1 / 23
第一話 蘇る思い出
転入先は顔面偏差値が高すぎる
しおりを挟む
ここから先は私の新しい世界。今までとは一新された、輝くような世界。
私は『佐藤 鈴乃』この春から高校二年生。大阪から東京の『櫨波高校』に転校することになった。
櫨波高校は超芸能校で、この学校の卒業生は、ほぼ全員が芸能人への道に行く。この高校に入ったのは私が今将来の夢としているのが、ミュージシャンでここの軽音部に入れば多くの芸能プロダクションに目をつけてもらえる、その為に。
「鈴乃ぉ、最後の荷物上に上げといたから早めに整理しなさいよ」
「はぁい、分かったよ、お母さん」
引っ越して新しい家での荷物整理に私は本当に忙しくなってる。もうせっかく東京に来たのに・・・、早く外出できないと本当に無理。
「シンくん・・・。シンくんは今何してんのかな・・・?あの時の約束、私は覚えてるよ。ちゃんと迎えに来てくれるって待ってるよ・・・」
昔、小学一年生の最後、引っ越すって聞いた時に約束した。大親友のシンくんという男子。『またここで会おう、待っててくれるなら、ちゃんと迎えにくるよ』そう言った彼の言葉を十年以上経っても私は信じちゃうだよね。もう顔も本名も忘れてしまった彼だからこそ・・・、忘れた方がいいのかな。
「行ってきまーす」
翌朝、朝食をとって初めての登校に胸の内を高鳴らせながら玄関の扉を開ける。
駅まで徒歩数分。その途中、なんというか、黒の学ランを着た男子高校生が三人、こそこそと話しながらこちらをチラチラ見ている。
「なぁ、そこの姉ちゃん。櫨波生だろ?その制服。俺らと少し話そうぜ」
いわゆる不良ヤンキー、正直かなりダサい。三人とも顔も格好も最低。こんな人たちにナンパされたと思うと寒気が立つ。変な絡み方のせいで気持ちが悪い。
「ごめんなさい」
「いいじゃねえかよ。別になんもないだろ」
私は気がつけば三人に囲まれ、逃げ場を失っていた。そしてどこかに連れ去られ始めていた。
「やめてください」
周りに聞こえるように叫んでも、周りの人は特に気にせずどこかへ逃げて行く。
「別になにもしないからよ」
東京に来ていきなりこんな散々なことに出会うなんて私の前世はどんなにダメダメだったんだろう。
「邪魔だコラ!どっか行けよこのクソ野郎ども」
嫌がるあまりに私は周りの景色を黒に染めていた。だから何が起きたのか理解するのに時間をかけた。
「お嬢ちゃん、見ない顔だね。転入生?この辺はああいう情けない奴がそこら辺にいるから気をつけてね。学校まで送ろうか?」
東京の一角、私の家となったビルよりも辺の建物は高い。大阪の頃の景色では見られなかった。そんな初めての景色の中で見れた私を助けてくれた人にはどこか懐かしい感じがした。
「あ、ありがとうございます」
私は少し懐かしいのと、優しさのあまりに正直、惚れてしまった。同じ学校の制服に、よく見ると彼の顔はすごくかっこよくて、モデルのようにキリッとしていてスタイルも良くて、今のところ文句のつけようがよくわからない。
「あれっ?もしかして俺に惚れちゃった?」
前言撤回。この自意識過剰は私の一番嫌いなタイプだわぁ。
「ダメだよ。こんなことで他人を好きになっちゃ。いい?君が今から行くことはこんな奴だらけなんだから」
何?!この変な奴。
「別にそんなこと言ってないですよね」
「顔にそう書いてあるけど?」
いつかこいつの顔面に往復ビンタ喰らわす。そう殺意のと似た感情が私の中に溢れる。
「うるさいなぁ、送ってくれるんなら早く行こう!」
その人とはそれ以来話さなかった。名前も知らないまま、学年やクラスも・・・。でも、どうして、私のこと転入生って分かったんだろう。
学校に着くと先生が一人待ってあってその人に話しかけられた。
「伊島先生、おはようございます。伊島先生ってことはやっぱり転入生なんですね」
予想が当たってよかったですね。そう思うしかない。
「何だ、もう知り合ったのか相澤」
「はい、早速この子のヒーローに」
「なってません。正直、最初以外は最悪でしたので」
「お前らいつから知り合いなんだ?今日初めてなんて思えんくらい息ぴったりだぞ」
私も思ってしまった。先行きが悪いなぁ。早くクラスを知って仲間が欲しい。
「とりあえず、佐藤さん・・・で合ってるよね?」
「はい」
今確認されるとこの人に私の名前がバレる・・・。
「それじゃあ、先に校長室に行こうか」
「わかりました」
「相澤は早く教室に行け。朝のホームルームに間に合わんぞ」
「ウイっす」
そう言われ、彼はどこか奥に向かう。
転校先の学校の先生もどこかで見たことあるような顔をしてて、何故か違和感が止まらない。
校長室から見た学生の顔が全員かっこ良すぎて、自分の顔面偏差値の低さに残念がる。
新しい学校、新しい教室、新しいメンツ。楽しみな新生活に私は胸を躍らせて・・・いたはずなんだけど。
「今日から転入してきた・・・えっ」
自己紹介をするとき教室中の顔ぶれを見ていると、叫びたくなってしまって口が少し動かしづらい。
「どうかしました?」
そこにいたのは今朝の男子。名前も知ら知らへん男子に、なんか自分の考えていたことをめちゃくちゃにされるのは、自分としても皮肉としか言いようがない。
「いや、すいません。大阪から来ました、『佐藤 鈴乃』です。よろしくお願いします」
私の言葉のあと、聞こえた拍手喝采に本気で喜べない自分がいた。
「席は空いているあそこな」
そう言われて私の席を見るとその席は王道の窓側の一番後ろだった。不幸中の幸せだったのは彼の隣では無かったことだ。後ろだけど。私の席に向かう途中や自己紹介した時で教室の人たちを見てたけど、みんな美男美女すぎる。私だけ浮いている感じがする・・・。
私は『佐藤 鈴乃』この春から高校二年生。大阪から東京の『櫨波高校』に転校することになった。
櫨波高校は超芸能校で、この学校の卒業生は、ほぼ全員が芸能人への道に行く。この高校に入ったのは私が今将来の夢としているのが、ミュージシャンでここの軽音部に入れば多くの芸能プロダクションに目をつけてもらえる、その為に。
「鈴乃ぉ、最後の荷物上に上げといたから早めに整理しなさいよ」
「はぁい、分かったよ、お母さん」
引っ越して新しい家での荷物整理に私は本当に忙しくなってる。もうせっかく東京に来たのに・・・、早く外出できないと本当に無理。
「シンくん・・・。シンくんは今何してんのかな・・・?あの時の約束、私は覚えてるよ。ちゃんと迎えに来てくれるって待ってるよ・・・」
昔、小学一年生の最後、引っ越すって聞いた時に約束した。大親友のシンくんという男子。『またここで会おう、待っててくれるなら、ちゃんと迎えにくるよ』そう言った彼の言葉を十年以上経っても私は信じちゃうだよね。もう顔も本名も忘れてしまった彼だからこそ・・・、忘れた方がいいのかな。
「行ってきまーす」
翌朝、朝食をとって初めての登校に胸の内を高鳴らせながら玄関の扉を開ける。
駅まで徒歩数分。その途中、なんというか、黒の学ランを着た男子高校生が三人、こそこそと話しながらこちらをチラチラ見ている。
「なぁ、そこの姉ちゃん。櫨波生だろ?その制服。俺らと少し話そうぜ」
いわゆる不良ヤンキー、正直かなりダサい。三人とも顔も格好も最低。こんな人たちにナンパされたと思うと寒気が立つ。変な絡み方のせいで気持ちが悪い。
「ごめんなさい」
「いいじゃねえかよ。別になんもないだろ」
私は気がつけば三人に囲まれ、逃げ場を失っていた。そしてどこかに連れ去られ始めていた。
「やめてください」
周りに聞こえるように叫んでも、周りの人は特に気にせずどこかへ逃げて行く。
「別になにもしないからよ」
東京に来ていきなりこんな散々なことに出会うなんて私の前世はどんなにダメダメだったんだろう。
「邪魔だコラ!どっか行けよこのクソ野郎ども」
嫌がるあまりに私は周りの景色を黒に染めていた。だから何が起きたのか理解するのに時間をかけた。
「お嬢ちゃん、見ない顔だね。転入生?この辺はああいう情けない奴がそこら辺にいるから気をつけてね。学校まで送ろうか?」
東京の一角、私の家となったビルよりも辺の建物は高い。大阪の頃の景色では見られなかった。そんな初めての景色の中で見れた私を助けてくれた人にはどこか懐かしい感じがした。
「あ、ありがとうございます」
私は少し懐かしいのと、優しさのあまりに正直、惚れてしまった。同じ学校の制服に、よく見ると彼の顔はすごくかっこよくて、モデルのようにキリッとしていてスタイルも良くて、今のところ文句のつけようがよくわからない。
「あれっ?もしかして俺に惚れちゃった?」
前言撤回。この自意識過剰は私の一番嫌いなタイプだわぁ。
「ダメだよ。こんなことで他人を好きになっちゃ。いい?君が今から行くことはこんな奴だらけなんだから」
何?!この変な奴。
「別にそんなこと言ってないですよね」
「顔にそう書いてあるけど?」
いつかこいつの顔面に往復ビンタ喰らわす。そう殺意のと似た感情が私の中に溢れる。
「うるさいなぁ、送ってくれるんなら早く行こう!」
その人とはそれ以来話さなかった。名前も知らないまま、学年やクラスも・・・。でも、どうして、私のこと転入生って分かったんだろう。
学校に着くと先生が一人待ってあってその人に話しかけられた。
「伊島先生、おはようございます。伊島先生ってことはやっぱり転入生なんですね」
予想が当たってよかったですね。そう思うしかない。
「何だ、もう知り合ったのか相澤」
「はい、早速この子のヒーローに」
「なってません。正直、最初以外は最悪でしたので」
「お前らいつから知り合いなんだ?今日初めてなんて思えんくらい息ぴったりだぞ」
私も思ってしまった。先行きが悪いなぁ。早くクラスを知って仲間が欲しい。
「とりあえず、佐藤さん・・・で合ってるよね?」
「はい」
今確認されるとこの人に私の名前がバレる・・・。
「それじゃあ、先に校長室に行こうか」
「わかりました」
「相澤は早く教室に行け。朝のホームルームに間に合わんぞ」
「ウイっす」
そう言われ、彼はどこか奥に向かう。
転校先の学校の先生もどこかで見たことあるような顔をしてて、何故か違和感が止まらない。
校長室から見た学生の顔が全員かっこ良すぎて、自分の顔面偏差値の低さに残念がる。
新しい学校、新しい教室、新しいメンツ。楽しみな新生活に私は胸を躍らせて・・・いたはずなんだけど。
「今日から転入してきた・・・えっ」
自己紹介をするとき教室中の顔ぶれを見ていると、叫びたくなってしまって口が少し動かしづらい。
「どうかしました?」
そこにいたのは今朝の男子。名前も知ら知らへん男子に、なんか自分の考えていたことをめちゃくちゃにされるのは、自分としても皮肉としか言いようがない。
「いや、すいません。大阪から来ました、『佐藤 鈴乃』です。よろしくお願いします」
私の言葉のあと、聞こえた拍手喝采に本気で喜べない自分がいた。
「席は空いているあそこな」
そう言われて私の席を見るとその席は王道の窓側の一番後ろだった。不幸中の幸せだったのは彼の隣では無かったことだ。後ろだけど。私の席に向かう途中や自己紹介した時で教室の人たちを見てたけど、みんな美男美女すぎる。私だけ浮いている感じがする・・・。
0
あなたにおすすめの小説
春の雨はあたたかいー家出JKがオッサンの嫁になって女子大生になるまでのお話
登夢
恋愛
春の雨の夜に出会った訳あり家出JKと真面目な独身サラリーマンの1年間の同居生活を綴ったラブストーリーです。私は家出JKで春の雨の日の夜に駅前にいたところオッサンに拾われて家に連れ帰ってもらった。家出の訳を聞いたオッサンは、自分と同じに境遇に同情して私を同居させてくれた。同居の代わりに私は家事を引き受けることにしたが、真面目なオッサンは私を抱こうとしなかった。18歳になったときオッサンにプロポーズされる。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
五月病の処方箋
松丹子
恋愛
狩野玲子29歳は五月が大嫌い。その理由を知った会社の後輩、石田椿希27歳に迫られて…
「玲子さん。五月病の特効薬、知ってます?」
キリッと系ツンデレOLとイケメン後輩のお話です。
少しでも、お楽しみいただけたら幸いです。
*Rシーンは予告なく入りますのでご注意ください。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
還暦の性 若い彼との恋愛模様
MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。
そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。
その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。
全7話
溺愛ダーリンと逆シークレットベビー
吉野葉月
恋愛
同棲している婚約者のモラハラに悩む優月は、ある日、通院している病院で大学時代の同級生の頼久と再会する。
立派な社会人となっていた彼に見惚れる優月だったが、彼は一児の父になっていた。しかも優月との子どもを一人で育てるシングルファザー。
優月はモラハラから抜け出すことができるのか、そして子どもっていったいどういうことなのか!?
二年後、可愛かった彼の変貌に興ざめ(偽者でしょう?)
岬 空弥
恋愛
二歳年下のユーレットに人目惚れした侯爵家の一人娘エリシア。自分の気持ちを素直に伝えてくる彼女に戸惑いながらも、次第に彼女に好意を持つようになって行くユーレット。しかし大人になりきれない不器用な彼の言動は周りに誤解を与えるようなものばかりだった。ある日、そんなユーレットの態度を誤解した幼馴染のリーシャによって二人の関係は壊されてしまう。
エリシアの卒業式の日、意を決したユーレットは言った。「俺が卒業したら絶対迎えに行く。だから待っていてほしい」
二年の時は、彼らを成長させたはずなのだが・・・。
病弱な彼女は、外科医の先生に静かに愛されています 〜穏やかな執着に、逃げ場はない〜
来栖れいな
恋愛
――穏やかな微笑みの裏に、逃げられない愛があった。
望んでいたわけじゃない。
けれど、逃げられなかった。
生まれつき弱い心臓を抱える彼女に、政略結婚の話が持ち上がった。
親が決めた未来なんて、受け入れられるはずがない。
無表情な彼の穏やかさが、余計に腹立たしかった。
それでも――彼だけは違った。
優しさの奥に、私の知らない熱を隠していた。
形式だけのはずだった関係は、少しずつ形を変えていく。
これは束縛? それとも、本当の愛?
穏やかな外科医に包まれていく、静かで深い恋の物語。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる