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第肆章 本番
証明
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「雷装」
雷をまとった幸平が、二人の相手をしてくれている。
私が思いついたのは、紬さんに教わった手法の一つ。相手が自分よりも格上で、無敵に近い環境がそろっているときに使える技。紬さんから教えてもらった魔法技法三種ある中のうちの一つ。
「邪魔!私はあの子を」
声と魔力で真鈴が近づいてくるのは察してきた。でも、魔力を集めるのに集中するために彼女のことを無視する。
そして、魔法のために姿勢を低くして神経を研ぎ澄まし始める。自分の中の魔力がどこにあるかを探り始める。
「待てよ!お前も俺が相手してやる」
聞こえる声を頭の中から排除しつつ、両手の神経に通る魔力と向き合う。大丈夫、きっと幸平ならこの一戦を乗り越えるために私が求めた時間を稼いでくれる。そう信じて、私は私のために目を閉じる。
視界を閉じた分、あたりの音がよく聞こえ、魔力や魔源の動きがいつもより感じる。幸平が一人で二人をちゃんと相手していて、私のほうに近づいてこない。さらに、私のほうに遠隔攻撃魔法が近づくと、幸平も同じような遠隔攻撃魔法で私に命中するをずらして、あたりから砂埃が舞う。
暗闇の中、見えてくる景色は数週間前の紬さんとの修行の時間。あの苦しい生活が私の中の何かを変化させた。あの時の言葉は私を大きく変化させるきっかけの一つとなった。先生は尻もちをついている私を見下ろし、私に見せたその技法について説明を始めた。
『いい?最も効率のいい魔法は、発動した瞬間にだけ魔力を使うこと。その結果、魔方陣が変色し魔法の威力が爆発的に上がるの。それを発動するためには・・・』
紬さんから教わったこれでなら、きっと何とかなる。魔法を使うとき毎回これじゃなくても、ここぞという時に使えればと、教えてもらったけど、こんなに早く使うとは。そもそもこの技法を使うには、今の私はかなりの集中を必要とするが、紬さんやより強い人は、タメの時間が出来ればいいらしい。私はまだその領域が見え始めたばかり。その領域に入ることができれば、私もきっとあの二人と肩を並べられる。
この技法を最も効果的に当てるには、今現在の私の実力だと、二つの条件がそろわないといけない。一つ、相手と私の実力の差が圧倒的であるということを互いに自覚しているということ。二つ、戦いの終盤もしくはこの一手でその戦場をしのぐことができるのが確実であること。つまりは、相手が隙を作ることができ、その後の勝利を決定づける何かがある必要がある。正直、後者の方は今回は微妙だった。でも私は彼を信じるからこそ今回、この技を使える。
あの時と同じく、腰の左で刀を握るように右手を握る。魔力を右手の空間に集める。中の空気が抜けて魔力でいっぱいになったところで、こぼれないように左手で、蓋をする。
「風魔法 玉の吐息!」
「砂魔法 高温の砂漠」
私の方に風の球が三発飛んでくるのが分かる。そして、向こうから徐々に砂で浸食されていくのも理解できた。視覚からの情報をなくした分、魔力の感知が敏感に働いた。
私の前に幸平が立つのが分かった。魔力とは別にどこか温かい気がした。
「雷魔法 落雷の防壁」
幸平の魔力が大きく広がるの分かる。その魔力の壁は砂を私の方に寄せ付けなかった。
「雷魔法 雷槍」
幸平の魔力が細長く三つに分かれ、降ってきている風の球を貫く。
不思議とこの試合の間、時間がゆっくりに感じた。
『確かに強力な魔法は使うのも難しい分、大抵の状況を覆すことのできる力を持つ。でも、それを使うのは正直コスパが悪いんだよね』
私の知らない強力な魔法を余裕をもって使った紬さんは、主婦のようなことを言っていた。
『魔法の属性は多くの種類があるように、魔法自体にも多くの種類が存在するのは知ってるでしょ』
幸平と平山さんが使ってる君主魔法を含む複数の魔法階級、一回戦で幸平が使って見せた魔法陣を重ねる重複魔法、魔法陣の外側にさらなる魔法陣を張る結合魔法、名前の通り広い範囲に魔法を張らせる広域魔法、さらに魔法の公式を進化させた大魔法。それにより、魔法の種類は人の数の倍以上だといわれている。
『そして、現魔導警察所長が現実可能にまでさせたこの技は、平凡な私たちを天才な人たちに匹敵させてくれる』
魔力を意図的に詰まらせて、魔法を発動させたいタイミング、つまりは相手に当てたいタイミングで一気に放出する。この技に求められる魔力コントロールの繊細さは、他の技に比べて群を抜いている。
「日向!そろそろ限界!」
幸平の言葉が聞こえた。感覚上で私と相手の二人のちょうど中間地点。そこから、幸平を蹴り飛ばし、移動速度からして真鈴が私の方に攻めてくる。
「そこをどきなさい!風魔法 空の刃」
彼女の両手から鋭く研磨された爪が感じられた。でも、私の準備も万全だ。少なくとも、彼女は私が終わらせる。
「水魔法 水刃 鏡の太刀」
右手の指先、三か所からだけ魔法を発動させるように意識して、詰まっていた魔力を放出することで魔法の性質変化を起こさせる。
私の発動した魔法は、水色の魔法だったが性質変化で白く反射していた。狙いは風魔法士 真鈴、天才の由来となる魔法をも貫通して、彼女の魔力結晶をも破壊した。
「えっ!?」「まじ!?」
「これはすごい」
「十年に一人の天才を証明した秀才が倒した!十代では無敵に近い『旋風纏』を一撃で破った!」
実況と解説をする二人の漏れた声まで聞こえた。
『性質変化か・・・』
『性質変化?なんですかそれ』
『説明したいけど、男子組が動き出すよ』
解説は実況の人よりも私たちの場を理解して、実況者を仕事に戻した。
「砂拘束魔法 砂嵐の檻」
私の水属性の魔法は、砂だらけの今の環境に相性最悪だったから、魔力はそこをつきそうになり、ちゃんと立とうにも力が入らず、腰が抜ける。その下に敷かれた魔法陣によって私はこの場に拘束され、相性のせいで魔力が削られる。
「日向!」
もう一度、魔力を絞り出して性質変化させた魔法を使おうにも、砂嵐の向こう側の魔力が読めない。
雷をまとった幸平が、二人の相手をしてくれている。
私が思いついたのは、紬さんに教わった手法の一つ。相手が自分よりも格上で、無敵に近い環境がそろっているときに使える技。紬さんから教えてもらった魔法技法三種ある中のうちの一つ。
「邪魔!私はあの子を」
声と魔力で真鈴が近づいてくるのは察してきた。でも、魔力を集めるのに集中するために彼女のことを無視する。
そして、魔法のために姿勢を低くして神経を研ぎ澄まし始める。自分の中の魔力がどこにあるかを探り始める。
「待てよ!お前も俺が相手してやる」
聞こえる声を頭の中から排除しつつ、両手の神経に通る魔力と向き合う。大丈夫、きっと幸平ならこの一戦を乗り越えるために私が求めた時間を稼いでくれる。そう信じて、私は私のために目を閉じる。
視界を閉じた分、あたりの音がよく聞こえ、魔力や魔源の動きがいつもより感じる。幸平が一人で二人をちゃんと相手していて、私のほうに近づいてこない。さらに、私のほうに遠隔攻撃魔法が近づくと、幸平も同じような遠隔攻撃魔法で私に命中するをずらして、あたりから砂埃が舞う。
暗闇の中、見えてくる景色は数週間前の紬さんとの修行の時間。あの苦しい生活が私の中の何かを変化させた。あの時の言葉は私を大きく変化させるきっかけの一つとなった。先生は尻もちをついている私を見下ろし、私に見せたその技法について説明を始めた。
『いい?最も効率のいい魔法は、発動した瞬間にだけ魔力を使うこと。その結果、魔方陣が変色し魔法の威力が爆発的に上がるの。それを発動するためには・・・』
紬さんから教わったこれでなら、きっと何とかなる。魔法を使うとき毎回これじゃなくても、ここぞという時に使えればと、教えてもらったけど、こんなに早く使うとは。そもそもこの技法を使うには、今の私はかなりの集中を必要とするが、紬さんやより強い人は、タメの時間が出来ればいいらしい。私はまだその領域が見え始めたばかり。その領域に入ることができれば、私もきっとあの二人と肩を並べられる。
この技法を最も効果的に当てるには、今現在の私の実力だと、二つの条件がそろわないといけない。一つ、相手と私の実力の差が圧倒的であるということを互いに自覚しているということ。二つ、戦いの終盤もしくはこの一手でその戦場をしのぐことができるのが確実であること。つまりは、相手が隙を作ることができ、その後の勝利を決定づける何かがある必要がある。正直、後者の方は今回は微妙だった。でも私は彼を信じるからこそ今回、この技を使える。
あの時と同じく、腰の左で刀を握るように右手を握る。魔力を右手の空間に集める。中の空気が抜けて魔力でいっぱいになったところで、こぼれないように左手で、蓋をする。
「風魔法 玉の吐息!」
「砂魔法 高温の砂漠」
私の方に風の球が三発飛んでくるのが分かる。そして、向こうから徐々に砂で浸食されていくのも理解できた。視覚からの情報をなくした分、魔力の感知が敏感に働いた。
私の前に幸平が立つのが分かった。魔力とは別にどこか温かい気がした。
「雷魔法 落雷の防壁」
幸平の魔力が大きく広がるの分かる。その魔力の壁は砂を私の方に寄せ付けなかった。
「雷魔法 雷槍」
幸平の魔力が細長く三つに分かれ、降ってきている風の球を貫く。
不思議とこの試合の間、時間がゆっくりに感じた。
『確かに強力な魔法は使うのも難しい分、大抵の状況を覆すことのできる力を持つ。でも、それを使うのは正直コスパが悪いんだよね』
私の知らない強力な魔法を余裕をもって使った紬さんは、主婦のようなことを言っていた。
『魔法の属性は多くの種類があるように、魔法自体にも多くの種類が存在するのは知ってるでしょ』
幸平と平山さんが使ってる君主魔法を含む複数の魔法階級、一回戦で幸平が使って見せた魔法陣を重ねる重複魔法、魔法陣の外側にさらなる魔法陣を張る結合魔法、名前の通り広い範囲に魔法を張らせる広域魔法、さらに魔法の公式を進化させた大魔法。それにより、魔法の種類は人の数の倍以上だといわれている。
『そして、現魔導警察所長が現実可能にまでさせたこの技は、平凡な私たちを天才な人たちに匹敵させてくれる』
魔力を意図的に詰まらせて、魔法を発動させたいタイミング、つまりは相手に当てたいタイミングで一気に放出する。この技に求められる魔力コントロールの繊細さは、他の技に比べて群を抜いている。
「日向!そろそろ限界!」
幸平の言葉が聞こえた。感覚上で私と相手の二人のちょうど中間地点。そこから、幸平を蹴り飛ばし、移動速度からして真鈴が私の方に攻めてくる。
「そこをどきなさい!風魔法 空の刃」
彼女の両手から鋭く研磨された爪が感じられた。でも、私の準備も万全だ。少なくとも、彼女は私が終わらせる。
「水魔法 水刃 鏡の太刀」
右手の指先、三か所からだけ魔法を発動させるように意識して、詰まっていた魔力を放出することで魔法の性質変化を起こさせる。
私の発動した魔法は、水色の魔法だったが性質変化で白く反射していた。狙いは風魔法士 真鈴、天才の由来となる魔法をも貫通して、彼女の魔力結晶をも破壊した。
「えっ!?」「まじ!?」
「これはすごい」
「十年に一人の天才を証明した秀才が倒した!十代では無敵に近い『旋風纏』を一撃で破った!」
実況と解説をする二人の漏れた声まで聞こえた。
『性質変化か・・・』
『性質変化?なんですかそれ』
『説明したいけど、男子組が動き出すよ』
解説は実況の人よりも私たちの場を理解して、実況者を仕事に戻した。
「砂拘束魔法 砂嵐の檻」
私の水属性の魔法は、砂だらけの今の環境に相性最悪だったから、魔力はそこをつきそうになり、ちゃんと立とうにも力が入らず、腰が抜ける。その下に敷かれた魔法陣によって私はこの場に拘束され、相性のせいで魔力が削られる。
「日向!」
もう一度、魔力を絞り出して性質変化させた魔法を使おうにも、砂嵐の向こう側の魔力が読めない。
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