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二時間目
過去を乗り越えて
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放課後、多くの生徒が部活動に向かう中、私は明日薫君と近くのショッピングモールに向かう。
「ねぇ、明日薫君って彼女とかいないよね?」
「何それ、いたらダメなん?」
「え!いるの?だったら行くのやめて帰ろうよ。浮気的な感じに思われたら大変だよ?」
私は焦りのあまりに言葉の勢いがとても強い気がした。
帰りの駅に向かう私の左手を少し冷たい感触が来て、さらに焦り出す。相手の顔を見たとき驚きのあまりに顔が赤くなった。
「ごめんごめん。違うよ。彼女はいないよ。つか、出来たことないし・・・」
そう笑う彼の手が私の手を握っていた。
「あっ、ごめん」
そう言った途端、彼は私の手を放す。
「別に良いよ。ほら!大丈夫なら早く行こう!」
次は私から彼の手を握って進む。これで彼が私のことを見てくれれば良いんだけど・・・。
明日薫君とは一緒にモールでは服を選んでもらったり、一緒にゲームをして本当に楽しかった。そんな時間はあっという間に過ぎていった。気が付けば日は暮れ、腹の虫の音が聞こえそうな時間になった。
「そろそろ帰ろうか・・・」
彼の言葉が自分がシンデレラじゃないと教えてくれた。
「そうだね・・・」
そう彼の言葉に同意して、学校の近くの駅に向かう。
帰る途中、来るときと同じところで次は明日薫君が足を止めた。
「申良さんてさ」
自己紹介しても彼は『君』としか呼んでくれなかったのに、珍しく呼んでくれた。苗字だけど・・・。嬉しさ反面ちょっと悲しい。
「何ていうかさ・・・」
彼は何かを言おうとしているのに下を向いてはっきり言えてない姿に可愛く思ってしまった。
「何?」
「申良さんて、俺の事覚えてたりする?」
私の明るいトーンと、彼は真逆で話す。その声で、台詞で、私にも緊張が移ったように感じた。
「小学校・・・の事?」
「えっ!?覚えててくれたん?」
彼が突然元気になった。その時の姿はまるで純粋な子供のように思えた。
「うん、明日薫君ってその時はすごく有名だったんだよ」
「そっか・・・」
本当に子供のように感情が現れている。
「俺さ、小学校の頃から好きな子いたんだよね」
彼は急に話し出した。
「その人と会ったのは入学式の頃でね、話しかけることとかも出来なくて・・・。それに転校もしたから十年近くあっても無いんだよね」
十年、・・・私?
「俺さ・・・」
私以外なら聞きたく無いな・・・。
「・・・君の事が好きです。幸さん」
やった。と頑に思いながら・・・。
「正確には、九年だけどね」
「そっか・・・」
彼は少し引いただろうか。私の細かい所はよく、響空に注意されたんだよね。嫌われるぞって。
「よく九年も、うちのこと好きでいてくれたね」
ちょっと私は彼のことを疑っているのが、自分でもどうしてかわからない。
「ごめん、でも、気持ち悪いよね。だって小学一年生の頃に好きになった子のことをまだ思うなんて・・・」
「いや、そういう意味じゃなくて。その・・・中学生の時とか、小学校の頃に彼女出来なかったのかな?って」
嬉しいあまりに彼の言葉を信用できないと無心で言ったこの言葉で理解できた。
「いや、自分で言うのはあれやけどさ、モテたよ?結構」
「ホントに!それ自分で言う?」
互いに笑いながら話す中、一応、みたいな速さで歩いていく。
「いや、ホントやもん?でも、なんか成長していくに連れて、君はどんな風になってるんだろうなって思うとさ、OKも出しづらいんだよね・・・」
「そうなんだ・・・」
「あっ!あと一昨年だったかな・・・。一度見かけたんだよ!」
「え?!いつ?」
「一回小学校きたやろ?」
「うん、行った・・・」
彼はいつの間にか周りが見えなくなっているようで、嬉しくなった。
「あの時、校庭でサッカーしててさ、先生とか小学生とかと。で、ボールが校舎の方に飛んで行った時、窓越しに見かけたんだ」
「・・・・・・」
私はつい、黙ってしまう。引いたとかじゃなくて、七年も経ったのに、私のことをちゃんと認識してくれた、と嬉しかった。
「ごめんごめん!流石に気持ち悪いよね・・・こんな変態なこと言うやつとかよね・・・」
私はとっさに涙が出た。
「ごめんなさい・・・。実は初めて会った時からしばらくは気になってたの!」
「まじで?!」
「でも、引越して、会う機会がなくなっちゃたから・・・」
「いや、それが普通だと思うよ?」
本心を包み隠さず話したけど、彼は簡単にそれを受け入れてくれた。そんな彼に私は昔と同じ感情を抱いた。
話しているうちに私たちは駅の前まで着いてしまった。
「まぁ、とにかく、今日は誘ってくれてありがとう。返事は、ゆっくり考えていいから」
終わるってことで感情を空っぽにした時に、急に来た彼の暖かく優しい気持ちは私の心をいっぱいにしてくれた。
「ううん。私ね、正直あなたのこと、すっかり忘れてたの。そんな私だよ?あなたを見た時は好きだって思っても一年もしたら忘れるような女だよ?それでも良いの?」
「うん。今はもう思い出してくれたんでしょ?それなら同じだよ。だからゆっくり考えて」
私に暖かく微笑む、そんな彼に私から言えるのはただ一つ、しかない・・・。
「ううん。こんな、私だけど、明日薫君の事を覚えてないような私でも、あなたの彼女になれますか?」
「大丈夫!その言葉ってOKってことでいいと?」
「うん!よろしくお願いします」
私は新しくて使い方がよく分からない力をどうにか振り絞り、最高の笑顔で、もう一度彼の顔を見る。その時見えた彼の顔と、さっきまでの彼の言葉で、私は彼の横にいることの幸せを想像できた。これが永遠に続いてほしいとも思った。
「ねぇ、明日薫君って彼女とかいないよね?」
「何それ、いたらダメなん?」
「え!いるの?だったら行くのやめて帰ろうよ。浮気的な感じに思われたら大変だよ?」
私は焦りのあまりに言葉の勢いがとても強い気がした。
帰りの駅に向かう私の左手を少し冷たい感触が来て、さらに焦り出す。相手の顔を見たとき驚きのあまりに顔が赤くなった。
「ごめんごめん。違うよ。彼女はいないよ。つか、出来たことないし・・・」
そう笑う彼の手が私の手を握っていた。
「あっ、ごめん」
そう言った途端、彼は私の手を放す。
「別に良いよ。ほら!大丈夫なら早く行こう!」
次は私から彼の手を握って進む。これで彼が私のことを見てくれれば良いんだけど・・・。
明日薫君とは一緒にモールでは服を選んでもらったり、一緒にゲームをして本当に楽しかった。そんな時間はあっという間に過ぎていった。気が付けば日は暮れ、腹の虫の音が聞こえそうな時間になった。
「そろそろ帰ろうか・・・」
彼の言葉が自分がシンデレラじゃないと教えてくれた。
「そうだね・・・」
そう彼の言葉に同意して、学校の近くの駅に向かう。
帰る途中、来るときと同じところで次は明日薫君が足を止めた。
「申良さんてさ」
自己紹介しても彼は『君』としか呼んでくれなかったのに、珍しく呼んでくれた。苗字だけど・・・。嬉しさ反面ちょっと悲しい。
「何ていうかさ・・・」
彼は何かを言おうとしているのに下を向いてはっきり言えてない姿に可愛く思ってしまった。
「何?」
「申良さんて、俺の事覚えてたりする?」
私の明るいトーンと、彼は真逆で話す。その声で、台詞で、私にも緊張が移ったように感じた。
「小学校・・・の事?」
「えっ!?覚えててくれたん?」
彼が突然元気になった。その時の姿はまるで純粋な子供のように思えた。
「うん、明日薫君ってその時はすごく有名だったんだよ」
「そっか・・・」
本当に子供のように感情が現れている。
「俺さ、小学校の頃から好きな子いたんだよね」
彼は急に話し出した。
「その人と会ったのは入学式の頃でね、話しかけることとかも出来なくて・・・。それに転校もしたから十年近くあっても無いんだよね」
十年、・・・私?
「俺さ・・・」
私以外なら聞きたく無いな・・・。
「・・・君の事が好きです。幸さん」
やった。と頑に思いながら・・・。
「正確には、九年だけどね」
「そっか・・・」
彼は少し引いただろうか。私の細かい所はよく、響空に注意されたんだよね。嫌われるぞって。
「よく九年も、うちのこと好きでいてくれたね」
ちょっと私は彼のことを疑っているのが、自分でもどうしてかわからない。
「ごめん、でも、気持ち悪いよね。だって小学一年生の頃に好きになった子のことをまだ思うなんて・・・」
「いや、そういう意味じゃなくて。その・・・中学生の時とか、小学校の頃に彼女出来なかったのかな?って」
嬉しいあまりに彼の言葉を信用できないと無心で言ったこの言葉で理解できた。
「いや、自分で言うのはあれやけどさ、モテたよ?結構」
「ホントに!それ自分で言う?」
互いに笑いながら話す中、一応、みたいな速さで歩いていく。
「いや、ホントやもん?でも、なんか成長していくに連れて、君はどんな風になってるんだろうなって思うとさ、OKも出しづらいんだよね・・・」
「そうなんだ・・・」
「あっ!あと一昨年だったかな・・・。一度見かけたんだよ!」
「え?!いつ?」
「一回小学校きたやろ?」
「うん、行った・・・」
彼はいつの間にか周りが見えなくなっているようで、嬉しくなった。
「あの時、校庭でサッカーしててさ、先生とか小学生とかと。で、ボールが校舎の方に飛んで行った時、窓越しに見かけたんだ」
「・・・・・・」
私はつい、黙ってしまう。引いたとかじゃなくて、七年も経ったのに、私のことをちゃんと認識してくれた、と嬉しかった。
「ごめんごめん!流石に気持ち悪いよね・・・こんな変態なこと言うやつとかよね・・・」
私はとっさに涙が出た。
「ごめんなさい・・・。実は初めて会った時からしばらくは気になってたの!」
「まじで?!」
「でも、引越して、会う機会がなくなっちゃたから・・・」
「いや、それが普通だと思うよ?」
本心を包み隠さず話したけど、彼は簡単にそれを受け入れてくれた。そんな彼に私は昔と同じ感情を抱いた。
話しているうちに私たちは駅の前まで着いてしまった。
「まぁ、とにかく、今日は誘ってくれてありがとう。返事は、ゆっくり考えていいから」
終わるってことで感情を空っぽにした時に、急に来た彼の暖かく優しい気持ちは私の心をいっぱいにしてくれた。
「ううん。私ね、正直あなたのこと、すっかり忘れてたの。そんな私だよ?あなたを見た時は好きだって思っても一年もしたら忘れるような女だよ?それでも良いの?」
「うん。今はもう思い出してくれたんでしょ?それなら同じだよ。だからゆっくり考えて」
私に暖かく微笑む、そんな彼に私から言えるのはただ一つ、しかない・・・。
「ううん。こんな、私だけど、明日薫君の事を覚えてないような私でも、あなたの彼女になれますか?」
「大丈夫!その言葉ってOKってことでいいと?」
「うん!よろしくお願いします」
私は新しくて使い方がよく分からない力をどうにか振り絞り、最高の笑顔で、もう一度彼の顔を見る。その時見えた彼の顔と、さっきまでの彼の言葉で、私は彼の横にいることの幸せを想像できた。これが永遠に続いてほしいとも思った。
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