ここから始まる俺の冒険!

まさ

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第一章、俺は冒険者になる!

第4話、運命の出会い!

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「右よーし、左よーし」


どうも、俺です!

現在、森の奥に向かって進んでいます!

モンスターなんてなんのその!

どんどんと突き進んでおります!(嘘です)


現在位置は、家から400メートルほど。

家を出て1時間ほどであります!


………………。


だって、怖いんだもん!進む毎に薄暗くなっていくし!何か出てきそうなんだもん!

安全一番!これ大事!

誰だ!家に帰ったら?って言った奴!

そんな事を言ったら本当に帰ってしまうでしょ!

今、マジで心が折れる寸前なんだからね!

ヒィィ!?今、奥でパキッて音がした!


か、隠れないと!

それとも戦略的撤退か!?


「む?」


良く見るとウサギでした。

ふ~やれやれ。人騒がせなヤツめ。

優しい俺じゃなかったら、お前はもう命が無かったね。



「ピギャ!?」


「!?」


木の陰からウサギを見ていたら、ウサギが悲鳴を上げて倒れた。


「な、なんだ?いきなり……」


息を殺してそのままウサギを見てみると何かがウサギに刺さっていた。

良く見ると『矢』か?

村にいる狩人の矢?


木の陰から出ようとした時、森の奥から声が聞こえた。


「「ゲギャギャ!」」


奥から姿を見せたのは緑色の皮膚をもつ俺と同じ位の身長のモンスター。

ゴブリンだった。

それも2体、1体は弓を持っていて、もう1体は木の枝?棍棒?を持っていた。


「!」


俺はすぐに木の陰に身を隠す。

奴らはそれほど強くはない、1体だけなら俺でも倒せると思う。

でも、それが2体だと話しは違う。

奴らは連携が上手い。

見ての通り、武器を使うし隠れて奇襲なんて事もしてくる。

一言で言えば、複数のゴブリンは厄介なのである。

ゴブリンの事は、とーちゃんや神父様から聞いてたし、俺がビビりながら進んでいたのもコイツらにばったり出会わない様にだ。

囲まれたら勝てないと思う。

修行はしてたけど、実戦なんてまだ経験もしてないしな!


どうしよう……下手に動いて奴らに見つかるとまずいし。

でもこのままここにいても見つかるのも時間の問題だし。


マジでどうする!?ピンチだ俺!


恐る恐る奴等を見ると、バリバリと音を立てウサギをいただいていた。

今なら逃げれるか?


食べるのに夢中になってるし……

一か八か、行ってみるか?



あれ?ちょっと待てよ……ココってまだ家からそんなに離れてないよな?

何で奴等がここにいるんだ?

もしかして森の奥で何かあったのか?

確か神父様が言ってたよな。


『ごく稀に森の奥からモンスターが出てくる事があります。理由としては、モンスターのカズが増えすぎて森の奥に食料が無くなったか、それとも他の強いモンスターに追いやられて逃げてきたか……いずれにせよ、滅多にありませんが一応、頭に入れておいて下さい』

なんて事を言ってたな、確か。

どっちにしても、このままだど俺の家も危ないかもしれない。

何にしても、このまま奴等を放っておくと間違いなく俺の家に来る。


………ヤるしか無いか。

覚悟を決めろ俺!何の為に修行をして来たんだ!

冒険者になるんだろ!?勇者様みたいになりたいんだろ!?



「……うし」



俺はすぐにゴブリンの風上に行かない様に、それと音をたてない様に気を付けながら、ゴブリンの背中側に向かう。


上手い具合に少し地面が凹んでいたから、ゴブリンに見つかる事無く結構近くまで来れた。

ゆっくり覗くと、ゴブリン達はウサギを食べて満足したのか地面に座りノンビリしていた。


木剣を持つ手に力が入る。


ゴブリンをどう襲うか、イメージする。


修行の時もそうだったけど、イメージするのとしないのとでは、身体の動きが違う。


大きく深呼吸すると俺は飛び出した!


「ゲギャ?」


気配を感じたのか、1体のゴブリンが俺の方を向いた。

だけどその時、すでに木剣を振り下ろしたタイミング。

「ゲギャ!?」

そのままゴブリンの細い首に当たり、ゴブリンから悲鳴が上がった。

「ゲ、ゲギャギャ!?」

残った1体が弓を構え様とするが、この距離なら剣の方が速い!


「おりゃあ!」


「ゲヒャ!?」


もう1体の首に木剣が当たり、そのまま横向きで倒れた。

最初の1体の方を見るとピクピクと痙攣していた。

もう一度、弓を持った方のゴブリンを見るとガクガク振るえながらも立とうとしていた。


「ぐ!ちくしょう!」


俺はトドメを刺す事を少し躊躇ったけど、今、俺が倒さないと仲間を呼んで戻ってくるかもしれない。

もう一度、覚悟を決め木剣をゴブリンの頭に振り下ろした。


小さく「ゲギャ」と声を上げた後に動かなくなった。

もう1体も見ると、そっちも動かなくなっていた。



少しの間、俺は初めて命を奪った事に対してのショックに呆然としていたけど、とーちゃんに言われたいた事を思い出した。

『良いか?モンスターは倒したら埋めるか燃やさないと腐って病気の元になったり、他のモンスターを呼ぶ事になるから、後始末は絶対にしろよ?』

俺が冒険者になる事を言った時、とーちゃんが教えてくれた事だった。


俺は木剣で、穴を掘りゴブリン達を土に埋めた。

死んだゴブリンを見て吐きそうになったけど、何とか堪えた。


埋めて少し疲れた俺は、木に背を預けて休む個とにした。

勿論、モンスターに見つからない様に身を隠して。

ゴブリンを倒した事を思い出すと手が震える。

でも冒険者になれば、こんな事は当たり前の事になるんだろうなぁ。

そんな感じでボーっとしてたら、少し遠くから鳴き声が聞こえた気がした。


「ん?」


もう一度、森の奥に意識を持っていく。

『ク~ン……ク~ン』


「やっぱり聞こえた!これって……犬か?」

ゴブリンの事が頭に浮かんだけど、何故か凄く気になる。


絶対に行かないとダメだ!そんな気がした。


俺は声の元にゆっくりと身を隠しながら進んで行く。


ゴブリンと戦った所から、100メートルくらい奥に進んで来た。

「ク~ン」


声のする方に恐る恐る近付くと、そこには木の根もとに穴があって、そこに小さな姿が見えた。

その周りを見ると複数の倒れている姿もあった。

良く見ると犬の顔を持つ人型のモンスター、たぶんコボルトだと思う。

それが2体いて2体共、矢が刺さって死んでいた。

たぶん、さっきのゴブリンに殺されたんだな。

確かコボルトの方が、ゴブリンより強いって聞いた事があるけど、いきなり弓矢で襲われたんだな。

モンスターは、あまりモンスターを食べる事はしないらしいし、殺した後に放置されたのかな?

それよりも……コイツはどうしよう。


目の前には仔犬にしか見えない、コボルトの赤ちゃんがいた。



*作者のイメージ的にこのコボルト達は『柴犬』の顔をしています。
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