あの雨のように

浅村 英字

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二時間目

授業開始

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 土日、特に用もない暇な休日だった。だから久々に感じる月曜日、学校を楽しみに俺は登校するため、最寄りの駅に向かう。

「よっ!やっぱお前も電車か。まぁ、当たり前か」

「おはよう。俺はお前は自転車で行くのだと思ってた」

 駅には違う高校の制服が複数あった。

「おはよう辰矢。お前もとうとうワボを始めたんだな。時代もだいぶ流れたな」

 俺をバカにしたのは幼馴染の『上杉 悠斗ゆうと』だった。

「お前、そんなこと言う?いくら俺でも傷つくぞ」

「悪い悪い、今日放課後何か予定ある?」

 こいつは何かと誤魔化しては、苦難から逃げる癖がある。

「放課後?特に何もないよ?」

「それなら、学校終わったらそっち行くけん、一緒にゲーセン行こうぜ!」

 高校生らしいと言えば、らしい行動なのか・・・。

「なら、俺は駅で待っとけばいいと?」

「おう、それで!」

「でもさ、辰矢やったらさ、今どれくらいフォロワー増えた?」

「え?特に増えてないけど・・・?」

「え?辰矢君、ワボ始めたと?交換しよ!」

 俺と悠斗をしている内容をいつ聞いたのか、駅にいた多くの生徒が俺の元に来た。
 電車が来る時間になっても俺の周りにいる人数はなかなか減らず、電車に乗るのも一苦労。人と人の間を俺や優真ゆうまでかき分けて行き、どうにか電車に乗る。明日もこうなるのだろうか、今日交換できなかた人は多くいたからな・・・。

「お前、朝から人気者だな。羨ましいよ」

 電車内、あまりの人の多さに、立っていて足が疲れるのに前後に揺られながらも、優真は俺に話かける。満員電車とまでは言わないが人と人の距離はかなり近い。

「別に今だけだろ。一週間もすれば、俺になんて誰も見向きもしないさ」

「えっ!一週間も続くの?お前も大変だけど、お前の言い方にも悪意あるだろ」

 嫌味を込めた俺の言葉はちゃんと伝わったらしい。でも、隣の人にも聞こえたかな・・・。だとしたら、面目ない・・・。
 十分ほど電車に揺られ、到着した駅で降りる。そこには当然ながら、同じ制服を着た人たちが一緒にたくさん降りていった。

「よく見たら、大学生も多いな・・・」

「そりゃ、そうだろ。俺らの学校より近くに大学があるからな」

 ドヤって顔をした彼に少し、苛立ちが芽生えた。

「あっ!辰矢!」

「おぉ、響空」

 急に呼ばれた自分の名前、聞こえた方向には響空がいた。

「えっ、辰矢の知り合い?」

 優真は驚きすぎて少しの間足を止めていた。

「あぁ、クラスメイトの・・・」

「戌駒さんだよね?」

「あ!もしかして、島崎君?」

 今、俺は訳の分からない渦の中にいる。初対面だよね。なんで互いの名前を知っているのかが理解できない。

「辰矢?どうかしたの?」

「あっ、いや、なんで知り合ってるのかな・・・って」

 心の言葉は一テンポ遅れて口にした。

「え?何?なんで笑うん?」

 俺の言葉に二人は息ピッタリと笑っている。

「いやぁ、俺は彼女がお前を最初にフォローした女子だから気になって話しかけたんだ」

 俺はポカーンとしている顔をしていてるのだろう、二人がまた笑い出した。

「あのね、昨日突然『あなたはどんな人ですか?』ってこの人が送ってきて、それから少し話してて、『明日駅から一緒行こう』ってなったの」

 笑いながら説明する彼女に相槌を打つように顔を上下する優真。その上下する顔に右の拳をぶつけてやりたい、と頭にきた俺はお返しとして・・・、

「つまりは、こいつに『ナンパ』されたん?」

「おいっ!こらっ」

 冗談として笑みで言った、俺の言葉はこの状況に上手くハマったらしい。
 そこから俺らは三人で教室に向かう。その道中、俺には何かおかしな気持ちが少しだけあった。
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