンスターで手を出す事はおろか近付く事すら出来なかった大森林も魔王が倒された事によりモンスターの数も減らし狂暴性も小さくなり比較的安全に開拓する事が可能になったのである。

他にもいくつもの大陸や島々があるらしいが、殆んどが滅ぼされたり港や船も破壊され尽くされた為、どれだけ生き残っているのか知る術が無い。

海から現れたモンスターは、特に巨大で更に獰猛で数も多かった為、海側の国ほど壊滅し地図から消えた。

それが未だに他の大陸との連絡を皆無にしている要因となる。


塩や魚などを確保する為にも、生き残った国々は力を合わせ海側に港や町を作ってはいるが、大陸間を移動させる程の大きな船を作る余裕はまだ無いのも現状だ。




話しは戻るが、そんな小さな開拓村の一つから物語は始まる。

小さい頃から勇者に憧れ、冒険者になる事を夢に見た少年が主人公である。