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好きな神
「俺の方こそありがとう。ゼン」
ゼインが自分を慰めてくれたことに大してと子供達と遊んでくれた事のお礼を言う。
レオンがゼインに微笑むとゼインもレオンに微笑み返す。
「ところでゼンは子供達と何して遊んでたんだ?」
「絵本を読み聞かせていた」
えっ、と驚くレオンにそんなに驚くことないだろうとゼインはむぅとした表情をする。
レオンが驚いた様にゼインは今まで一度も誰かに読み聞かせしたことはない。
実際にさっき子供達にした読み聞かせはお世辞にも上手だったとはいえなかったが、子供達はそれでも一生懸命やってくれてたのが嬉しくて聞いていた。
「あー、その何の絵本を読んだんだ」
ゼインのむぅとした表情をみて苦笑いする。
「光の王ルミナス」
プイっと横をみて題名だけ言う。
「ハハッ、あいつら相変わらず好きだな」
俺もよくせがまれたな、とそのときの事を思い出して笑う。
「そんなに好きなのか」
「ああ。会いに行くと必ずと言っていいほどせがまれる。あっ、でもどっちかというと夏の王ゼインの方を言われるな。読んでくれてと言われなかったか」
ゼインはレオンの口から「夏の王ゼイン」という言葉がでてきてギョッとしてしまう。
口を開けたまま固まるゼインに「どうかしたか」と不思議そうな顔をして尋ねる。
「頼まれたがちょうどよくレオンが現れたから読まなかった」
「それは申し訳ない事をしたな」
ハハッと笑うレオンに絶対そんなこと思ってないなとジト目でみる。
だが、同時に「(よくあのタイミングで現れてくれた。本当に助かった)」と心の中でお礼を言った。
「子供達は神の話が好きなのか?」
ゴホン、と咳払いをして何となく気になっている事を尋ねる。
まぁ、自分達のことを嫌いだという人間にあまり出会ったことはないけどなと思う。
「子供達だけでなく大人も好きさ」
満面の笑みでいう。
聞いているこっちが恥ずかしくなるなとゼインは自分の顔に熱が集まってくるのがわかる。
「そうなのか。一番人気はやっぱり光の王ルミナスだろ」
顔を逸らし自分の顔がレオンに見えないようにして早口で言う。
神々の中でも最も愛される偉大なお方だから人間も当然そうだろうと思いそう尋ねた。
「うーん、それは人にやるんじゃないか。まぁ、一番愛されているのは間違いないけど」
まるで自分は違うと言っている様な気がして「そうなのか。ならレオンは?」と気づけば口にしていた。
レオンが好きな神が誰なのか気になる。
「俺?俺は夏の王ゼインかな」
恥ずかしそうに笑いながら言うレオンに何故かゼインの心がざわついた。
自分の名が呼ばれるとは思っても思っていなかったので、嬉しいのを必死に隠しながら「何でだ?」と尋ねるが少し声がうわずった。
「何でって言われたらそうだな…、四季の中で一番夏が好きだってのもあるけど、多分一番は夏の王は死者を四日間だけ地上に送ってくれるだろう。四日経ったら死者を天界に送り返す」
ゼインは心の中でそうだが、「それがどうしたんだ?」と疑問に思う。
「死者の魂は生者には見えないけど、死んだ人達が自分の所に来てくれるかもしれない、そう思うと俺はずっと待っていられるんだ。もしかしたら、来ていないかもしれないけど。それでも、会う機会を作ってくれる夏の王に毎回感謝してるんだ。いつか、会えたらお礼が言いたいよ」
俺っておかしいかな、と頬をポリポリとかきながら恥ずかしそうにはにかむ。
ゼインはレオンの何気ない言葉で顔が一気に赤く染まる。
手で顔を隠しレオンに見えないように背を向ける。
「(そんなこと生まれて初めて言われた。俺がそれをしていたのは仕事だからで感謝されるようなことはしていないのに…、お礼が言いたいだなんて)」
当たり前のことをしていただけのゼインには、レオンが何故そんな風に思うのかがわからなかったが胸が温かくなっていくのを感じた。
自分がレオンの言葉に喜びを感じていることに気づき少し泣きそうになる。
「どうしたんだ、ゼン」
レオンは急に背を向けてゼインを心配して尋ねる。
「何でもない。それよりこの馬車は今どこに向かっているんだ」
話を変えようとする。
さっき団会議をするって言っていたからそこに行くのだろう、と検討はついていたが場所は知らないので尋ねた。
「町を少し通り過ぎた場所かな。そんな長くかからないと思うから、もう少しだけ待ってもらってもいいか」
申し訳なさそうに言うレオンにゼインは「構わない」と頷く。
「ありがとう」
レオンはどこかホッとしたように息を吐き、ゼインにお礼を言う。
しばらく二人は馬車に揺られ町を通り過ぎていた。
馬車の中で店のことや料理のことなど、レオンが楽しそうに話すのをゼインはただ黙って聞いていた。
ゼインがレオンを見つめる瞳はとても優しくて、レオンはゼインが楽しんでくれていると思い、いろんなことを話した。
もっと話したい。
もっと聞いていたい。
二人はこの時間が少しでも長く続けばいいな、とそう思っていたが、そんな願いも虚しく馬車は目的地に辿り着いた。
ゼインが自分を慰めてくれたことに大してと子供達と遊んでくれた事のお礼を言う。
レオンがゼインに微笑むとゼインもレオンに微笑み返す。
「ところでゼンは子供達と何して遊んでたんだ?」
「絵本を読み聞かせていた」
えっ、と驚くレオンにそんなに驚くことないだろうとゼインはむぅとした表情をする。
レオンが驚いた様にゼインは今まで一度も誰かに読み聞かせしたことはない。
実際にさっき子供達にした読み聞かせはお世辞にも上手だったとはいえなかったが、子供達はそれでも一生懸命やってくれてたのが嬉しくて聞いていた。
「あー、その何の絵本を読んだんだ」
ゼインのむぅとした表情をみて苦笑いする。
「光の王ルミナス」
プイっと横をみて題名だけ言う。
「ハハッ、あいつら相変わらず好きだな」
俺もよくせがまれたな、とそのときの事を思い出して笑う。
「そんなに好きなのか」
「ああ。会いに行くと必ずと言っていいほどせがまれる。あっ、でもどっちかというと夏の王ゼインの方を言われるな。読んでくれてと言われなかったか」
ゼインはレオンの口から「夏の王ゼイン」という言葉がでてきてギョッとしてしまう。
口を開けたまま固まるゼインに「どうかしたか」と不思議そうな顔をして尋ねる。
「頼まれたがちょうどよくレオンが現れたから読まなかった」
「それは申し訳ない事をしたな」
ハハッと笑うレオンに絶対そんなこと思ってないなとジト目でみる。
だが、同時に「(よくあのタイミングで現れてくれた。本当に助かった)」と心の中でお礼を言った。
「子供達は神の話が好きなのか?」
ゴホン、と咳払いをして何となく気になっている事を尋ねる。
まぁ、自分達のことを嫌いだという人間にあまり出会ったことはないけどなと思う。
「子供達だけでなく大人も好きさ」
満面の笑みでいう。
聞いているこっちが恥ずかしくなるなとゼインは自分の顔に熱が集まってくるのがわかる。
「そうなのか。一番人気はやっぱり光の王ルミナスだろ」
顔を逸らし自分の顔がレオンに見えないようにして早口で言う。
神々の中でも最も愛される偉大なお方だから人間も当然そうだろうと思いそう尋ねた。
「うーん、それは人にやるんじゃないか。まぁ、一番愛されているのは間違いないけど」
まるで自分は違うと言っている様な気がして「そうなのか。ならレオンは?」と気づけば口にしていた。
レオンが好きな神が誰なのか気になる。
「俺?俺は夏の王ゼインかな」
恥ずかしそうに笑いながら言うレオンに何故かゼインの心がざわついた。
自分の名が呼ばれるとは思っても思っていなかったので、嬉しいのを必死に隠しながら「何でだ?」と尋ねるが少し声がうわずった。
「何でって言われたらそうだな…、四季の中で一番夏が好きだってのもあるけど、多分一番は夏の王は死者を四日間だけ地上に送ってくれるだろう。四日経ったら死者を天界に送り返す」
ゼインは心の中でそうだが、「それがどうしたんだ?」と疑問に思う。
「死者の魂は生者には見えないけど、死んだ人達が自分の所に来てくれるかもしれない、そう思うと俺はずっと待っていられるんだ。もしかしたら、来ていないかもしれないけど。それでも、会う機会を作ってくれる夏の王に毎回感謝してるんだ。いつか、会えたらお礼が言いたいよ」
俺っておかしいかな、と頬をポリポリとかきながら恥ずかしそうにはにかむ。
ゼインはレオンの何気ない言葉で顔が一気に赤く染まる。
手で顔を隠しレオンに見えないように背を向ける。
「(そんなこと生まれて初めて言われた。俺がそれをしていたのは仕事だからで感謝されるようなことはしていないのに…、お礼が言いたいだなんて)」
当たり前のことをしていただけのゼインには、レオンが何故そんな風に思うのかがわからなかったが胸が温かくなっていくのを感じた。
自分がレオンの言葉に喜びを感じていることに気づき少し泣きそうになる。
「どうしたんだ、ゼン」
レオンは急に背を向けてゼインを心配して尋ねる。
「何でもない。それよりこの馬車は今どこに向かっているんだ」
話を変えようとする。
さっき団会議をするって言っていたからそこに行くのだろう、と検討はついていたが場所は知らないので尋ねた。
「町を少し通り過ぎた場所かな。そんな長くかからないと思うから、もう少しだけ待ってもらってもいいか」
申し訳なさそうに言うレオンにゼインは「構わない」と頷く。
「ありがとう」
レオンはどこかホッとしたように息を吐き、ゼインにお礼を言う。
しばらく二人は馬車に揺られ町を通り過ぎていた。
馬車の中で店のことや料理のことなど、レオンが楽しそうに話すのをゼインはただ黙って聞いていた。
ゼインがレオンを見つめる瞳はとても優しくて、レオンはゼインが楽しんでくれていると思い、いろんなことを話した。
もっと話したい。
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