3 / 47
騎士団長
「ゼリョルデ国十二騎士団第十一騎士団団長レオン・ハーデンベルギア様が到着された。門を開けろ」
王宮の門番が馬車をみて十一騎士団のものとわかり門を開けるよう指示する。
五メートル以上ある門がゆっくりと開いていく。
馬車が動き出し王宮の中へと進んでいく。
「お待ちしておりました。ハーデンベルギア様」
王宮専属執事筆頭のジンがレオンを出迎える。
「場所はいつもと同じ所でございます」
「ありがとう」
年に一度十二騎士団団長が集まって会議をする。
その部屋に向かうため長い道のりを歩くレオン。
会議を行う部屋は王宮の中でも結構いい部屋なため扉にも金の細工が施されている。
扉を開けて中に入ると既に九人の団長が椅子に座っていた。
「レオン」
第十二騎士団団長ジャンが手を挙げて名を呼ぶ。
「ジャン、久しぶりだな。元気にしてたか」
あぁ、と返事をするジャンと最後にあった日から半年ぶりに会う。
出会ってからまだ五年しか経っていないが二人は良く気があった。
年は四つ違い出身も好みも違ったが何故か馬が合い仲良くなるのに時間はかからなかった。
今では本当の兄弟みたいに仲が良い。
お互い平民出身で平民の騎士団を率いているという共通点もあったから団同士でも仲が良い。
平民騎士団だが貴族達よりも民に頼りにされ好かれている。
特に団長の二人は実力でその座を掴んだ。腕前は相当なもの。
平民達の希望として他国からも尊敬されている。
だけど、それをよく思わない他の十騎士団の内九騎士団からは好かれていなかった。
騎士団に入れるのは貴族だけのもの。
生まれも育ちも高貴な身分の者が務められるという誇り。
それを変えた二人は騎士団員達から王宮に来るたび嫌がらせを受けていた。
団員が他の騎士団団長に嫌がらせをしているのを団長達は知っているはずなのに知らない振りを決め込んだ。
団長達は表だって何かをする事はなかったが、レオンとジャン二人を嫌っているのは明らかだった。
それでも、二人が何も言わなかったのは大したことじゃないし自分達が我慢すればいいと考えたから。
それに、もしこのことが団員達に知られたら他の騎士団に殴り込んで相手を殺してしまうかもしれないと思ったからでもある。
会議が始まるまでジャンと話していると残りの二人が時間より少し遅れて部屋に入って来た。
会議はいつもと大して変わらず、一年間の報告と隣国同士の戦争について話し合いをした。
今回の会議は議題が多く一歩間違えれば戦争に発展するのもあり、いつもより長引いたため疲れ果てたレオンが机に倒れ込む。
レオンは頭を使うのはあまり得意ではなかった。
団長であるが故に使わないといけなかったが出来ればやりたくはなかった。
「大丈夫か、レオン」
「うーん、何とか」
「今回はいつもの三倍くらい濃い内容だったからな」
先程まで行われた会議を思い出す。
普段は頼れる団長のレオンもジャンの前では少し甘えてしまう。
心を許しているのもあるがジャンの性格がそうさせているのだろう。
「そろそろ行くか」
「あぁ、待たせてすまない。ありがとう」
レオンの頭を髪がボサボサになるくらい撫でまわす。
「(可愛い奴め)」
心の中で呟くジャン。
部屋から出て馬車の所まで向かう。
広間までくると前から王族に仕える第一、ニ騎士団員達が前から近づいてくる。
「おやおや、これはこれは平民団長のお二人ではありませんか。こんな所で何を」
一人の団員が二人に話しかけると周りの団員達は馬鹿にしたように笑う。
「今日は年に一度ある団長会議の日だ」
ジャンがそう答えると団員達は鼻で笑いクスクスと笑い始める。
「あぁ、お二人も呼ばれているんですね」
「それはどういう意味だ」
「いえ、特に意味はありませんよ」
別の団員がお前達を団長とは認めないと遠回しに言う。
これ以上団員達を相手にしてもいいことは何もないと呆れたようにこの場を離れようとする二人に苛立った一人の団員が「お前達ってやっぱりそういう関係なのか」と失礼なことを言う。
「おい、今何て言った」
殺気立ったジャンがその団員に詰め寄る。
この時代ゼリョルデ国では同性同士の関係は忌み嫌われていたた。
神の子は清く美しい存在でなくてはならないと。
異性の関係こそ神が求めているもの。
それを破るものは悪魔の子と。
そのため、同性同士の関係は神への冒涜であると考えられていた。
もし、同性を好きになってしまった者は人としての扱いを二度と受けれなくなってしまう。
ところが、レオンとジャンはそれに意義を唱えた。
人が人を好きになるのは素晴らしいこと。
我らの神はきっと祝福してくれる。
だから、そういう考えは捨てましょうと。
希望の団長二人が声を上げて同性を好きになった人達を守る姿は最初こそ二人も「悪魔の子」「悪魔の使い」だと言われていたが、しだいに二人の姿に心を打たれ始める人達が少しずつ増えていった。
それでも、この国のほとんどの人達その中でも貴族達はまだ同性同士の関係を忌み嫌っている。
そんな人達から二人は度々そういう関係では無いかと疑われていた。
「やっているのかって言ったんだ」
一斉に笑いだす団員達。
その言葉を聞いた瞬間ジャンが一人の団員に殴りかかろうとする。
慌てて止めに入るレオン。
「ジャン、落ち着け」
「でも…」
レオンの顔を見て「すまない」と悔しそうな顔でそう呟き団員から手を離す。
結局何もできない二人に気分を良くした団員達がわざと肩を押したり足を軽く蹴ったりする。
(自分より上の騎士に肩を押したり殴ったり蹴ったりする行為は、お前は自分より下という騎士にとって不名誉なこと)
二人はただ黙ってその行為を受け入れた。
自分達だけが我慢すれば団の皆んなも町の人達も守ることができる、と。
暫くそうしていると足音が近づいてくるのが聞こえた。
「一体何事だこれは」
声のした方に顔を向けると第七騎士団団長ユエルがいた。
王宮の門番が馬車をみて十一騎士団のものとわかり門を開けるよう指示する。
五メートル以上ある門がゆっくりと開いていく。
馬車が動き出し王宮の中へと進んでいく。
「お待ちしておりました。ハーデンベルギア様」
王宮専属執事筆頭のジンがレオンを出迎える。
「場所はいつもと同じ所でございます」
「ありがとう」
年に一度十二騎士団団長が集まって会議をする。
その部屋に向かうため長い道のりを歩くレオン。
会議を行う部屋は王宮の中でも結構いい部屋なため扉にも金の細工が施されている。
扉を開けて中に入ると既に九人の団長が椅子に座っていた。
「レオン」
第十二騎士団団長ジャンが手を挙げて名を呼ぶ。
「ジャン、久しぶりだな。元気にしてたか」
あぁ、と返事をするジャンと最後にあった日から半年ぶりに会う。
出会ってからまだ五年しか経っていないが二人は良く気があった。
年は四つ違い出身も好みも違ったが何故か馬が合い仲良くなるのに時間はかからなかった。
今では本当の兄弟みたいに仲が良い。
お互い平民出身で平民の騎士団を率いているという共通点もあったから団同士でも仲が良い。
平民騎士団だが貴族達よりも民に頼りにされ好かれている。
特に団長の二人は実力でその座を掴んだ。腕前は相当なもの。
平民達の希望として他国からも尊敬されている。
だけど、それをよく思わない他の十騎士団の内九騎士団からは好かれていなかった。
騎士団に入れるのは貴族だけのもの。
生まれも育ちも高貴な身分の者が務められるという誇り。
それを変えた二人は騎士団員達から王宮に来るたび嫌がらせを受けていた。
団員が他の騎士団団長に嫌がらせをしているのを団長達は知っているはずなのに知らない振りを決め込んだ。
団長達は表だって何かをする事はなかったが、レオンとジャン二人を嫌っているのは明らかだった。
それでも、二人が何も言わなかったのは大したことじゃないし自分達が我慢すればいいと考えたから。
それに、もしこのことが団員達に知られたら他の騎士団に殴り込んで相手を殺してしまうかもしれないと思ったからでもある。
会議が始まるまでジャンと話していると残りの二人が時間より少し遅れて部屋に入って来た。
会議はいつもと大して変わらず、一年間の報告と隣国同士の戦争について話し合いをした。
今回の会議は議題が多く一歩間違えれば戦争に発展するのもあり、いつもより長引いたため疲れ果てたレオンが机に倒れ込む。
レオンは頭を使うのはあまり得意ではなかった。
団長であるが故に使わないといけなかったが出来ればやりたくはなかった。
「大丈夫か、レオン」
「うーん、何とか」
「今回はいつもの三倍くらい濃い内容だったからな」
先程まで行われた会議を思い出す。
普段は頼れる団長のレオンもジャンの前では少し甘えてしまう。
心を許しているのもあるがジャンの性格がそうさせているのだろう。
「そろそろ行くか」
「あぁ、待たせてすまない。ありがとう」
レオンの頭を髪がボサボサになるくらい撫でまわす。
「(可愛い奴め)」
心の中で呟くジャン。
部屋から出て馬車の所まで向かう。
広間までくると前から王族に仕える第一、ニ騎士団員達が前から近づいてくる。
「おやおや、これはこれは平民団長のお二人ではありませんか。こんな所で何を」
一人の団員が二人に話しかけると周りの団員達は馬鹿にしたように笑う。
「今日は年に一度ある団長会議の日だ」
ジャンがそう答えると団員達は鼻で笑いクスクスと笑い始める。
「あぁ、お二人も呼ばれているんですね」
「それはどういう意味だ」
「いえ、特に意味はありませんよ」
別の団員がお前達を団長とは認めないと遠回しに言う。
これ以上団員達を相手にしてもいいことは何もないと呆れたようにこの場を離れようとする二人に苛立った一人の団員が「お前達ってやっぱりそういう関係なのか」と失礼なことを言う。
「おい、今何て言った」
殺気立ったジャンがその団員に詰め寄る。
この時代ゼリョルデ国では同性同士の関係は忌み嫌われていたた。
神の子は清く美しい存在でなくてはならないと。
異性の関係こそ神が求めているもの。
それを破るものは悪魔の子と。
そのため、同性同士の関係は神への冒涜であると考えられていた。
もし、同性を好きになってしまった者は人としての扱いを二度と受けれなくなってしまう。
ところが、レオンとジャンはそれに意義を唱えた。
人が人を好きになるのは素晴らしいこと。
我らの神はきっと祝福してくれる。
だから、そういう考えは捨てましょうと。
希望の団長二人が声を上げて同性を好きになった人達を守る姿は最初こそ二人も「悪魔の子」「悪魔の使い」だと言われていたが、しだいに二人の姿に心を打たれ始める人達が少しずつ増えていった。
それでも、この国のほとんどの人達その中でも貴族達はまだ同性同士の関係を忌み嫌っている。
そんな人達から二人は度々そういう関係では無いかと疑われていた。
「やっているのかって言ったんだ」
一斉に笑いだす団員達。
その言葉を聞いた瞬間ジャンが一人の団員に殴りかかろうとする。
慌てて止めに入るレオン。
「ジャン、落ち着け」
「でも…」
レオンの顔を見て「すまない」と悔しそうな顔でそう呟き団員から手を離す。
結局何もできない二人に気分を良くした団員達がわざと肩を押したり足を軽く蹴ったりする。
(自分より上の騎士に肩を押したり殴ったり蹴ったりする行為は、お前は自分より下という騎士にとって不名誉なこと)
二人はただ黙ってその行為を受け入れた。
自分達だけが我慢すれば団の皆んなも町の人達も守ることができる、と。
暫くそうしていると足音が近づいてくるのが聞こえた。
「一体何事だこれは」
声のした方に顔を向けると第七騎士団団長ユエルがいた。
あなたにおすすめの小説
虐げられている魔術師少年、悪魔召喚に成功したところ国家転覆にも成功する
あかのゆりこ
BL
主人公のグレン・クランストンは天才魔術師だ。ある日、失われた魔術の復活に成功し、悪魔を召喚する。その悪魔は愛と性の悪魔「ドーヴィ」と名乗り、グレンに契約の代償としてまさかの「口づけ」を提示してきた。
領民を守るため、王家に囚われた姉を救うため、グレンは致し方なく自分の唇(もちろん未使用)を差し出すことになる。
***
王家に虐げられて不遇な立場のトラウマ持ち不幸属性主人公がスパダリ系悪魔に溺愛されて幸せになるコメディの皮を被ったそこそこシリアスなお話です。
・ハピエン
・CP左右固定(リバありません)
・三角関係及び当て馬キャラなし(相手違いありません)
です。
べろちゅーすらないキスだけの健全ピュアピュアなお付き合いをお楽しみください。
***
2024.10.18 第二章開幕にあたり、第一章の2話~3話の間に加筆を行いました。小数点付きの話が追加分ですが、別に読まなくても問題はありません。
俺は夜、社長の猫になる
衣草 薫
BL
冤罪で職を追われた葵は、若き社長・鷹宮に拾われる。
ただし条件は――夜は“猫”として過ごすこと。
言葉を話さず、ただ撫でられるだけの奇妙な同居生活。
タワマン高層階の部屋で、葵は距離を崩さない鷹宮に少しずつ惹かれていく。
けれど葵はまだ知らない。自分が拾われた本当の理由を。
恋をあきらめた美人上司、年下部下に“推し”認定されて逃げ場がない~「主任が笑うと、世界が綺麗になるんです」…やめて、好きになっちゃうから!
中岡 始
BL
30歳、広告代理店の主任・安藤理玖。
仕事は真面目に、私生活は質素に。美人系と言われても、恋愛はもう卒業した。
──そう、あの過去の失恋以来、自分の心は二度と動かないと決めていた。
そんな理玖の前に現れたのは、地方支社から異動してきた新入部下、中村大樹(25)。
高身長、高スペック、爽やかイケメン……だけど妙に距離が近い。
「主任って、本当に綺麗ですね」
「僕だけが気づいてるって、ちょっと嬉しいんです」
冗談でしょ。部下だし、年下だし──
なのに、毎日まっすぐに“推し活”みたいな視線で見つめられて、
いつの間にか平穏だったはずの心がざわつきはじめる。
手が触れたとき、雨の日の相合い傘、
ふと見せる優しい笑顔──
「安藤主任が笑ってくれれば、それでいいんです」
「でも…もし、少しでも僕を見てくれるなら──もっと、近づきたい」
これは恋?それともただの憧れ?
諦めたはずの心が、また熱を持ちはじめる。
異世界転移した元コンビニ店長は、獣人騎士様に嫁入りする夢は……見ない!
めがねあざらし
BL
過労死→異世界転移→体液ヒーラー⁈
社畜すぎて魂が擦り減っていたコンビニ店長・蓮は、女神の凡ミスで異世界送りに。
もらった能力は“全言語理解”と“回復力”!
……ただし、回復スキルの発動条件は「体液経由」です⁈
キスで癒す? 舐めて治す? そんなの変態じゃん!
出会ったのは、狼耳の超絶無骨な騎士・ロナルドと、豹耳騎士・ルース。
最初は“保護対象”だったのに、気づけば戦場の最前線⁈
攻めも受けも騒がしい異世界で、蓮の安眠と尊厳は守れるのか⁉
--------------------
※現在同時掲載中の「捨てられΩ、癒しの異能で獣人将軍に囲われてます!?」の元ネタです。出しちゃった!
黒獅子の愛でる花
なこ
BL
レノアール伯爵家次男のサフィアは、伯爵家の中でもとりわけ浮いた存在だ。
中性的で神秘的なその美しさには、誰しもが息を呑んだ。
深い碧眼はどこか憂いを帯びており、見る者を惑わすと言う。
サフィアは密かに、幼馴染の侯爵家三男リヒトと将来を誓い合っていた。
しかし、その誓いを信じて疑うこともなかったサフィアとは裏腹に、リヒトは公爵家へ婿入りしてしまう。
毎日のように愛を囁き続けてきたリヒトの裏切り行為に、サフィアは困惑する。
そんなある日、複雑な想いを抱えて過ごすサフィアの元に、幼い王太子の世話係を打診する知らせが届く。
王太子は、黒獅子と呼ばれ、前国王を王座から引きずり降ろした現王と、その幼馴染である王妃との一人息子だ。
王妃は現在、病で療養中だという。
幼い王太子と、黒獅子の王、王妃の住まう王城で、サフィアはこれまで知ることのなかった様々な感情と直面する。
サフィアと黒獅子の王ライは、二人を取り巻く愛憎の渦に巻き込まれながらも、密かにゆっくりと心を通わせていくが…
バツイチ上司が、地味な僕を特別扱いしてくる
衣草 薫
BL
理性的でクールなバツイチ上司・桐原恒一は、過去の失敗から、もう誰も必要としないと決めて生きてきた。
男が好きだという事実を隠し、「期待しなければ傷つかない」と思い込んできた部下・葉山直。
すれ違いと誤解の果てに、直が職場を去ろうとしたとき、恒一は初めて“追いかける”ことを選ぶ。
選ばれないと信じてきた直と、逃げないと決めた恒一。
二人の距離が近づくことで、直は「ここにいていい」と思える場所を見つけていく。
元ノンケ上司×自己肯定感低め部下の社会人BL。※ハッピーエンド保証。
天涯孤独になった少年は、元軍人の優しいオジサンと幸せに生きる(第12章終了しました)
ir(いる)
BL
※2025/11 プロローグを追加しました
ファンタジー。最愛の父を亡くした後、恋人(不倫相手)と再婚したい母に騙されて捨てられた12歳の少年。30歳の元軍人の男性との出会いで傷付いた心を癒してもらい、恋(主人公からの片思い)をする物語。
※序盤は主人公が悲しむシーンが多いです。
※主人公と相手が出会うまで、少しかかります(28話)
※BL的展開になるまでに、結構かかる予定です。主人公が恋心を自覚するようでしないのは51話くらい?
※女性は普通に登場しますが、他に明確な相手がいたり、恋愛目線で主人公たちを見ていない人ばかりです。
※同性愛者もいますが、異性愛が主流の世界です。なので主人公は、男なのに男を好きになる自分はおかしいのでは?と悩みます。
※主人公のお相手は、保護者として主人公を温かく見守り、支えたいと思っています。